今後ホール全体が向かっていくべき方向性は、来店取材や過度の新台入れ替えをすることなのか?

シリーズ名
現役ホールマネージャーだけど、なんか聞きたいことある? (毎週日曜日更新)
話数
第127回
著者
アタマキタ
今回は1つの質問にじっくり答えていこうと思う。



【ホルモン386さんの質問】
「泥沼の性能詐称機問題」のコラムで触れておられた、「カラい機械と認識した店長がアマく使ったにも関わらず、主に風評被害が原因で撤去せざるを得なくなった」というお店の件、深く考えさせられました。

この問題の本質は、ユーザーとホール・メーカーとの情報の非対称性にあるのではないかと思います。ホールは何を考え、どう遊んでほしいのかを伝えられない、ユーザーはどの情報を元にホールや遊技機を判断すればいいか分からない…。

以前は、ホールからの特定日や特定機種告知などでそのギャップが埋められていたと思います。しかし、それらが規制され、広告等で下手な表現をすれば「射幸心を煽っている」とイチャモンをつけられる現在、ホールがユーザーにメッセージを送るのは大変なことだと察します。ですので、ライターの来店取材を積極的に受けるというのも1つの答えなのだと思ってます。

そこでお聞きしたいのですが、そんななかで今後ホール全体が向かっていくべき方向性についてのお考えがあれば、お聞かせ頂けますでしょうか? 来店取材をもっと受けるべき、新台入替をこのような形で行なうべき、平常営業はこのようなやり方にするべき…といった考えです。

もちろんホールによって具体的にとるべき方策は異なるでしょうが、「もっと業界全体がこうなればなぁ」みたいな思いがあるのなら、ぜひお聞きかせ願いたいのです。なんだかはっきりしない質問になっているかもしれませんが、どうぞよろしくお願いいたします。



【回答】
やたらと難しい問題を投げていただき、ありがとうございます(笑)。

ホルモン386さんのおっしゃるとおりで、「ホール」「お客様」「メーカー」のコミュニケーション不足を解消することができれば、解決する問題は多いと思う。

お店はお客様に自店のセールスポイントを知って頂くために、過去にはイベントのようなことを行なったりしていた時代もたしかにあったのだが、著しく射幸心を煽る可能性がある行為という分かりづらいくくりのなかで、全面的に禁止となったのは記憶に新しいところだろう。

そして、今はグレーゾーンとされているが、来店系の取材などを行ない、お店のセールスポイントや特定日を知らせるといったことが繰り返されている。

ちなみに、よく開催されている来店系の取材などに関しては「グレーゾーン」と書いたが、これは残念ながらアウトになる公算が高い。また、SNSでの情報発信をメインとするオフ会系のものなどもそうだ。例えば、オフ会開催となる店舗に参加される人たちが勝手に来て盛り上がっていて、自店は知らなかったという言い訳も通用しなくなっている。

実際問題として、ホールで行なわれる来店取材と言われるものの約9割以上が、自店をアピールするためのイベントの代わりと言っても過言ではないだろう。オフ会系のものも同じである。


そして、取り締まりを行なう行政側もバカではない。ホール側が呼んでいるのなら、なんらかの形で来店系の取材元の会社に対して支払いが発生している可能性があるだろう。そこを調べられたら完全にアウトであり、そういう実態調査から取材と銘打ったものを繰り返したホールが指導を受けた例も多数あった。

たしかにこれらは一時的な集客に長けていて、特定日を理解して頂く手法としては手っ取り早い。そういう意味においては、取材を受けるという行為に違法性がなければ、ホルモン386さんのおっしゃる通りお店の意図を伝えるものとしては有効的な手段であろう

ただ、仮に行政の目をかいくぐって取材を行なうことができたとしても、諸刃の剣であることは明確な事実で、特定日に取材を敢行して出玉を大量に出せば、そのシワ寄せを通常営業日に来店されるお客様から頂くというリスクはついて回る。まさしくホールにとって来店系の取材は、禁断の薬と言えるだろう。

逆にイベントが普通に行なわれていた頃に認知された特定日に関しては、目立った宣伝も不要であることから、分かりやすく出玉を出していけばいいのではないかと思う。


通常営業においても同様なことが考えられる。以前の等価交換一辺倒の時代ではなくなった現在なら、何でもない平日にも普通にパチスロの高設定台を置くことは可能なはずだ。そうすることで、ユーザーには高設定を探す能力が求められ、見つけたときの喜びが味わえる。それが本来のパチンコ・パチスロの姿なのではないかと思う。

多くのパチンコ・パチスロユーザーが、特定日以外はパチンコなら回らない、パチスロなら高設定を入れていないと思っているという調査結果があったが、まったくそんなことはないと言っていいだろう。なぜなら、店舗の規模などによって違いはあるものの、以前と違ってイベントを行なうために粗利確保をするという行為がほとんどなくなっているからだ。結局は店選びが重要…といったオチなのだが(苦笑)。


新装開店にはいろいろな思いがある。昭和時代の新台入替と言えば、年に1回から2回程度で、お店の設置台のほぼ全部を店休をとって入替するといった感じだった。だから目いっぱい出玉を出すことができたし、それに群がるように人はホールに集まった。新台入替は完全に祭りであった。

今はどうだろうか…。

どこもかしこも新台入替。もはや打ってみようという気力も薄れ、結局一度も触らないまま新台は通りすぎて行ってしまっている。

それもそのはず、抱き合わせで買わされたクソつまらない機械をバラエティの一角に導入し、利益を取りまくって終わらせているのだから。こういう回収のオペレーションが1つのパターンと化してしまっているのだろう。

それではお客様には喜んで頂けない。

新台入替は年に1回とまでは言わないが、せめて2ヶ月に1回程度しかできないというような形に規制してしまえば、新台入替が集客へと繋がるのではないだろうか。


それからメーカー側にも言いたい。とにかく機械を出しすぎだ。

月に新台が15機種なんてことはザラで、そこから良い台を選ぶのも難しい。逆に、そのスパンで出すということは開発期間は短くなり、良い台を作るなんて不可能な話だと思う。また、新台入替をすれば仕事をしているような錯覚に陥ってしまっているホール管理者にも、問題があると言っていいだろう。

仮に新台入替に規制がかかれば、例えば2ヶ月に1回しかない新台入替のために労力を傾けようとホールもメーカーも一緒に努力するだろう。また、ユーザーにとっても新台入替に対する期待感が高まると思うのだが…。


質問の内容が難しすぎて、こんな中途半端な回答になってしまったのだが、なんとなくでも言いたいことは分かって頂けただろうか?

平成も残すところあとわずかになってきたが、昔のパチンコ経営から学ぶことは多かったはずだ。そういった忘れかけたものに1つ1つチャレンジをしていけるようなホールづくりをやっていけば、きっと楽しいのではないだろうか。


ではまた来週。


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