パチスロで泣いた話[2]

シリーズ名
町民プールで鮪釣り (毎週火曜日更新)
話数
第126回
著者
ラッシー
前回に引き続き、パチスロを打っていて泣いたエピソードを紹介していきます。

パチスロを打っていて感動するヤツなんて、俺以外にいないのかもしれない。つい最近までそんな風に思っていたのですが、どうやらそうでもなかったようで。とある先輩ライターと酒を飲んだとき、少し恥ずかしそうに語ってくれました。その話も最後に少しだけ。


【Episode3:俺、今ルパンと1つになってる!】

これはライターになってからの話で、とある実戦番組の決勝戦でのこと。

俺はライターになる前から、その番組に憧れていました。やっとのことで出場権を獲得し、参加から2シーズン目にして待望の決勝進出。

みなさんからすれば「たかがパチスロ番組」でしょうが、俺にとっては甲子園決勝…はさすがに言いすぎだけど、それに近い舞台でした。この機を逃したら、きっと俺は一生タイトルを獲れない。そんな風にさえ思っていました。


実戦機種に選んだのは「ルパン三世〜ルパン一族の秘宝〜」。当時、俺が最も打ち込んでいた機種で、設定看破にも自信がありました。そのシーズンの快進撃も、ルパンを打っていたからこそ。やはりともに戦ってきたルパンで優勝を決めたかったんです。

実戦序盤から高設定を匂わせる展開で、前半戦を終える前に設定4以上を確信しました。が、肝心の出玉が…。

打った台の設定もポイントとして加算されるけど(※後日発表)、基本的には差枚数勝負。高設定をツモっている感触はあるものの、煮え切らない展開に焦っていましたね。やはり俺は優勝する器じゃないのかと。出玉を獲得できないまま、刻一刻と迫る実戦終了時間。もはやこれまでか…。

ルパンよ、お前のチカラはその程度か。

もう明日から一切出なくてもいい。今日だけ、ここだけ勝たせてくれよ。

今まで一緒にやってきたじゃねーか。お前はどのホールでも看板機種扱いじゃないけど、面白さは絶対に現役トップなんだ。

お前に惚れてんだよ、俺は! 優勝して知らしめてやろうぜ! お前が面白い機種だってことを!!

そんな風に、俺は心の中でルパンに語りかけていたんです。すると、左リールがズルっとスベって待望のスーパーBIG確定リーチ目が出現!

スーパーBIGから念願の上位ART「スーパーヒーロー(SH)」に突入したものの、まだ足りない。対戦相手(先輩)の状況はしばらく前から見ていないが、この程度では到底安心できない。この100GのSH消化中になんとか上乗せとボーナスを重ね…


エッ!?

スーパーBIG終了後、スグにまたスーパーBIGが成立。

かくしてSHゲーム数は一瞬で2倍に! マジか! イケる、イケるぞ!! SHが200GもあればノーマルBIGくらい引けるだろう。レア役によるゲーム数直乗せだって期待できる。ここまで来たんだ! こんなチャンスは2度とナイ! どうにかSHを繋げ…


エッ!?

SHが始まるや否や、またも左リールがズルっとスベってスーパーBIG確定のリーチ目が出現!!

そんな…ノーマルBIGすら引けなくてあんなに苦しんだのに? こんな続けてスーパーBIGが引けるの!? 設定6でも約1/993だよ。それが3連続って!

る、ルパン…ありがとう。ルパンが俺に勝てって言ってる。いや、もう俺とルパンが1つになってる! シンクロしてるんだ! 俺がルパンで、ルパンが俺なんだ!! 最後の最後で応えてくれたんだ——。

うそ…俺、泣いてる? カメラ回ってんのに…泣いてる!? 人に涙を見せるのが嫌いなのに。


後日、この決勝で戦った先輩が言っていました。


「たまにパチスロが想いに応えてくれるときがあるんだ。まるで意思が通じてるみたいに。バカみたいな話だけど、そんなとき思うよね…パチスロも生きてるんだって。俺、やっぱりパチスロ大好きだなって」。


パチスロは、しょっちゅう裏切ります。イヤなウソをつくこともあります。「てんめぇ〜、ゴルァ〜! 2度と打つか!!」なんて思うこともしばしば。それでも先輩が言うように、たまに意思が通じてるみたいに応えてくれるから、やっぱり好きなんですよね。


昔、とあるメーカーの偉い方が言っていました。「パチスロは芸術だ」と。

決して作っている側の驕りではなく、その通りかもしれません。名画のように、たまに感動を与えてくれる。


みなさんも似たような経験をしているのかな? 1度もないという方も、いずれそんな瞬間がやってくるかもしれませんよ。