ホール責任者のスキルレベルには相当な差がある

シリーズ名
現役ホールマネージャーだけど、なんか聞きたいことある? (毎週日曜日更新)
話数
第124回
著者
アタマキタ
今回は3つの質問に答えていきたいと思う。



【ゴット大好きさんの質問】
以前掲載された「無能ゆえカツ丼で大赤字」のコラムを読んで疑問に思ったことがあります。

そのコラムではスキル不足のホール責任者について書かれていましたが、そもそもホール責任者たるものがそこまでいい加減な試し打ちをして稼働させているとは思ってもいませんでした。そんなことをされ、せっかく苦労して作り上げた台なのに導入してすぐに撤去されては、メーカー側は泣くに泣けないと思います。

アタマキタさんは慎重に試し打ちをされたようですが、そんなにホール責任者のレベルは違うものなのでしょうか? どのホールでも慎重かつ冷静に物事を判断し、行動している人が責任者になると思っていたもので。

また、ホール責任者は年に1〜2回くらい研修みたいなものを実施していると勝手に思っているのですが、そういったことはあるのでしょうか?



【回答】
ホール責任者のスキルレベルには、相当な差があると言ってもいいだろう。

それはどの業界でもそうだろうが、特にパチンコのように奥が深いものとなると経験や情報収集能力、それで得た知識や情報をどう活用するか? などのスキルが求められる。経験則からの行動や情報活用能力などは人により異なるので、そこには圧倒的とも言えるレベル差が生まれてきてしまう。


責任者の試し打ちの件だが、実際に開店前にきちんとした試し打ちをする店舗などひと握りだ。なぜなら、試し打ちには時間がかかりすぎるからだ。

俺が試し打ちをやるときは、設置する全台の機械を約3時間ほど打ち、どんなデータが出てくるか確認していく。当然、試し打ちのときに発射玉の乱れや、液晶や役物の初期不良がないかなども同時に厳しくチェックしている。

このように試し打ちにはそれ相応の時間がかかる。実際に打つという行為は時間短縮が不可能なことだからだ。

そういうこともあり、特に大手企業などではスタッフの残業問題などの観点から試し打ちの作業を省こうとする。「それでは本末転倒ではないか?」と思うのだが、実際にはそんなものだ。


責任者の研修の件だが、外部の講師を招いたり、オープンセミナーなどに出向いたり、自分が希望すればいくらでもその機会はあると思う。しかし、本人が望まなければそれまでの話だし、セミナーに出れば必ず成長するわけでもない。本人に強い意欲とその後の行動が伴って、はじめて成長のきっかけが生まれるのだ。

また、我々の仕事ほど立地条件の優位差が営業成績に関係してくる商売はないと言える。いい立地条件の店舗ならばスキルが低くてもお客様がついてしまい、それが正解と勘違いしてしまう。本人にとっては不幸なことなのだが、そのことにすら気が付いていない管理者も多いのだ。

どうあれ、自店舗に設置する台のコンディションくらいはしっかりと把握しておくことが、本来の管理者の務めであると思うのだが…。



【くらななさんの質問】
最近業界を賑わした2つの機種のことについてのコラムを読みました。片方は客が勝つから撤去します、もう片方は予想よりも客が負けるけど検定は通っているのでそのまま放置しますと書かれてましたが、これを読んでメーカーへの不信感が募りました。そして、これらの機種に対する分かりやすすぎるホール対応の違いに怒りすら覚えました。

自分は新しく変わってはきているものの、以前と変わらない回転率重視のパチンコに飽き飽きしてしまい、まったく打つことはなくなりましたが、パチンコを打たなくなってよかったとすら思える出来事でした。

もちろん商売であることは承知の上ですが、このように利益のみに走る多くのホールの動きは、今後も変わることはないのでしょうか?



【回答】
今はネットで簡単に情報は出回り、一般ユーザーであっても多くの知識を身につけることはできる。それだけに真実を伝える努力をホールはもっとするべきだと思う。

カツ丼の撤去が進んだのは、甘いという理由の他にメーカーの補填内容が明確で納得がいくものであったからだ。また、メーカーからの回収要請が出ているということも、撤去要因の1つとなっている。

さらに、販売台数がもともと少なかったのであの補填内容となり、ほとんどのホールが撤去や返金を求めたりする方向に舵をとった。それによりホールに残っている台数が減ったため、中古での販売価格が高くなるという現象が生まれ、その価格動向を見てから今後撤去することも考えられるだろう。

カツ丼はメーカーの補填はもちろんだが、簡単に差し替えに向かえる少台数導入の店舗が多かったことが、撤去が進んだ理由だろう。


もう1機種の場合は、導入台数が多いうえにホールが納得する補填内容ではなかったので、撤去に遅れが出てしまっていると言える。

そして、この問題が発生したときにはすでにウルトラセブン2の商戦は終わっており、外した後にできるスペースに設置する代わりの台が用意できなかったことも撤去が遅れている要因の1つだろう。

結果、機械性能はカラいので利益を度外視して甘く使ったホールでさえ、ネットなどで出回った話に太刀打ちできず、空き台が目立つ状況になってしまった。

そんな状態でも、大量導入できそうな新台が出るまで待つとなれば、9月の北斗無双2までは動きが取れないので、客のいないシマは当分そのまま放置になるだろう。

そのシマを見て、ぼったくったから客がいなくなったと思われてしまうかもしれない。しかし、そんな裏事情まで一般ユーザーが理解することは不可能なことも分かる。だから、ホールではこういった事実を少しでも多くのユーザーに対して伝えることも大事だと思う。

まあそれが簡単にできないから、俺がこうやって書かせてもらっているというのも事実なんだが…(笑)。



【Kまっしぐらさんの質問】
ホールの景品についての質問なんですが、カップ麺が200円、小さなバウムクーヘンが100円相当の玉と交換って高すぎませんか?

コンビニでもここまで高くないので、一般市場とかけ離れているように感じます。私が行くホールがぼったくりなだけかもしれませんが(笑)。こういったところも改善していかないと、業界に未来はないと思います。



【回答】
まったくもってそう思う!!

最後の景品交換のところで不快な思いにさせられるなんて、信じられないことだ。特に定価が決まっていないような美味くもないような菓子に、訳の分からん玉数を取られたらイラッと来るのは当たり前だ。

そういうことをする店は、一方的に渡される端玉の菓子も店員が決めている場合が多い。「余りが35玉なので、こちらになります」とか言われて、海外製のなんだか分からない袋菓子を渡してくるとか(苦笑)。

そんなお客様に景品を選ぶ時間も与えずに、いきなり商品をホイッと出してくるようなろくでもない店では、俺はいつも店員の行動を無視して自分で好きなものを選ぶようにしている。

それは後ろに交換待ちの列ができていようが、店員が嫌な顔をしていようがお構いなしにやった方がいい。もともとお客様の玉だし、どの景品を取っても問題ないので、そこは堂々とした態度で好きなものを選んだ方がいいと思う。


そんな景品について、覚えておいた方がいいことある。


【1】景品は基本的に市場価格を逸脱してはならない

たばこなどの小売価格が設定されている景品は、小売価格以外の金額で提供してはいけない。

金額を安くして提供すれば、過剰サービスでお客様を煽ったと捉えられ違反行為となる。逆に高くすると、景品の等価交換の原則から外れる。従って明確な小売価格が決まっている商品が、小売価格よりも高い値段に設定されていた場合は、すぐさま値段を小売価格まで下げるよう申し出ることができる。


【2】景品は1玉、1枚から用意しなくてはならない

余り玉が35玉あり、30玉のジュースを取ったとすると、残りの余り玉は5玉となる。しかし、その5玉をなかったものとし、端玉交換を強制終了してお客様に5玉分の景品を渡さない店もある。そういう経験が皆さんにもあるかもしれないが、ホールは1玉、1枚から景品を用意する義務を課せられているので、これは違反行為に相当する。


どんなに少なくてもお客様の玉。景品交換をする際にはこのことを思い出して景品を選んでみてはいかがだろうか。


ではまた来週。


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