メーカーが詐欺行為!? 時速3万発のハズがホールに導入されたら……!?

シリーズ名
現役ホールマネージャーだけど、なんか聞きたいことある? (毎週日曜日更新)
話数
第118回
著者
アタマキタ
今、業界ではとある機械をめぐって大問題が勃発している。ここでは伏字にして書かせてもらうが、勘のいい方ならばすぐに分かるだろう。

6月のパチンコ新台で、小当たりRUSHが過去最高の純増と言われている、某社の機械だ。

この機械の最大の特徴は、小当たりRUSH時の出玉で、時速20000個とも30000個とも言われており、ハマればハマるほど小当たりで出玉が増えていくという仕組みだ。

そんな魅力的な機種だけに、かなりの期待を込めて大量導入をしたホールもあるのだが、導入から1週間ほど経過し、ホールから怒りともとれる声が挙がり始めた。

一体何が問題なのか…。

それは極端にカラすぎるという結果が出たからだ。要するに、出したくても出ないということ。


販売者側は機械のスペックを説明するときにSA(確変中の1分間で回転する平均のスタート回数)やTY(1回の初回大当たりから確変終了までの1セットで得られる平均出玉)、RUSH(確変)時の出率(小当たりRUSH中に1分間で払い出された個数)などが書かれた表を付けてくる。

このなかで最も注目しなくてはならないのは、TY値という数字になる。この機種の場合、初当たり時の半分が通常大当たりであることから、通常大当たりの出玉が約1110個(差玉)なので、確変時は約6930個(差玉)という数値となる。

ここからまず分岐スタート(ボーダー)が算出できる。この機種であれば、等価交換で換金したときの金額はTYの4倍の約16000円。この約16000円を大当たり確率の分母で割ると、約50.3という数値が出る。この数字がいわゆるデジタル1回転の単価と言われるもので、この機械の場合は約50.3円ということなる。

そして、1000円分の貸玉なので1000円÷50.3円となり、等価であれば1000円で約19.9回転が分岐スタートと言われる数値となる。


ところが開店してフタを開けてみると、これがまたとんでもない数値になっている。以下は実際の全国平均データとなるのだが、

SA…24.5
(確変中の1分間で回転する平均のスタート回数)

BY…7.7
(通常時の1分間でデジタル始動口以外に入賞して払い出された個数)

TY…3200
(大当たり1回あたりで得られる平均の出玉)

RUSH(確変)時出率…355%
(小当たりRUSH中に1分間で払い出された個数)

となっている。


SAとBYの値は前述の表とほぼ一緒で問題はないのだが、TYの値がとんでもないことになっている。そして、その原因とも言われるRUSH時の出率だが、メーカー発表値と大きく異なり、こちらもとんでもなく少なくなっている。

ちなみに、先程と同じようにこのTY3200で等価交換の分岐スタートを算出すると、1000円で約25回転が分岐スタートと言われる数値になる。分岐が発表値と実際のデータで約5回転も違うというお粗末な結果だ。1000円約20回転が分岐スタートだと思っていたのに、実際は約25回転…このことで当然ホールは大きな黒字となり、お客様の期待を裏切る結果となってしまったのだ。

そして、販売者側発表の1時間ほどRUSHが続いた場合の平均出玉も、ホールデータとは約7600個もの差が出て、ホールデータの1時間の出玉は約28000個(差玉は約22000個)と少なかった。


そしてここからが問題点。

このRUSH時の出玉はホールから言えばとても信じがたい数値だ。なぜならば、この機械の展示会のときは、台の横に設置されたタイマーを見ながらの試し打ちをした。たしかにそのときは、20分打ち込んで10000個という差玉が出ていたのは事実。私も含めて展示会でそういう体験をした者が全国で何人もいる。それを見てこの機械は間違いないと判断したホール店長も多いだろう。

しかし、実際にホールに設置した機械では、20分間で7333個しか出ないのだ。

ここで今1番疑われているのは、展示会で見せた機械と納品した実機では電チューの開放秒数が違うのでは? ということだ。当然アタッカー周辺の構造から、賞球の少ない電チュー側に玉が入れば、RUSH時の出玉がスピードが落ちることは間違いない。

小当たりRUSHで時速30000個の台と言われて、展示会で実際にストップウォッチで時間を確認しつつ打ってみて、言われた通りの時速30000個を体験。いざホールに設置して開店したら、違う話になっている…。

もしもこれが本当の話なら、前代未聞のとんでもない詐欺行為ということになる。ただし、展示会で設置されていた機械はもうすでに回収が終わっており、確認するすべすらないのが現実だ。


このまま泣き寝入りということになるのか?

はたまたTYが低すぎるという結果を見て、某社がなんらかの誠意を見せるのか?


今のところ全くどうなるか分からない話だが、とてつもなく迷惑な話であるのは間違いない。

機械はミズモノ。当たり外れは付き物だし、仕方がない。しかし、このような詐欺行為をもしも働いていたとすれば、こんなメーカーはとっとと潰れてしまえと願うばかりだ。


ではまた来週。


質問を送る