会員カードの落とし穴

シリーズ名
現役ホールマネージャーだけど、なんか聞きたいことある? (毎週日曜日更新)
話数
第117回
著者
アタマキタ
今回は3つの質問に答えていこうと思う。



【マユさんの質問】
先日の質問の答え(「7の付く日」参照)を見て、ウチはお店に嫌がられている客なんやとハッとさせられました。

大阪は貯玉再プレイが無制限の店だらけで、出玉共有や台移動も自由なんです。彼氏と週1くらいで一緒に打ちに行くのですが、ウチのカードを共有して使っています。彼氏はウチのカードから貯玉を使って、出たらウチのカードに貯玉する。どうせ再プレイ無制限で共有OKやからいいやろうと思ってカードの使い回しをやっていましたが、まさかお店から嫌がられてたとは…。

やはりホンマは別々に作るべきなんでしょうか? 新しいカードを作るときに今あるカードから貯玉を半分出して、新しく作るカードに入れるのはアリなんでしょうか? それとも、夫婦とか家族での使い回しは大丈夫で、軍団とかが嫌がられてるということですか?

ウチの知り合いや同じ店で打ってる他のお客さんだけかもしれませんが、こちらでは夫婦やカップルで同じカード使ってる人が多いんですよ。玉がなくなったからカード貸してっていう光景を普通に見ます。関西人はせこいから、土地柄かもしれませんが(笑)。



【回答】
カップルで出玉共有するなんてことは当たり前のことなので、移動や共有が自由な店舗においては、ホールの見解から言えば全く気にならないところです。なので、安心してカードを使用して構わないと思う。

しかし、気を付けなければいけないのが、会員カード作成時にサインする約款などについて。ここは意外と落とし穴があるので注意が必要な部分だ。

基本的に会員カードは、約款上名義人とされている本人以外の使用は禁止されていることが記載されており、それにサイン(契約)をして会員カードは作成されている。そして、禁止行為が発生した場合は、不正使用とみなしてカード自体を回収することがホールには許されている。また、カードの使用については、第三者への貸し出しも禁止されている。それがたとえ親子、夫婦であってもである。


過去にこんな事例があった。カウンターに貯玉のあるカードを持ってきた男性が普通に暗証番号を打ち込み、全て交換と言ったのだが、金額が150万円近くあったのだ。不審に思ってカードを確認すると、常連の女性のお客様のカードだということが分かった。

そこで本人に訊ねると、奥様に言われて現金にして持って帰ってきてくれということらしい。本人も身分証明書を提示してきて、名前や住所を確認すると、その奥様のカードと全く同じだったという。

この時点で疑う余地はあまりないのだが、ただ1点、本人の挙動がなにか怪しいということで、どうしたらいいか? という問い合わせがカウンターからあった。

そして、金額が金額ですので、ご本人の健康状態がすぐれないなどの特別な事情がない限り、約款に基づき交換ができないということを告げさせた。相手は相当粘ったが、そこはうまくはねのけて会員カードも没収したと報告があった。

カードの控えから奥様の携帯電話に連絡を入れると、その男性とはつい1週間前に離婚したらしく、一切関係ないので渡さないでくれと言われた。

このときはカウンタースタッフの機転で難をうまく逃れることができたのだが、下手をすれば詐欺まがいの手口にひっかかるところだった。

こんな事例はごく少数なのだろうが、貯玉カードと言えど現金とさほど変わらないことには違いはない。


話しを元に戻そう。

そういうところでホールに難癖を付けられてしまう可能性は十分にある。ちょっと面倒にはなるが、共有可能の店であればユニットにカードを差していれば、希望の玉やメダルを自由に他の人のカードに移すことが可能の場合もある。それが不可能な店であれば、ある程度カードから玉やメダルを引き出してもらったうえで、それを堂々と共有すれば文句は絶対に出ないはずだ。

軍団などのヤカラとはまた別の話ではあるが、リスクがあることは頭に入れておいた方がいいと思う。


補足となるが、会員カードの相続権について約款に記載されているところもある。そういうケースのほとんどが、本人が死亡の際にはカードは失効するといった内容だ。失効=貯玉、貯メダル、ポイントは没収ということとなる。

ただし、この内容について相続人に裁判を起こされたら、ホール自体は勝てないとは思うのだが、面倒な話になることは間違いない。念のため、旦那の会員カードの暗証番号を聞いておいて、もしもの不幸が起きたら、俺が言うのもなんだが(苦笑)、こっそりと交換したほうがいいと思う。



【まさがみさんの質問】
機器メーカーのパンフレットを見たのですが、台枠のネカセを変えられる機械とかがあるんですね。遠隔とまでは言いませんが、営業中に動かせるというのはなんか納得できないのですが…。

そして、思い当たる節もあります。打ってるとたまに台が揺れることがあるのですが、これの影響だったりするのでしょうか?



【回答】
打っている最中に台が揺れたのは、出玉などの払い出しトラブルで、玉が機械のどこかで止まってしまっているときに、バイブレーターなどの機能が働いたからかもしれません。

また、出玉の払い出しにより、弁当箱と言われる玉の貯留場所が空になると、センサーが反応し玉の補給が行なわれるので、台が揺れているような感覚にもなります。


台のネカセを変えられる装置についてだが、最近の新規の店では当たり前に設置されています。

しかし!!! 営業中にそれを動かすなんてあり得ません!!

セブン機などに関しては、傾斜を変えたところでさほど影響がありませんが、羽根物や天龍やライジンマンなどの役物系は、傾斜の角度によってかなりの影響を及ぼします。しかし、営業中に傾斜を変えるなどということはかなりの荒業で、それで出る出ないの出玉の管理などはあり得ない話です。一歩間違えば、大開放台になってしまいますから。

営業中に傾斜が変わるなんてことはありませんので、そこは信用して打たれた方がいいと思います。



【エテ公さんの質問】
抱き合せを匂わすような販売は、明確に示唆されていなくても、疑わしいだけで「独占禁止法違反」の対象となり、捜査が入ることがあると聞きました。

キラーコンテンツをチラつかせて営業に来るメーカーなんぞ、潰れてしまえ! というのが個人的な意見なのですが、こういったメーカーに対して、アタマキタ店長は腹が立ったりしないのですか? また、メーカーを「独禁法違反だ」と告発する気にはならないのですか?



【回答】
抱き合わせというよりは「機歴」販売の話になりますが、この件は永遠のテーマであって、いつもイタチごっこを繰り返していますね。

メーカーもアホではないので、コンプライアンス対策室みたいなものを設立して、今後は「独占禁止法違反」に抵触しないよう社員教育を心がけます、といったアナウンスをしてくるところもあります。

そして、最近彼らがよく使う言い方は「お得意様販売」ですね。あくまでもいつも購入して頂いているお客様を対象として、先に導入台数を決めているだけです。ですので、その結果として機械が足りなくなって、導入できなくなる可能性はありますが、なるべく導入するようにしますといった感じかな。

機歴がなくてもキラーコンテンツの機械を問題なく導入できるのだが、いざフタを開けてみるとグループ店舗でたった1台の導入とかね(苦笑)。これはホールにしてみれば屈辱の極みなのだが、「販売しませんとは言っていませんよ」というメーカーの逃げ口上であったりする。


じゃあ、こういうメーカーに対して腹立たしくないか? と言えば、それは腹立たしいに決まっている。しかし、いつもいつもクソ台を買わせているお得意さんのホールには、良い台が出たときには希望の台数を納めたいというメーカーの営業マンの心理もよく分かる。

ホール営業で大事なことは、機械を購入するという単純な行為以外のところでも、営業マンとの関係性を常に保っていかなければならないということだ。

キラーコンテンツのときは、根こそぎ台数を取りに来るくせに、クソ台だという噂が出たときは、展示会に行かないだけではなく、営業マンからの電話を全て無視するというホールさえある。

こんなことをしていては、良い結果が生まれるわけもない。たとえ噂されている機歴販売の話が来ても、上手くかわしたり、付き合いで最低限の機械を導入するといったことはいくらでも可能だと思う。そして、あまりにも無茶な提案などには、バスっと切る勇気も必要だ。

そういう判断能力に長けている店長たちは、そんなに苦労せずに機械を導入することができていることも、知っておいてもらいたいと思う。


ではまた来週。


質問を送る