ビッグママ

シリーズ名
バレたら離婚 (毎週水曜日更新)
話数
第10回
著者
SF〇野
2月某日、編集部にて——

しゃっく(以下・し)「塩野さん、あれから借金はどんな塩梅ですか?」

SF塩野(以下・塩))「どんな塩梅って…。『今日は良い天気ですね』みたいな挨拶代わりにそういうことを言うのはどうかと思うぞ」

「いやいや、だって、気になるでしょ。生きているかどうかも心配なんですよ、僕は!」

「嘘つけ! 100%興味本位だろ!」

「いいじゃないですか。で、どんな塩梅で?」

「金額は減ってない」

「増えてないんですか!」

「なんだよその、増えてない方に驚く感じは。まぁいい。しゃっくさ、金貸してくれない?」

「いきなり来ましたね。いやだから、前にも言いましたけど、僕だってカツカツなんですよ」

編集T「良かったら金貸そうか?」

「おー! Tさん! 10万円貸してください」


説明しよう。編集Tとは、財布の中には貯玉を含め80万円ぐらい入っているのが当たり前という金満編集。


編集部内ではT金融とも呼ばれ、社内での顧客も多い。SF塩野も以前に10万円を借りたことがある。



編集T「でもなぁ、しおじいは謝礼が少ないからなぁ」

「以前に10万円借りた時は5000円上乗せして返済しましたよね。今回も謝礼を付けますから今すぐ10万円プリーズ!」

編集T「2万円でもいい?」

「ダメです」

編集T「キャッシュでは2万円しか持ってないからなぁ」

「……(銀行に行ってくださいとは言えないし…どうしよう。とりあえず2万円だけでも借りとくか)」

「ちなみにですけど、塩野さんの財布の中身はどれくらいですか?」

「3万円だよ。今日、誰かにお金を借りることができなかった場合、いよいよ消費者金融2社目に突入ってことにもなりかねない情勢だ」

編集T「それなら、金貸すのやめるわ。だって2社目に突入した方がコラム的に面白そうじゃん」

「ま、まぁそういうことになりますよね(汗)」

「2人して一体何なの? 人を助けるという"情"的な気持ちはないわけ?」

編集T「情なら以前に10万円を貸したことで示したが…」

「ま、まぁそういうことになりますよね(汗)」

「お前ら、2人とも地獄少女に流されろ!」

編集T「ところでさぁ、しおじい(SF塩野…つまり俺のこと)のコラムであの話は書かないわけ?」

「あの話?」

「いつのやつですか?」

編集T「御徒町駅とか大塚駅界隈の話」

「あ、あの外国人のやつですか?」

「なんですか、それ。まだ書いていないネタが?」

「Tさんとは2人でその界隈で遊んだことがあってな。Tさん満足、俺不満足みたいな」

「JR大塚駅周辺はその手のお店が多いことで有名ですよね」

「大塚駅のやつはよく覚えていないけど、御徒町駅のやつは覚えてるな。ホームページにつられて行った、とあるマンションの部屋での出来事なんだが」

編集T「場所がまずわからない。怪しい男2人が住宅街みたいなところでうろちょろするという」

「そのお店、普通のマンションの1室でしたからね」

編集T「その時の情事はしおじいに聞いて。俺は仕事に戻るわ」

「ちょちょちょ! あー、行っちゃったよ。お金を振り込んでもらおうと思ったのに…」

「お金を借りるのに振り込んでもらうって、一体どういう感覚なんすか」

「どういうって、それだけ追い込まれているってことだ!」

「常人には理解できかねますが、結局、そのマンションは発見できたんですよね?」

「住所を検索して必死で探し、行き着いた先では外国人のビッグママが出迎えてくれたよ」

「ビッグママ?」

「なんていうかな、そういったところには元締じゃないけど、一切を取り仕切るボスみたいなおばちゃんがいるわけよ。その時のおばちゃんが大きくてな」

「へー」

「で、コースとか料金とかの説明を聞くわけさ」

「店舗型とは趣きが違いますね」

「俺はそういったところは初めてだったけど、Tさんは色々とシステムを確認してたな。ビッグママとやり合う姿は頼もしかったぞ」

「仕事人ですね(笑)」

「まさしく。例えばデリなんかでもな、事前の電話で女の子の在籍情報や料金体型、待ち時間などを確認するからな」

「プロフェッショナル!」

「で、肝心なのはここからだ。日本人としか遊んだことがなかった俺は言われるがままに個室…いや、個室と言ってもカーテンで仕切られただけの簡易的なスペースでサービスを受けたわけだ」

「本当にそういうお店って実在するんですね。値段はお高いんですか?」

「60分で2万円しなかったような…」

「安いんですかね?」

「プレイ内容からすれば安い気もするが…」

「で、どうなったんですか?」

「前触れもなく始まったよ」

「キタ━━━━(゜∀゜)━━━━!!」

「でもな、やっぱりアレなんだよ」

「なんだか話すのがつらそうに見えますけど」

「俺が知ってる店とは違うわけ、何もかもが。1番の問題は……愛情がないってこと」

「愛情? そんなもん、どこもありゃしないですよ(笑)」

「わかってるわいっ! でも普通なら一応、そういった雰囲気を醸し出すだろ?」

「まぁ、接客業ですからね。リピーターになってくれれば歩合制度につき自分も稼げるわけですし」

「そういうのがまったくないわけ。ひたすら無表情で、日本語も片言だし…」

「マジですか?」

「その場から逃げ出したいと思った」

「早くも追い込まれてますね」

「挙句の果てには…」

「果てには…?」

「事に及びつつ、電話」

「えっ? 誰がですか? 塩野さんが電話を?」

「その女性がお馬さんに乗ったような体勢で電話を始めたわけよ。しかも母国語で」

「プレイの最中にそんなことが許されるんですか!」

「普通ならば絶対にそういうことはない。クレームものだからな。しかしここは日本だが、その1室だけは治外法権だ」

「ギャハハハ!」

「乗っかってるわけだからくっそ重いし、母国語で電話だし、心底『帰りたい…』ってな」

「結局、昇天したんですかね」

「覚えてない。思い出したくもない」

「そうなんですか? 僕も是非、その治外法権ぶりを体験してみたいと思ったのに…」

「もうあの場所にそのお店はないかもしれないな。Tさんに聞いてみれば?」

「ところで、プレイ終了後のTさんはどんな感じだったんですか?」

「まぁ、見事に普通だった。すべてが『想定内』みたいな。事実と違うところがあったら、Tさんに聞いて加筆してくれ。とにかくあの時に関しての俺の記憶は『携帯プレイ』をくらったことを除けば曖昧だから(笑)」

「色々聞いてみます!」

「お金のことも聞いといて。いつでも待ってますと(汗)」



収支報告

●2/23
前日にクソ負けた慶次に朝イチダッシュを決めるも想定内のシメシメルックに「ケチなホールめ」と捨て台詞を吐くも散財。いいお客さんだわ、俺…。

-20,000円


●2/27
3.33円交換のホールにて羽根モノ狙い。このホールの羽根モノはやれるレベルの台がちょくちょくあるが、久々につきどうにも読み切れず、仕方なく羽根デジのAKB48薔薇へ。千円で20回以上回ったので午後から閉店まで打ち切るが、負債を取り戻すにとどまる。

±0円


(C)(C)AKS (C)KYORAKU



●2/28
昨日と同じホールで羽根デジのAKBを打診するも回らず、大海BLACKのライトへ。トータル22回当てるも、最大7000発程度あった出玉が壊滅。周囲はバカスカ当たるのに、何故に俺だけ…。

連チャンするたびに下皿を満タンにする「下皿がいっぱいです爺」や「ボタン強打婆」に腹が立って頭痛が…。海のシマはカオスであることを再認識した。後味悪すぎ。


●現在の経済状況
借入残高…499,243円(すべてア●ム株式会社)
次回返済日…H30.3/13
次回返済額…15,000円←前回と変わらず
所持金…32,000円+貯玉ほぼ0個+貯メダルほぼ0枚


先日、ライター仲間のきしめん、小太郎に1月の収支を聞いたところ、2人とも6桁のプラス収支だったことを聞き、自らの下手クソっぷりを実感。技術面での差はもちろんあるとは思うが、最大の要因は「帰れない」こと。負けているときは勝ちたい欲が増して、ホールに居続けてしまう。この悪循環を断ち切らない限り勝っていくことはできないだろうね。

このまま2社目のカードを作るハメになるのか、ギリギリでとどまるのか…。次回をお楽しみに(汗)。


※このコラムは2割ぐらいフィクションです