嫁の特技

シリーズ名
バレたら離婚 (毎週水曜日更新)
話数
第2回
著者
SF〇野
SF塩野(以下、塩) 「おい、しゃっく!」

しゃっく(以下、し) 「な、なんですか? いきなり恫喝して!」

「前回のコラムの件だけど…」

「何か気に障ることでもありましたか? も、もしかして早くも奥さんにバレたとか?」

「いやいや、バレてたらこのコラム書いてないから」

「じゃ、なんです?」

「素朴な疑問なんだが、なぜ、俺が提出していない『左を押してください』的な写真が掲載されていたわけ? あの写真は俺が過去にTwitterで挙げたものだと思われるわけだが…」


「あー、ハーデスの全消灯フリーズの写真ですね。あれ、塩野さんがその話をしてたから分かりやすいようにと思って、ツイッターを遡って画像をキャプチャしたんですよ」

「ああそう…。いやね、別に全然いいわけよ。あの話は事実だし。でも、ちょっとドキドキしちゃうんだよな。話になかった画像が載ってたから」

「事後報告?」

「そうそう。コラムが完成して読んでみたら自分の知らない既成事実が載っているというね」

「なんか過去にそういったことでトラブルがあったりしたんですか?」

「前回のコラムでも書いたと思うんだけど、ナゼ俺が嫁のことを恐れていると思う?」

「そういえば奥様は『検索の鬼』らしいですね」

「ああ、そうだ。でも、それだけじゃないぞ。いつの話だか忘れたが、俺の知らぬ間にキャバ嬢との生々しいLINEでのやりとりをSNS上にアップされたことがあってな」

「マジですか?」

「俺は至って大真面目だよ」

「それって、『LINEを見られた』ってことになりますけど」

「その通り。でさ、俺は今回コラムを始めるっていうのもあって、それとなく嫁に確認したんだよ。『お前、今でも俺のLINEをチェックしてんの?』って」

「勇気ありますね〜。そういうことを聞く時点で、何かあると思われそうですけど」

「自己防衛ってやつだな。今でも見てるかもしれないし、見てるとしたらこのコラムのことがバレる可能性もある。なぁ、しゃっくよ、遊ぶにも頭を使わないとダメだぞ!」

「……(お前が言えた義理かよ)。で、奥様はなんて答えたんです?」

「見られるようなところにスマホを置いとくのが悪い! って言いやがったんだよ」

「LINEを盗み見したことを完全にスルーしているじゃないですか! 後ろめたさみたいなものは微塵も感じていないんですね」

「夫婦と言えどもプライバシーは守られるべきだから、当然、若干でも後ろめたさを感じるような返答がくると思った。たまたま見ちゃったとか、言い訳は色々あるわけでしょ。それを、さも当然の権利を行使したみたいに言うから驚いたわ」

「恐ろしいというか、何なんですかね、それは」

「こっちが聞きたいよ。頭がおかしいとしか言いようが無い…」

「ちなみにキャバ嬢との生々しいやり取りって…『今日は珍しく激しかったね。また逢いたいな』とかですか?」

「直球来たぞ、おい! しかも一線超えてるし! それはお前がデリのお嬢さんに言われたことなんじゃないか?」

「失礼な! ボクはそんなこといたしま…ぐふ!」

「わかりやすく動揺するな…」

「………(汗)。じゃあ、『近くに来たら連絡してね、待ってるから!』とか?」

「次から次へと名セリフが出てきますなー、アナタは。まぁ男っていうのはさ、つくづくお馬鹿さんだと思うよ。200%営業だとわかっているのに『絶対連絡するから!』とか言っちゃうからね」

「そんなもんですよ。でも返事をすると、ことあるごとにLINEが来るようになりません?」

「そうなんだよな。で、その頻度の高さや巧みな誘い文句に騙されてしまう」

「俺のことを好きなんじゃないかって…(笑)」

「今思えば俺も浅はかだったよ。そんなLINEのやり取りのなかで、『ちょっと飯でも』って誘ちゃったんだから。しかもそれをそのまま残してしまうだなんて…」

「そんなLINEを見た奥様は穏やかじゃないですね。塩野さんって、やっぱりバカなんですねぇ」

「しみじみ言うんじゃないよ! っつか、お前も同類だから。同じ種類だから!」

「いえいえ、ボクは独身ですから同じじゃないです。一緒にしないでくださいよ!」

「うるせーな! まぁ内容はともかくだ。そういったやりとりの一部始終を嫁に見られたってことだけでも相当な辱めを受けたわけだよ、俺は。しかも…」

「しかも、なんです?」

「指名嬢とのLINEのやり取りだけを手掛かりにして、指名嬢が在籍する店舗名、指名嬢本人の情報まで調べ上げて一緒に掲載していたらしい」

「ぬおーーーー! プロのお仕事! まさに検索の鬼! ちなみに『らしい』って、塩野さんはそのSNSを見ていないんですか?」

「見てないよ。仲間内じゃないと見られないやつだから」

「なるほど、SNS仲間に入れてもらえなかったんですね。そのあたりも奥様はしっかりしていますね。不特定多数に見られるSNSだと、他人の個人名を出すのはマズいですから」

「感心してる場合じゃないんだよ。さらにだ!」

「まだあるんですかっ!」

「恥ずかしいLINEでのやり取りを拡散したことを俺に告げず、『私も横浜でお寿司食べたいな』っつーことを言いやがった!」

「横浜でお寿司?」

「指名嬢を誘った時に『横浜に寿司を食べに行こう』って書いてたんだよ。その誘い文句をな、俺にそのままブツけてきたわけだよ!」

「普通なら『コレなに? どういうこと?』って詰め寄りそうですけど、内容を把握したうえでSNSにアップし、さらにそれを自分の願望という形で伝えてきたと?」

「『しどろもどろ』っていうのはああいうことを言うんだな…って思った。『えっ何? 何で知ってんの? それって俺のLINE見た? どこで、いつ?』っつー感じで。感情的には恥ずかしいを通り越して呆然だったよ。嫁のSNS仲間からは『俺も横浜でお寿司食べたい』って言われるし」

「ギャハハハハハ! フルボッコですね!」

「嬉しそうだな!!! しゃっく!!!」

「いや、そこまでするなんて奥様も大変だと思いますよ」

「これは俺の予想だけど、そういう風に追い込んでいくことでエクスタシーを感じる体質だと思うんだよ、アイツは。この前、『私ね、探偵になりたいの』って言ってたしな」

「中坊のヤンキーが『俺の将来の夢はSPです!』って言うのと似てますね」

「自分の特技を生かすという意味でな。まぁ本人は冗談のつもりで言ってるんだろうけど、冗談に聞こえないんだよ」

「それは冗談じゃなく、本気だと思いますよ。このコラムの存在がバレるのも時間の問題ですね」

「サラッと不吉なことを言うんじゃないよ! ってことで直近の稼働報告いくぞっ!」


収支報告

●12/12
これ以上負けると追い込まれるというのに、『ぱちスロ ウルトラセブン』を打ってしまう俺。しかし…


フリーズして超光臨揃い。過去には1日に2度光臨して万枚出たこともあったわけだが、この日は+60000円。

50000円を返済に充てる。いつものことだが、虚しさがハンパない。借入金はこの時点で150000円也。

※ここが先週の経済状況です

●12/14
打ち散らかして80000円負け。死にたくなったし、所持金が20000円しかなくなる…

●12/15
なけなしの20000円を持ってTVの収録。しかし崖っぷちに立たされると引きが研ぎ澄まされるのか、ボーダー+2回転程度のぱちんこ魔法少女まどか☆マギカで+44500円。

展開にも恵まれて、所持金が60000円台に復帰。映像の取れ高に貢献できたことより、所持金が増えたことが嬉しい。大きな声では言えませんが(汗)。

●1/3〜1/4
2018年の初打ちはパチスロの番長3でトータル80000円勝ち。所持金が100000円を超えたことに加え、本日が返済日だということを思い出したため、無人ATMに向かう。


幸い誰とも遭遇しなかったものの、ここに他の利用客がいると非常に気まずいんだよな。

時間は23時過ぎ。寒空のなかでの返済は何とも言えず寂しいものだが、借入金が減っていくことにエクスタシーを覚えはじめた自分もいる。ゲーム感覚になってしまっているのが怖い…。

とりあえず3万円を返済。


●現在の経済状況
借入残高…126540円(すべてア●ム)
次回返済日…2018年2月7日
次回返済額…6000円
所持金…170000円
※次回返済額とは、返済金の最低金額。6000円を2月7日までに返済すれば、約1ヶ月間は返済しなくて良い。

所持金が借入金を超え、その気になれば完済できるところまで到達。さすがパチンコライター。パチンコ、パチスロをちゃんと打っていればこうなるのだ。ただ、遊びたくなっちゃうのがいけない。

まぁ遊ぶにしても一旦完済したほうが良いに決まってるのだが、なんといえばいいのか…借金が完全に無くなってしまうと、それはそれで寂しい気がする。「俺が本気を出したら長年の相棒が死んでしまう」という変な感情が湧いてしまい、息の根を止めることができずにいる自分がいるのだ。

そうでなくとも誌面企画や収録の現場で所持金がなくなるのはマズいので、ある程度現金を持っていたいので勝ったときにできる分だけ返済するというのがマイスタイル。『マイスタイル』とか書いている自分が情けない(汗)。


※このコラムは2割ぐらいフィクションです