「ドリンク類の価格が安すぎて、過剰サービス行為だ」という理由で逮捕もありえる!?

シリーズ名
現役ホールマネージャーだけど、なんか聞きたいことある? (毎週日曜日更新)
話数
第100回
著者
アタマキタ
今回は、自販機の飲料水の値段について質問をいただいたので、それについて答えていきたいと思う。



【枠下さんのご質問】
ホールに設置してある自販機の闇を語ってもらいたいです。

私は東海地区在住なのですが、缶飲料が150円、ペットボトルが200円などボッタクリ自販機が非常に多く存在しています。酷いホールでは、70円程度の紙コップドリンクや紙パックドリンクを、150円や200円で販売しています。

以前、とあるサイトでブロガーをやっていたときに「ホールに設置してある自販機の飲料水の価格」についてアンケートをしたことがあり、100軒ほどのホールに回答していただいたのですが、「東海地区にのみボッタクリ価格の自販機が存在する」という結果となりました。

その他の地区には100円での割安販売、新台入れ替え時にはカップドリンク無料という優良店もありました。

ホールの自販機の飲料水の価格は、卸業者からパチンコ店だからと吹っかけられ、卸売り価格を高額にされている影響なのでしょうか? あるいは、パチンコ店が少しでも儲けるために、高額になっているのでしょうか?



【回答】
自販機に関しての話は色々とある。

そこそこ稼働しているホールであれば、ホール内の自販機は結構な売り上げになることが多く、飲料水販売業者はえげつない場所取り合戦を行なっている。

価格に関して言えば、最終的に値段を決めるのはホールなので、全て店側の意図ということにはなるのだが、一般的に安売りができる物とできない物がある。



●安売りができないタイプの自販機
コカ・コーラ、ヤクルト


この2社の自販機は、昔から多くのホールに設置されているが、仕入れ価格が特別安いというわけではない。むしろ割高にすら感じられる。

ではなぜ多くのホールに設置されているか? それは、ホール団体ともいえる、各遊技業組合との関係性が非常に強いからだ。

もともと割高に設定されたこの2社のドリンクの売り上げの一部は、飲料水販売業者からインセンティブという形で遊技業組合に返金される。そしてそのお金は、遊技業組合が社会貢献活動や福祉活動などに使っている。

お正月やファン感謝デーなどに配られるドリンクに、シールが貼ってあったりするのだが、それは体が不自由な方が作業している施設に、福祉活動の一環として、仕事として組合が依頼しているというケースもある。

また社会貢献活動では、被災地に出向いてのボランティア活動の費用にあてられているケースもある。

こうした社会貢献活動や福祉活動をパチンコ業界は期待されているところもあり、古くから飲料水販売業者と繋がって活動を行なっている。



●安売りが出来る自販機
サッポロ、伊藤園


この2社の飲料水は、逆に安売り専用と言ってもいいだろう。

特にサッポロの自販機を売り込む大元の会社は、部備品屋(ドル箱や玉、メダルなど)の最大手で、飲料水もかなり安い値段でホールに提供されている。

卸値が安いのを知っていることもあり、サッポロの自販機の飲料水の値段が一般的な価格であったり、サッポロの自販機ばかり設置しているホールは、俺は信用しないし買いたいとも思わない。

今の儲からない時代、ホールは「自販機でもキッチリと儲けろ」といった考えを押し出しているコンサルタントも多いのも事実だ。しかし俺は、パチンコ屋はパチンコで儲けて、それ以外の、特に毎日のように口にするドリンク類はワンコインでいいと思うのだが。まあ、人の考えは様々なようだ(苦笑)。



●しがらみのある自販機(笑)
株式会社ダ○ト


自販機は製造メーカーが扱うものと、ジュースブローカーが扱うものがある。

ブローカーが扱うと、1つの自販機でアサヒやダイドー、キリンなど異なるメーカーの飲料水をごっちゃに並べて取り扱うことができる。そう聞くと、とても便利な感じはするが、最近はあまり見かけることはない。

そして、この自販機を取り扱っているのが、株式会社○イト。賢明な読者の方は、もうお分かりだろうか?

この会社の自販機が怒涛の勢いでホールに設置されたのは、吉宗というパチスロが人気だった時代だ。ホールはどうにかして吉宗を導入しようとメーカーと折衝したりしたのだが、思うようにうまくいかず、なかなか機械が導入できなかった。

そんな時、機械販売業者の一部の社長たちが、この自販機と機械の導入を抱き合わせにし、吉宗を動かしていた。


その条件は最悪極まりない。

仕入れ価格は8.8掛け(利益率12%)で、自販機の設置場所はホールの花形の場所という設置業者からの指定付き。さらに、自販機を設置したら、最低3年間は撤去ができない(苦笑)。

そんな劣悪な条件でも、吉宗が欲しいがためにこの自販機を入れたホールも多数あった。現在はそんな話はないようだが…。

こういった商品はホールも儲けが出ないので、価格を吊り上げようという傾向があったかもしれないな。



●俺は絶対買わないカップドリンク
カップドリンクについては、価格もさることながら、衛生面での問題が非常に大きいとされている。

カップ式の自販機は、食品衛生法上の問題から「喫茶店営業許可」が必要で、保健所の許可が必要となってくる。定期的に検査も行なわれていて、ほとんどのカップドリンクは、衛生上問題はないのだが、一部でそうではない物も昔は存在していた。

というか、初めて働いたホールにカップ式の自販機が設置されていて、業者が来てメンテナンスを行なっていたら…


出た(笑)。


何が出たかはご想像にお任せするが、一般的には好まれていないヤツである。

俺の偏見かも知れないし、今は変わったのだろうが、それからというものコンビニに設置されているような、簡易的な据え置きタイプ以外のカップドリンクは買わなくなった(苦笑)。



●値段は安いと逮捕される!
ちなみに、俺のホールではドリンク類の価格は全て110円になっている。

一般的に見れば少し安めの設定ではあるが、それは先ほど言ったように、パチンコ屋はパチンコで儲ければいいのであって、ジュース屋じゃないんだから、なるべく安く販売した方がいいという考えがあるからだ。しかも、これでも利益はきちんと出ている。

でもこの価格、以前は110円じゃなくて、オール100円にしていた。

なぜ値上げになったかというと、とある日に警察の見回りがあり、その際に「ドリンク類の価格が安すぎて、過剰サービス行為だ」と言われ、「このまま同じ価格で販売するなら、始末書を取る」と警告されたのだ。そんなこともあり、しぶしぶ10円値上げさせてもらった…。

ぼったくり価格で販売しているホールは論外だが…

安くしてるんだから、ジュースくらい好きに売らせろよ!


それが俺の本音である(笑)。


ではまた来週!


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