射幸性が欠けていったり薄れていったりすれば、そのたびにパチンコ人口が減少していく

シリーズ名
現役ホールマネージャーだけど、なんか聞きたいことある? (毎週日曜日更新)
話数
第99回
著者
アタマキタ
今回は久し振りの質問コーナといってみよう。


【TAKAさんのご質問】
台移動も簡単にできるし、店員に出玉を下ろしてもらったり、流してもらう必要もないのでパーソナルのお店にしか行きません。こんな便利なのに、なぜ全店パーソナルにならないのか不満すらあります。若者を取り込むなら、便利、スマートが重要だと思うのですが?



【回答】
たしかにおっしゃる通りかと思う。店側からすれば、個別計数機を使うと店全体で必要とする玉を1/6程度に抑えることもできる。玉積みをしているホールでは、1台あたり15000個分の玉を保有していると言われているが、個別計数機のホールでは、1台あたり2500個程度の玉で十分ということだ。

そして、普段はその玉をプールしておくタンクや、その玉を台まで吸い上げていく大型リフト、シマのトヨ(玉が転がる坂道)といった物までがすべて不要となる。

そんなこともあり、個別計数機は夢のシステムであることに間違いはない。そのため、改装やグランドオープンでは、果敢にチャレンジするホールも多々見受けられる。


しかし、開店からしばらく経ってから、個別計数機を撤去するホールも少なくない。パチスロにおいては、ほぼ全滅と言っていいくらい、上手くいっていないという結果が出ている。

今どきの改装やグランドオープンは、パチンコのメイン機種(CR大海物語4、CRスーパー海物語沖縄4、CR真・北斗無双)のコーナーや、新台のミドルスペックコーナーは玉積みで、羽根デジや1円パチンコ(低貸し営業)などは、個別計数機となっていることが多い。一方のパチスロは、一部5スロ(低貸し営業)などに見られる程度の設置率だ。

ホールとしては、個別計数機をやりたいのはやまやまなのだが、やはりパッと見で出玉を目視できないので、玉積みよりも盛況感が出せないといった懸念がつきまとうのだ。


1年ほど前に、仲間の店がパチスロを個別計数機にして開店したのだが、毎日高設定を入れて赤字を打ち続けるも、日に日に客数は減少していくばかり。しびれを切らしたオーナーの「とっとと個別計数機など外してしまえ!」という鶴の一声で、やむなくコイン積みに変更。1週間ほどで客数が倍になるという結果が出たらしい。

そういうことからも、人間はどうしても視覚に頼る部分が大きいということが分かる。結局、出玉が積んであるのを見ると、安心するということを認めざるを得ないのだ。

個別計数機を使ったパーソナル化が進まない背景には、そういったジレンマがホールにもあるということも、ぜひとも理解して頂きたいと思う。



【枠下蒼7さんのご質問】
のめり込み対策として、射幸性を抑えた仕様の機種になっていくのは仕方のないことだと思う。しかし、「出ない」ということに対しての対策はないのだろうか?

現行の規制では1発も入賞しないと仮定すると1時間に最大24000円も負けることになる。数時間遊技すれば50000円ぐらい、あっという間に消えてしまう。このような吸い込みの対策をしないのは何故なのだろう? 出るからのめり込むのではなく、簡単に数万円負けたものを取り戻すため躍起になるのであり、負け金額を抑えることができれば、のめり込み対策になるのではないか?

現行の貸し玉1玉4円を変更し、1玉2円にする。昔のように低交換率やラッキーナンバー制の復活。一定の回転数ハマると時短機能が働くなど、投資を抑える対策を考えるべきではないか?

「出る」方だけ叩くのでなく、「出ない」方もバランスよくやらないと、さらに先行きは真っ暗ではないのか?



【回答】
パチスロを打つ方ならお馴染みではないかと思うが、救済措置の1つに天井機能というものがある。これをパチンコにもつけることができれば、状況は変わってくるのではないかと私も思っている。

今後導入されるであろう封入式パチンコといわれる機械の開発に携わっている者の話では、今回の規則改正で天井機能を搭載することも提案したが、却下されてしまったらしい。そして、この結果には多くの業界関係者が落胆したと聞く。なんとも残念な話だ…。


おっしゃっている通り、貸玉を4円から2円にしたり、ラッキーナンバー制の復活などは、射幸性を抑えるという部分では、一定の効果はあるだろう。現に1円パチンコは爆発的に普及したし、定量制などのパチンコのシステムも一部の店舗では人気を集めている。

しかし、単純に抑えればいいというものでもなく、射幸性といった部分とのバランスは大事で、射幸性が欠けていったり薄れていったりすれば、そのたびにパチンコ人口が減少していったことは過去の歴史が示している。


そういうことを踏まえると、繰り返し言ってきたことになるが、今のセブン機に偏りすぎた機種構成が1番の問題であると私は思う。

単純に大当たり確率約1/320のパチンコ台で大当たりさせるには、1000円20回転の台でも16000円以上のお金がかかってしまう。3倍ハマリなどが起きれば、あっという間に50000円弱の負け額だ。

じゃあ、そんな機械がなくなればいいのか? といえばそうではなく、店舗の設置比率を固定化して、適正台数に留めればいいのではないかと思うのだ。

30年前のパチンコ店のように、チューリップの開閉だけの普通機、羽根物、権利物、一発台など、セブン機以外のカテゴリーごとの設置比率を決めて、固定化するルールを作ってしまえばいいと思っている。

そうなれば、メーカーもセブン機以外の機種を作らざるを得なくなり、今のように多額の金をかけて版権を取得するようなセブン機械を作らなくても、金をかけずに十分に売れる機種が作れるだろう。それにより機械代も下げられ、お客様への負担はさらに軽減するはずだ。


夢のような話かもしれないが、機種のカテゴリーごとの設置比率をどのホールも同一にすれば、様々なタイプの機械のなかから、射幸性はお客様自身で決めることができる。

持ち金が少ないときは普通機を打ち、そこで出玉ができれば羽根物やセブン機に玉を持ち込み、低投資で当てた普通機から最後はお見事1万発なんてことも昔はよくあったものだ。

そんな時代に戻れないかと常日頃から考えている。


ではまた来週!


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