パチンコ台を設置後に「釘シート」で釘状況を確認するのだが、この「「釘シート」がまた問題なのである

シリーズ名
現役ホールマネージャーだけど、なんか聞きたいことある? (毎週日曜日更新)
話数
第97回
著者
アタマキタ
前回から釘について触れてきたが、今回もその辺の話を少し掘り下げていこうと思う。


メーカーから出荷されてホールに届いた機械は、その釘状態が正確であるかどうかをチェックをして開店するのだが、その時に使用されるものが釘シートというものである。

シートは透明で、下敷きくらいの硬さがあり、主要の釘の位置が丸印で示されている。その丸印に釘の頭を合わせていき、範囲内に収まっているかどうかを確認することになっている。

そこで釘がうまく収まるようならチェック完了で、機械の設置をしたメーカー指定の設置業者とホールとの間でサインが交わされ、あとは警察の検査が無事終われば開店となる。

この流れだけを見ればちゃんとやっているように見えるのだが、まず問題なのがこの釘シートである。

釘シートには釘の位置を丸印で示してはいるのだが、その丸印の実線の太さが概ね1mmほどある。1mm違うということは、ヘソと呼ばれるスタートチャッカーの左右の2本釘でいうと、最大2mmの幅の違いが発生することとなる。

この2mmの差はとてつもなく大きい。1000円あたりのスタート回転数で言えば、非常にざっくりだが、概ね6〜7回転の違いがある。お分かりだと思うが、そうなるとこれはもう全くの別物ということになるだろう。


先日とあるパチンコ台を1機種20台導入したのだが、納品された台を確認すると、全てちょっとずつ釘の位置が違うことが分かった。

メーカーにクレームを入れたところ、「実際の機械に取り扱い説明書通りの完璧な釘配置を求めるのは無理です」と言われる始末。だからなのか、釘シート自体がアバウトな物になっていて、厳密にやったらメーカーが潰れる可能性があるとも言われている。

さらに万が一のことを想定して、設置時の釘の確認はメーカーの人間ではなく、代理店の者が間に入ることになっている。もしも警察検査で異常が発覚した時には、その者に責任を被せて、メーカーは知らんぷりといったところなのだろう。

クレームの話の最後には「そこは大人の対応をお願いします…」。


ふざけんじゃねー!!


声を荒立てて叫びたいところだったが、それをもしやってしまえば、今まで以上に規制の強化に繋がっていくことは間違いない。


とどのつまり、一体何が正解なのか?

突き詰めれば突き詰めるほどに、正解が分からない状況にホールが立たされてしまっているのだ。

言っても仕方のないことだが、この原因を作ったのはメーカー側だ。

まずは一般入賞口と言われるスタートチャッカー以外のいわゆるおまけ入賞口の釘を捻じ曲げて広げる。そしてスタート入賞口の釘を目一杯締めることで回転数を抑える。そうすることで消費金額は少なく、回転数も伸びない。その出玉を抑制した形で保通協の検査に適合させるのだ。

しかし、実際のホール納品時には、スタートに入りやすく、一般入賞口に入らない釘状態で出荷することで、射幸性を上げて販売していた。そのことを、公の場でメーカーが認めたことにより、そこにメスが入るといった事態になったのだ。

だがこれは当然メーカーの責任だけではない。いくら出荷時の状態がそのようになっていたとしても、それを知っていながら平気で使って利益を出してきたホールにも責任はある。

より射幸性の高い台を大量に販売することで、多くの利益を出すというところにメーカーの考えがシフトし、その結果、どこを切っても同じ金太郎飴のような台ばかりがホールに設置されることとなり、結局このような状況を生むこととなっていった。

昔のパチンコ店のように、平台(チューリップ)、羽根物、権利台、一発台、羽根デジを含むセブン機などが、どの店に行ってもきちんとラインナップされているような状態であれば、現在のセブン機偏重のような状況は生まなかったのではないかと思われる。

1円パチンコのような低価格で遊べるコーナーが繁栄していった背景には、ユーザーが射幸性を選択できる流れのなかで、ある一定の人気が集まった結果だと思う。

俺が学生の頃は、3000円しか所持金がなくても、ひと勝負しにパチンコ店に出向いたものだ。そこで羽根物を打って打止めにして、プラスになった5000円を握りしめて一発台を打つ。そんなわらしべ的な楽しみ方があったはずなのだ。


絵空事かもしれないが、できることなら機種のスペックを下げるということではなく、タイプ別の設置比率の規制を設けて、多様な機種の設置を義務付けるという状況になれば、ここまでのファンの減少は止められたのではないかと思う。さらに、昔のように射幸性を選んで遊べる状況を作っていれば、釘問題など発生しなかったのではないかとも思う。


今さらこんなことを言っても仕方ないのだが、2021年には現在設置されている機械は認定切れという状況になり、全台撤去を余儀なくされることは分かっている。そうなると全国で約3割、ざっと3000軒ほどのホールが次の機械購入ができず、そこでシャッターを閉めると予測されている。

そうなる前に、少しでもメーカーは売りやすいセブン機以外の機械も開発して頂きたいと思う。


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