【パチンコ業界のタブー】釘問題が取り沙汰された以降、出玉のコントロールはどのようにやっているのか?

シリーズ名
現役ホールマネージャーだけど、なんか聞きたいことある? (毎週日曜日更新)
話数
第96回
著者
アタマキタ
今回は釘問題に関して話をしていこうと思う。

今までパチンコの釘に関しての質問を何度も受けてはいたのだが、触れずにスルーをさせてもらっていた。それはパチンコ業界全体が、暗黙の了解のなかでタブーとしてフタを被せているからだ。

このコラムを見て頂いている常識のある大人の皆様には、きっとそのことを理解して頂けるだろうと思い、あくまでも「私の想像」ということで話をさせて頂こうと思う。決して事実だと断言できることではなく、「とあるパチンコ店の責任者の想像」という話である。


皆様から頂いている質問で、1番多いのがこのような内容になる。

「パチンコ台の釘調整ができなくなっているのに、出玉率のコントロールはどのようにやっているのですか?」

答えは、「釘で調整している」ということになる。全てのパチンコ店の釘を見た訳でもないので、あくまでも想像でしかないが、「ほぼ全ての店が出玉率のコントロールを釘調整で行なっている」と言ってもいいと思う。

「これは違法行為ではないか?」と言われればそうなるのだが、これを「誰がどう見て、どのように判断するのか?」というのが非常に難しいのである。


そもそも釘調整の範囲はどれくらいかお分かりだろうか?

セブン機のヘソと言われる入賞口の釘は、メーカーから出荷された段階で、通常はどの機種も11mm以上13mm以内で収まっている。パチンコ玉の直径が11mmということもあり、それ以下のサイズだと入賞口の釘に玉が引っかかってしまうことになる。

例えば、店が明日は回転数を上げて玉を出そうとしたとしよう。いつもならば1000円で18回転のところを、20回転にしようとしたときに開ける釘幅は、約0.4mmになる。

この約0.4mmという幅は、髪の毛の本数でいえば約4本分で、目視できる幅ではない。釘の幅をはかる道具があれば分かるのだが、その幅をはかる道具というのも全国共通の物ではなく、製造するメーカーによってサイズの違いがあり、明確ではないのだ。

しかも毎日の微調整において、ヘソだけを触るということは少なく、ヘソに誘導する道釘を触ったりもする。このようなこともあり、釘はほぼ分からないように調整されていると思った方がいいだろう。


杓子定規な考え方で、「このことは違法だ!」と言われる方も多いと思う。しかし、メーカーから出荷された状態で、営業することができない場合もある。

通常、メーカーから出荷された状態の遊技機は、取扱説明書に記載された釘調整になっていると言われている。この取扱説明書には、釘の角度から、釘間の幅など非常に細かい説明が記載されている。さらに、その取扱説明書に記載された釘サイズで遊技した場合、各一般入賞口からスタート始動口(ヘソ)までの平均の入賞個数などが書かれている。

ただ実際は、納品された機械と取扱説明書に記載されている釘調整にズレが生じていることが多いのだ。

その理由は盤面の素材にある。遊技機の盤面の素材は、アクリル等の樹脂の物とベニヤ合板の物に大きく2つに分けられるのだが、アクリルの場合は、あらかじめ釘穴となる箇所に穴が開いており、そこに釘を打ち込んでいくので、目立ったズレは少ない。

しかし、ベニヤ合板の物だと、自然界の素材のため硬かったり柔らかかったりという個々の違いで、釘の角度や釘の幅自体が始めからかなり違って納品されることが多いのだ。

このことを気にしてメーカーに問い合わせをしたこともあるが、機械は新装開店の前日に届くので、納品された台の釘状態の異常を発見し訴えた場合、メーカーは店から機械を引き上げ、再度納品という形を取るしかなくなるので、新装開店ができないという事態になるのだ。

しかも、そうなれば行政へ入替の願い下げをし、返品した機械の修理を待ち、さらには再度入替申請をしてから新装開店という流れを再び踏むことになる。そうなると、2週間以上はその機械の入替が不可能となり、他店との入替日に大きな差が生まれてしまうことになる。その機械がもし不人気な機械だった場合は、2週間も入替できないとなると命取りで、ようやく新装開店に漕ぎつけたときには、すでに誰も座らないという事態にもなりかねないのだ。


納品の段階で釘がズレているのならば、メーカーの人間を呼び、その場で直させればいいのではないか? と考えるのが普通なのだが、実際にはそうはならない。

なぜなら、メーカーの営業マンのなかには、新装開店前の警察検査前であれば直すことができる資格を持つ責任者はいるのだが、資格を持っているからといっても、実際に現場で釘を触れるスキルがある人間というのはほぼ存在しないからだ。だからなのか、メーカーの人間が直しに来たという話はほとんど聞いたことがなく、結局はホールの責任者が直すことになるのだ。


しかし、ここにはメーカーは自分の責任になるから触りたくない、問題があったら全てホールの責任にして、逃げてやろうという本意が見え隠れしているような気がするのだが…。

それはまた次回に話そうと思う。

(つづく)



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