行き慣れない場所でもパチンコ屋に入るとあら不思議……めっちゃ居心地が良い!

シリーズ名
運留のふっといでぇ (毎週土曜日更新)
話数
第108回
著者
運留
四十も半ばを過ぎると、初めての事や、やり慣れていない事に対してヒジョーにおっくうになってしまう。

考えてみれば、そりゃ当たり前の話で、オンギャーと生まれたての赤ちゃんの頃なら目に見えるのは全て初めてのモノ。毎日が新鮮極まりないわけで、天井ひとつとっても「なんやねんコレ、シミとか木目とかあって、むっちゃオモロイ形やんか!?」と、ただ布団に転がって天井をみるだけでヘラヘラと笑ってみたりもできる。

それを見たママが「あら、うちの子、ニコニコ笑っているわ」と微笑ましい空気になるわけだ。


なら同じことを四十半ばの自分がやっていたらどうなるか。

まず家内が心配する。「うちのタコが、日がな一日仰向けでヘラヘラしていますのよ」と井戸端会議で話そうものなら、近所を歩くのも一苦労。近所の奥様たちがヒソヒソ噂話で持ち切りになるだろう。「あっ、天井親父だ!」つって子供らに石を投げつけられるかもしれない。

四十半ばのおっさんにとって、天井はあくまで屋根の裏っかわにある家の蓋部分であって、そりゃシミだとか木目なんかが変わった形に見える事もありますわな、程度に認識せんければいけないモノなのである。


コレ、自分のプレイスポットにも通ずる話で、東京だと新宿、渋谷、池袋あたりが大きな街。自分の行き慣れているスポットってのがいつのまにか体に染みついている。

自分の場合はとにかく新宿。関東で初めて住んだのが中野と、新宿からわりかし近い場所だった事もあり、昔から飲み会や買い物、そしてパチンコといえば新宿なのだ。わが辰巳出版も新宿に所在するので、社会人になったらなおさらプレイスポットは新宿。仕事の都合などで池袋や渋谷に行く事もあるが、これがヒジョーにおっくうである。


そんな渋谷に行く用事が出来た。

というのも、去年の末に予約したとあるアーティストのDVD受け取りがこの渋谷のCDショップでのみ行なわれていたからである。もう渋谷の駅を降りた時点で心臓がバクバクである。

通い慣れた新宿なら〇〇レコードといえば大体見当がつくが、右へ行けばいいのか左へ行けばいいのかさっぱり分からない。しかも道行く人は「YOYO!」とラップが似合う悪そうな若者ばかり。

スクランブル交差点の人混みにクルクル回らされた挙句、マルキューだし〜マルキューみたいな〜つって、取りあえず109とかいう所の近くにCDショップがあったはずだと歩いて行った。相変わらず「YOYO!」達はノリノリで街をうろついており、その隙間をようよう練り歩いてやっとこ到着。

だがしかし、それは見当違いで、思っていた場所にあったのは本屋であった。ならばと妙案。スマホで〇〇レコードと検索すれば道を教えてくれるはず。で、検索した場所になんとかたどりつくと確かにそこは〇〇レコードなのだが、〇〇レコードの"中古CDレコード館"となっている。

店員さんに尋ねると、やっぱりここではDVDの引き渡しは出来ないとのこと。ならばその場所を教えてくれと頼むのだが、店員さんに教えられた道を歩けど一向に目指すCD屋は出てこない。隣を小学生がスケボーで通り過ぎていく。怖い。渋谷では小学生までスケボーで移動するのか!?


行き慣れない街に完全に圧倒されて、変なイメージが先行しているわけですな。見つけたコンビニで店員さんに〇〇レコードに行きたいんですが…と聞くと、店員さんはスマホで検索を始め、出てきたのはやっぱり中古CD館の案内のみという遠回り。

やっとこお巡りさんを捕まえて道案内してもらい、DVDをゲットしたのだが、もうクタクタ。何より心を落ち着けたく、見つけたパチンコ屋さんに入ってみるとアラ不思議。むっちゃ居心地がいいでないの!?

慣れない事や慣れない場所は苦手だが、どこに行ってもやっぱりパチンコ屋さんは安心できる場所なのだな〜と思った渋谷なのでしたYO!