ぱちんこ魔法少女まどか☆マギカは実は「2つ」ある!? 同じ機械なのに2つある理由とは!?

シリーズ名
現役ホールマネージャーだけど、なんか聞きたいことある? (毎週日曜日更新)
話数
第86回
著者
アタマキタ
多くの読者は、規則改正の影響で来年2月1日以降は射幸性の低いパチンコ台ばかりになると思われているのではないだろうか? もしそう考えているのであれば、それは違うと断言できる。というのも、来年2月以降の状況を正確に言うと、メーカーが開発したパチンコ台の適合or不適合を決定する保通協に「今の規則での機械を持ち込むことはできない」ということだからだ。

もしみなさんがパチンコ機の開発責任者ならどうするか想像してもらいたい。今後の環境が厳しくなるという見通しを立てているのであれば、射幸性の低い機械と高い機械、どちらの開発優先度が高くなるだろう? 売り上げのことだけを考えれば当然、射幸性の高い機種の発売に向けて全力を尽くすのではないだろうか。

実際、各パチンコメーカーは残り4ヶ月で現行規則のパチンコ台を申請しまくろうと、まさに"死にもの狂い"となっている。現行規則のパチンコを来年以降小出しに販売していくために、来年を食いつなぐために…。

というわけで、機械開発そっちのけで現行機の申請に明け暮れているのが現状なのだから、新規則対応の本格的なパチンコ台の登場などまだまだ先の話だろう。


ただ、多少同情の余地もある。保通協への申請というのは、書面で提出すれば受理されるというような生ぬるいものではないからだ。

まず、申請の前段階として「予約」が必要になるのだが、この予約というのが曲者。「食べログで検索してネット予約!」なんていう今どきのお手軽感とは対極にあると言えるだろう。

というのも、保通協が処理するのは1日あたり最大5件と決まっている中、先ほども書いたが、各社が死にもの狂いで現行規則の機械を限界まで申請しようとしているのだから、予約枠の確保は熾烈を極める。要するに、せっかく新台ができ上がったとしても、試験を受けられない可能性があるということだ。

しかもその予約の仕組みというのが微笑ましいくらいアナログで、電話で取り次がなくてはならないという。従って予約日ともなればお祭り騒ぎで、各メーカーが一斉に電話を入れることで回線はパンク状態に。

そんなこともあり、あるメーカーはわざわざ電話予約に長けている業者を雇って攻勢をかけている…なんて話も。また別のメーカーは、社員全員で一斉に電話をかけ、運良く予約の電話が繋がった社員には臨時ボーナスを渡しているらしい(笑)。

そうやって必死になって予約に漕ぎつけることができたとしても、もちろん適合が約束されるものではない。予約というのは単にスタートに立ったに過ぎず、そこからがやっと本番、型式試験となるわけだ。


各メーカーの主力機と言えるパチンコ台だと、1機種に対して複数のスペックを持ち込むことになる。せっかく獲得した枠を無駄にしないための手法とも言えるのだが、例えば大当たり確率が1/319でも、出玉の多いタイプや少ないタイプ、確変の突入率や継続率が高いタイプやら低いタイプなどを用意する。通ればラッキーくらいのものから、絶対に合格してもらわないと困るというレベルのものまで幅広く。

しかしそこまで準備しても試験にパスするかは"運"の要素が大きく絡む。検査の基準は明確に決まっているものの、出玉試験は基板の機嫌次第という側面が強いからだ。出玉率95%のスロットだとしても、時として万枚、2万枚出てしまうことがあるように。


もちろん逆のパターンもあるため、結果的に「よくこんなスペックで通ったな…」という機械が適合することもあるにはある。メーカーはこういった奇跡的に試験を通過したものを「本命マシン」と呼び、ポテンシャルの高い機械として有利に営業を進めていこうとするわけだ。

ただ、メーカーがどんなスペックを持ち込んだのかはホール側では分からないため、本当に本命なのか、クソスペックしか通らなかったから嘘をついているのかは知る由もない。ちなみに、メーカーは常に本命だ本命だと言っているので、たいていは嘘だということになるのだろう(苦笑)。


ちょっと主旨とズレるが、ここのところずっと好調を維持しているぱちんこ魔法少女まどか☆マギカは実は「2つ」あるということをご存じだろうか? 現在ホールにはキュゥべえがちょろっと頭をのぞかせている白枠タイプが並んでいるが、ひと昔前の黒枠バージョンのものもあり、中身が同じものが2機種存在している。

なぜ同じ機械が2つもあるのかというと、メーカーが違うからだ。白枠はO.K.、黒枠は京楽。保険をかけてグループ枠を使って型式試験に挑んだところ両方とも適合した結果であるが、これはレアなケースだろう。

ただこういったことは別のメーカーもやっているはずで、エヴァンゲリヲンシリーズがそうかもしれない。理由は定かではないが、最近はSANKYOからリリースされてきたが、今作はBistyとなっている…。


いずれにせよ、各メーカーは保通協に多数のキラーコンテンツを持ち込み、どうにかして試験を通過させようとしているのは間違いない。現時点においては、多台数の販売が見込める機種の適合に最高の価値があると考えるのは当然なのだ。

そんな中、現行機種の持ち込みリミットまで4ヶ月を切ったことで、各メーカーの焦りっぷりも半端ない状況。ただ、あまりに焦り過ぎてバグ取りなどに十分なリソースが割けず欠陥が見過ごされる…なんて事態にもなりかねない。結果的に回収なんてことになれば誰も得をしないわけだから、そのあたりは細心の注意を払ってもらいたいものだ。


最後に。新規則が施行されるとなれば、当然そこに対してどうやって営業していくべきか? という話で業界はもちきりだろう…と思われるだろうが、実はそんな話は一切耳にしない。遠い未来のビジョンよりも目先の金ということか。これが日銭商売が故の悲しさだな。

ということで、メーカーもホールもともに目先のことしか考えていないわけだが、大枠で言えば俺自身もその一人であることは間違いない。導火線に火がつけられた状態なのに、いつまでもこんな調子でやっていたら、今よりももっともっと残酷な結末が待っているだろうな…。



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