昔のホールであった貴重な体験「パチスロはBETした瞬間に抽選される!」と頑なに引かない店員

シリーズ名
町民プールで鮪釣り (毎週火曜日更新)
話数
第84回
著者
ラッシー
気付けば俺のスロ歴も18年。

最近のホールは、俺がパチスロを始めたころと大きく変わりました。ホールは外観・内装ともに綺麗になり、女性1人でも入りやすい雰囲気に。その影響か、近年はホールでの怖い体験・面白い体験も極端に減りました。セキュリティが向上して大衆化したとも言えますが、逆にネタになる出来事が減ったのは少しだけ寂しい。

そこで今回は、昔のホールであった体験談を綴っていきます。


[1]お前が言うな!

2002〜2003年頃。当時通っていた専門学校の近くに、寂れたホールがありました。パチンコ・パチスロ併設店で、設置台数はトータルで300台くらい。休日でも客より店員のほうが多いようなお店でした。

俺がたまに打ちに行っていたのは、他店にはない機種が多く設置されていたため。パチスロのラインナップは…

ハロウィンCT(ネット)
ドミノLT(ネット)
半蔵(ネット)
ルパン三世(オリンピア)
スノーキー(平和)
ニュートラッド1(岡崎産業)
デルソル(エレコ)

謎のネット推し!

そして他店ではとっくに撤去された平和の機種を頑なに置き続けるこだわりっぷり!!

いや、たぶん入替費用がナイだけだと思うけど。ちなみに周囲のホールは等価交換が主流だけど、この店だけは低換金率だった。それも客が少ない理由の1つだったと思われる。客が少なく、思う存分レア台を堪能できる。俺にとってはオアシスのようなホールだった。


ある日のこと。ニュートラッド1やドミノLTで打ち散らかし、余った300枚ほどの出玉を流して交換所へ。特殊景品を小窓に入れると、5千円札が返ってきた瞬間——


「お兄ちゃん、こんなところで打ったらダメよ!」


という中年女性の声が!!

周囲を見渡しても人の姿はナイ。恐る恐る小窓を除くと、絵に描いたようなオバちゃんパーマの女性が真剣な顔つきで睨んでいる。


「こんなトコで打ってたらダメになるよ!!」


いや待て、オバちゃん。あんた、そのホールの交換所で働いてるじゃねーか! どの口で言ってんだよ!

まあ、俺は何も言い返さなかったけどね。現代の交換所のスタッフがこんなこと言ったら、クビになるかもしれませんなぁ。なお、このホールはこのあとしばらくしてツブれました。


[2]セキュリティどーなってんだよ!!

記憶が正しいなら2004年の冬。

編集部の先輩数人と某ホールへ打ちに行き、みんなソコソコ高設定台を掴んで閉店コースに。必然的に閉店直後の交換所は、編集部の面々で列になった。

…が、全く列が進まない。先頭に並んでいる先輩の様子を見に行くと、なにやら困惑した様子で、首を左右に振っている。交換所の中に目をやると…おばあちゃんが手招きしているではないか!!


先輩A 「えっ!? どういうこと?」

先輩B 「交換所の中に入れって言ってんの?」

先輩C 「いや、まさかそんな…」


そのまさかだった。交換所のスタッフが出入りするドアが開き、中からオバちゃんが顔を出した。


オバちゃん 「入って、スグ入って」

先輩A・B・C 「ええっ!?」

「……(何これ、怖い…)」


渋々先輩方と中に入ると、いたのはオバちゃん1人だった。というか…まさか交換所の中に入る日が来るとは!!


オバちゃん 「みんな、どれくらい景品あるの?」


この日は編集部でも話題のアツいイベント日だったので、1人1人の特殊景品はかなり多い。それを見せると…


オバちゃん 「それはムリ」


困惑する編集部員一同。


オバちゃん 「今日はもう交換できるお金無いから、また後日交換に来て」

先輩A・B・C 「はぁ…」


これ、俺らをわざわざ交換所に入れる意味あったの? オバちゃん1人に対し、成人男性5〜6人だ。たまたま善良な連中だったから良かったものの、特殊景品や残った現金を取られる恐れだってある。セキュリティ甘すぎでしょ! 全く知らないオバちゃんだけど、その後が心配になる出来事でした。

まあ、このホールもほどなくツブれましたがね。


[3]3枚を巡る争い

今から10年ほど前のこと。

自宅近くのホールで「空手バカ一代」を打ったら、たまたま設定が良かったのか夕方くらいから出っ放し。結局RT中のまま閉店を迎えた。


店員A 「はい、遊技ヤメてくださーい」


リプレイが入賞したところ声を掛けられ手を止めた。


「でもリプレイだから次のベルまで」

店員A 「いやダメです。ヤメてください」

「ええ? クレジット落とせないんですが」

店員A 「クレジットの47枚は保証します」

「え? BETされてる3枚は?」

店員A 「それは無効です」

「なんで?」

店員A 「その3枚はもう抽選されてるんで」

「いや、レバー叩いてないから抽選受けてないけど」

店員A 「BETした瞬間に抽選ですよ」

「違う違う、レバー叩いたときにフラグの抽選を…」

店員A 「お客さん、私はホール店員、つまり専門家ですよ」

「ええ…(論破しようとしてるぅぅぅ)」


出玉は3千枚ほどあったので、正直3枚なんてどうでも良かった。しかし、たとえ少ない枚数でもワケもなく店側に取られるのは納得できないし、誤った知識で論破した気になられるのはもっと腹が立つ。ここで折れるわけにはいかない!!


「いやね、パチスロってのはレバーを叩いてはじめて…」

店員B 「どうされましたお客様?」

「いや、彼が『パチスロはBETした瞬間に抽選だから、この3枚は保証できない』って言ってるんですが」

店員A 「ですよね、主任?」

「だからレバーを叩かないと…」

店員B 「お客様の仰る通りです」

「……(ホッ…話の分かる人でよかった)」

店員A 「いや違うのになぁ〜」


このやりとりのお陰で、俺がこの日最後の客に。たかが3枚。されど等価交換なら60円だ。意味なくホールに献上するのはイヤだ。サービスの対価としてなら喜んで渡そう。でも間違った理論で説き伏せようとしてきたら、絶対に渡したくない。1枚とて絶対に!


みなさんも長く打っていれば、いずれ妙な体験をするかもしれませんよ。