業界関係者しか知らない大事件!「極端な釘曲げによってメーカーの営業マン数人が警察に逮捕された」

シリーズ名
現役ホールマネージャーだけど、なんか聞きたいことある? (毎週日曜日更新)
話数
第81回
著者
アタマキタ
先日SANKYOのショールームに行った時の話。10月にJBから「フィーバーフェスティバル」が発売されるとのことで、ノスタルジックな気分に浸りながら機械を見てきた。以前のフィーバーフェスティバルが発売されたのは1993年というから、もう25年も前のことだが、機械の良し悪しはともかく、ドットのインパクトは強烈なイメージとして残っている。

ただ、そこまで昔の話となると当時の状況や機械について知っている業界人はかなり少ないようで、メーカーの営業担当が各店舗の機械購買責任者に電話を入れても微妙な反応が多いらしい。せっかく復刻を謳っても、そもそもオリジナルを知らないとなるとどうしようもないわけで、営業担当も困ったものだと苦笑いをしていたよ。


ちなみに、自店舗にフィーバーフェスティバルを導入していたということもあり、俺は釘の配列までしっかり記憶に残っている。そんなこともあって、ベテラン営業マンと2人、今回の台とどこが違うかといった話などですっかり打ち解けてしまった。

その営業マンは俺より年上なのだが、業界歴は似たり寄ったりというところもあり、その後はフェスティバルが設置されていた時代の話へと流れていったのだが…。今回はそんなベテラン営業マンと盛り上がった昔話を書いていこうと思う。


「そういえば、一世を風靡した麻雀物語やダービー物語には大事件があったよね?」というのが脱線のきっかけ。当時はネットもなければメールもないし携帯電話も手軽に持てる時代ではなかったので、特定の業界の話が瞬時に広まることはそうそう起こらない。

また、その業界内にいたとしても、積極的に情報を収集するなり情報感度が高くなければ知らずに終わることも多かった時代である。そんな状況で有意な情報網を持つというのはとてつもなく貴重だ。


俺はその当時、メーカーサイドの情報については機械の部品を作る部材屋を手懐けて情報を拾っていた。部材屋というのは実際の機械の作動役モノなどを作る業者のことで、機械が発売される前に試作機を作るところから関わるわけで、要は、ここに食い込んでいると、実際にどんな機械がいつ頃に何台販売されるかをいち早く知ることも可能になる。

メーカーってのは昔から本当のことを言わないから(苦笑)、根本の部分から情報を得られるというのは非常に大きなメリットだ。もちろん、販売戦略だなんだでメーカーにも言い分はあるだろうが、とりあえず俺はメーカーの情報を疑ってかかっていたし、鵜呑みにすることはない。だからこの部材屋の情報というのは非常に価値があったのだ。


話を戻すが、そのダービー物語の"事件"についても部材屋から情報が入ってきた。それは、「極端な釘曲げによってメーカーの営業マン数人が警察に逮捕された」というもの。

どのようなソースが入っていたのかは不明だが、大当たり中、Vゾーンに入ることによって連チャンのプログラムが有利に書き換えられるとのことだった。そこでメーカーの営業マンは、初日の出玉を煽るためにVゾーンに多く玉が入るように極端に釘を曲げたのだろう。

ちなみに、信じられないだろうが当時はメーカーの営業マンが機械設置後に釘調整を行なうのが普通だった。逮捕されたのがホールではなく営業マンなのはそのためである。昔話に花を咲かせ、今考えるととんでもないことがまかり通ってたんだなぁ〜と2人で苦笑する。


…とここで、この会話のヤバさに皆さんはお気付きだろうか? それは、今は禁止となっている釘調整が云々ということでもないし、それをメーカーの営業マンがやっていたということでもない。

それはこういうことだ。機械の検査期間である保通協に申請する時は、釘がまっすぐの仕様でVゾーンに入りにくくして出玉率を抑えて適合させる。しかしホールに設置される段階になると営業マンの手によって釘が曲げられて射幸心を煽る。そればかりか、内実はVゾーンに入りやすくすることで「連チャン台に改造」されているということだ。

しかもホールに対して説明は一切ない。「Vゾーンに入りにくい台なので、釘を曲げて入りやすくしています!」という程度の説明すらあればよい方で、基本的には当たり前のように黙って曲げていく。恐ろしい話だろ?


2人でさらに盛り上がっていると、「昔はアタッカーに秘密がある機械があったよね?」という話になり、ベテラン営業マンは思い出したように話を始めた。

「そう言えば、春らんまんっていう機械を知っていますか? あの機械もアタッカーに秘密があったようで…」

春らんまんか…と不意に心の中で機種名を口ずさんでみると、鮮明に記憶がよみがえってきた。

あれは俺が主任時代のこと、初めて経験したゴトを捕まえようとして乱闘騒ぎになった忌まわしい出来事である。
(つづく)



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