「10年前のホールでそんな態度取ったら殴られても文句言えないぞ」と言った瞬間、自分がおっさんだと気付く……
- シリーズ名
- ホールサイン解読術 (毎週土曜日更新)
- 話数
- 第51回
- 著者
- 葛ヤスナリ
〜前回の続き〜
ホールからサインが送られてきた番長2を打っていた自分。店員さんから注意されたにもかかわらず、シマに張り付いて空き台待ちを続ける若者に意を決して声を掛けたのですが——
葛ヤスナリ(以下、葛) 「あのさ、ちょっといい?」
話しかけると、突然用事を思い出したかのように立ち去ろうとする若者。いやいや、絶対に聞こえてますやん!
葛 「違う、ちょっと話したいだけだから(笑)。いや、どう考えても番長2が全台設定6には見えんやん? 半分くらい奇数挙動だし、やっきになって空き待ちする意味ないんちゃうの?」
後ろからそう声を掛けると、ようやくこちらを向いて何かを言いかけます。
若者 「そんなの…」
葛 「大丈夫、Twitterで示唆があったのは気づいているから隠さなくていいよ。とにかく間違いなく番長2は挙動的に全6じゃないわ」
その瞬間、若者の顔つきが一変しました。緊張と敵対心が入り混じり、こわばった表情だったのが一気に弛緩したというか…。
いわゆるニヤリ!といった笑みを浮かべながら、優越感を持った口調でこう語りかけてきました。
若者 「だってこのホールの立ち回りって、全456シマを探すゲームみたいなもんじゃん」
あぁ、やってしまった。若者に「コイツはわかってないヤツだ」と思われてしまった。違うんだ、別に当たりが全456なのか全6なのかとか、そんな事を聞きたかったわけじゃない。言いたかったのは他の事なんだよ。
葛 「うん、そうだとしてさ。全456前提なんだとしたら…」
話を続けようとした直後、偶然にも自分の隣の番長2が空き台に。脱兎のごとく駆け出した彼はその台を押さえてこう言いました。
若者 「アブねっ。お兄さんのおかげで取り逃すところだったよ」
立ち話は一旦終わり。自分も渋々席に戻ります。それにしてもまさか、若者と隣り合わせで打つことになるとは。打ちながら続きを切り出そうと思ったのですが、とにかく彼のテンションが高くてそうもいきません。何かを引くたびに「アツいわー!」なんて語りかけてきます。
自分が話しかけたのは仲良くなりたかったからだとでも思われたんでしょうか…。
そこから先は連れ打ちさながらでした。途中で情報交換したくて話したんじゃないよって言ったんですけど、取りつく島もありません。結局、彼は超番長ボーナスを契機に3千枚ほどお持ち帰り。帰り際には満面の笑顔で「それじゃっ」と告げて去っていきました。
なんでこんなことになってしまったんだろう。いや、自分が若者に聞きたかったことは単純なんですけどね。設定4や5の番長2を残り5時間くらいしかないのになぜ打つのかと。ART機の場合、残り時間を考えると取りきれない恐れもあり、実質的な機械割は下がります。番長2の設定4や5にそんなに価値はないんじゃないかと。
そりゃ、空いてたら打ちますよ。でも、わざわざ張り付いてまで狙うほどではないし、リスクの方が高いです。店員さんにマークされたら自分に損しかないですしね。結局、このホールではこの後に3回ほどTwitterでの示唆を行った後、店頭の看板も含めたすべてのサインがなくなってしまいました。
あれだけ空き台待ちが増えればホールの雰囲気も悪くなり、サインを送らなくなってもしょうがないなって状況だったのですが、打ち手が少しずつ気を使い合っていればサインを維持してくれたかもしれません。
ホールが嫌がる立ち回りをして損をするのは自分自身です。ガツガツ取りに行くこともあるけど、それは最終手段。残り5時間しか打てない番長2の設定4や5はその対象ではありません。だからこそ、若者の張り付きに違和感があって考え方を聞きたかったんですけどね。
数年前までは、打ち手同士での暗黙のルールというか、知らない相手とでも台取りで譲り合うような光景をよく目にしたんですけど、最近はほとんどありません。時代の流れというかジェネレーションギャップのようなものを感じるんです。
まぁ何よりも世代の差を感じたのは、この若者と他のホールであった時です。目が合った途端に「今日は怒られたくないから立ち見はこっそりやりますよ〜」なんておどけられました。返す刀で「10年前のホールでそんな態度取ったら殴られても文句言えないぞ」と言った瞬間にハッとしましてね。昔話で説教しようとしている自分…おっさんやないか!
若者たちに交じって戦わなければならない以上、ジェネレーションギャップを埋めれるように若くいたいとです…。
ここでいきなりですが宣伝です。CS放送のサイトセブンTVで始まった新番組「Knock out!」に参加させていただく事になりました。16人の必勝本ライターが8組に分かれて行うタッグバトルトーナメント番組です。
次回放送は10/16の22:00からで、以降は隔週月曜に予定されています。タッグトーナメントと聞いてキン肉マンの超人タッグトーナメントを思い出したそこのあなた、同世代のよしみでぜひ観てやって下さい(笑)。
ホールからサインが送られてきた番長2を打っていた自分。店員さんから注意されたにもかかわらず、シマに張り付いて空き台待ちを続ける若者に意を決して声を掛けたのですが——
葛ヤスナリ(以下、葛) 「あのさ、ちょっといい?」
話しかけると、突然用事を思い出したかのように立ち去ろうとする若者。いやいや、絶対に聞こえてますやん!
葛 「違う、ちょっと話したいだけだから(笑)。いや、どう考えても番長2が全台設定6には見えんやん? 半分くらい奇数挙動だし、やっきになって空き待ちする意味ないんちゃうの?」
後ろからそう声を掛けると、ようやくこちらを向いて何かを言いかけます。
若者 「そんなの…」
葛 「大丈夫、Twitterで示唆があったのは気づいているから隠さなくていいよ。とにかく間違いなく番長2は挙動的に全6じゃないわ」
その瞬間、若者の顔つきが一変しました。緊張と敵対心が入り混じり、こわばった表情だったのが一気に弛緩したというか…。
いわゆるニヤリ!といった笑みを浮かべながら、優越感を持った口調でこう語りかけてきました。
若者 「だってこのホールの立ち回りって、全456シマを探すゲームみたいなもんじゃん」
あぁ、やってしまった。若者に「コイツはわかってないヤツだ」と思われてしまった。違うんだ、別に当たりが全456なのか全6なのかとか、そんな事を聞きたかったわけじゃない。言いたかったのは他の事なんだよ。
葛 「うん、そうだとしてさ。全456前提なんだとしたら…」
話を続けようとした直後、偶然にも自分の隣の番長2が空き台に。脱兎のごとく駆け出した彼はその台を押さえてこう言いました。
若者 「アブねっ。お兄さんのおかげで取り逃すところだったよ」
立ち話は一旦終わり。自分も渋々席に戻ります。それにしてもまさか、若者と隣り合わせで打つことになるとは。打ちながら続きを切り出そうと思ったのですが、とにかく彼のテンションが高くてそうもいきません。何かを引くたびに「アツいわー!」なんて語りかけてきます。
自分が話しかけたのは仲良くなりたかったからだとでも思われたんでしょうか…。
そこから先は連れ打ちさながらでした。途中で情報交換したくて話したんじゃないよって言ったんですけど、取りつく島もありません。結局、彼は超番長ボーナスを契機に3千枚ほどお持ち帰り。帰り際には満面の笑顔で「それじゃっ」と告げて去っていきました。
なんでこんなことになってしまったんだろう。いや、自分が若者に聞きたかったことは単純なんですけどね。設定4や5の番長2を残り5時間くらいしかないのになぜ打つのかと。ART機の場合、残り時間を考えると取りきれない恐れもあり、実質的な機械割は下がります。番長2の設定4や5にそんなに価値はないんじゃないかと。
そりゃ、空いてたら打ちますよ。でも、わざわざ張り付いてまで狙うほどではないし、リスクの方が高いです。店員さんにマークされたら自分に損しかないですしね。結局、このホールではこの後に3回ほどTwitterでの示唆を行った後、店頭の看板も含めたすべてのサインがなくなってしまいました。
あれだけ空き台待ちが増えればホールの雰囲気も悪くなり、サインを送らなくなってもしょうがないなって状況だったのですが、打ち手が少しずつ気を使い合っていればサインを維持してくれたかもしれません。
ホールが嫌がる立ち回りをして損をするのは自分自身です。ガツガツ取りに行くこともあるけど、それは最終手段。残り5時間しか打てない番長2の設定4や5はその対象ではありません。だからこそ、若者の張り付きに違和感があって考え方を聞きたかったんですけどね。
数年前までは、打ち手同士での暗黙のルールというか、知らない相手とでも台取りで譲り合うような光景をよく目にしたんですけど、最近はほとんどありません。時代の流れというかジェネレーションギャップのようなものを感じるんです。
まぁ何よりも世代の差を感じたのは、この若者と他のホールであった時です。目が合った途端に「今日は怒られたくないから立ち見はこっそりやりますよ〜」なんておどけられました。返す刀で「10年前のホールでそんな態度取ったら殴られても文句言えないぞ」と言った瞬間にハッとしましてね。昔話で説教しようとしている自分…おっさんやないか!
若者たちに交じって戦わなければならない以上、ジェネレーションギャップを埋めれるように若くいたいとです…。
ここでいきなりですが宣伝です。CS放送のサイトセブンTVで始まった新番組「Knock out!」に参加させていただく事になりました。16人の必勝本ライターが8組に分かれて行うタッグバトルトーナメント番組です。
次回放送は10/16の22:00からで、以降は隔週月曜に予定されています。タッグトーナメントと聞いてキン肉マンの超人タッグトーナメントを思い出したそこのあなた、同世代のよしみでぜひ観てやって下さい(笑)。