ホールの存在がパチンコ依存症患者を作っているような言われ方をされているが、それは間違った見識

シリーズ名
現役ホールマネージャーだけど、なんか聞きたいことある? (毎週日曜日更新)
話数
第76回
著者
アタマキタ
規則改正に絡み様々な意見が出ているが、今回の質問にからみ、私の意見も簡単にまとめてみたい。


【げんきちさんの質問】
出玉率が現行の7割に規制されるかも? とのニュースを見ました。依存性対策とのことですが、メーカーは別としてホール側としてはどう捉えますか? 依存性の人の多くは月5万円以上負けているらしいですが、出玉率規制=依存性対策に繋がっていくのでしょうか? 打ち手の自分達のみならずホール側にも不利益になるような気がして…。


【回答】
現状、パチンコ店に通う人間は全員が依存症であるかのような言い方をされており、そんな中、出玉を規制することで射幸性を抑えれば依存症がなくなるような議論が展開されている。しかしそれは大間違いだと思う。

本当に病気になっているのであれば、依存してしまっているのだから金額は関係なくなっているはずで、そこは対策にはならないのではないか。むしろ出玉の上限を規制することで起こるのは、つまらなくなったと感じる一般のファンによるパチンコ離れだろう。

客離れが進めば当然ながらホールの経営状態は悪化していくし、還元率も低下の一途をたどるに違いない。そうなると機械は売れなくなり、売れないがゆえに中身のない機械ですら高い値段で取引されかねない。そうなればいま以上に状況が悪化していくのは目に見えている。げんきちさんの言うように、ホール、メーカー、ファン、すべてが不利益を被ることになるだろう。


先日、脳科学の専門家と話をさせてもらう機会があったのだが、「ホールの存在があたかもパチンコ依存症患者を作っているような言われ方をされているが、それは間違った見識」で、そもそも「こちら側が仕掛けたところで、簡単に依存症にさせることはできない」ということだった。

それどころか、「パチンコを打ちたいから一生懸命働くんだという動機は健全なものであって、決して悪ではない」と。そういうモチベーションというのは明確に依存症とは異なるらしいのだが、現状は残念ながら、あれもこれも一緒くたにされているということだった。

また、戦後、日本が焼け野原と化し、そこから高度成長期を迎え、さらに現在のような高度に発展した社会になっていく過程には、庶民の娯楽としてのパチンコという存在は本当に大きかったという話もされてましたよ。


パチンコの存在が依存症を作るのではなく、元来依存体質の人が、もしくは精神的に不安定な状況の方が、たまたま目の前にパチンコがあったというだけのことなのだろう。そこに酒があればアルコール依存症になるかもしれないし、スマホがあればスマホ依存症に、SEXがあればSEX依存症に、食べ物があれば過食症になるのだろう。

そもそも依存症と嗜好との境目も恣意的に解釈されやすい。マクドナルドが大好きで週4回も通えばマクドナルド依存症か? キャバクラが好きで通い続ければキャバクラ依存症か? 勉強が大好きで、スポーツを一切やらずに不健康な学生時代を過ごした人は勉学依存症と言われるのか?

単純に好きなだけかもしれないし、もしかしたら本当に依存症かもしれないが、いずれにせよそれらをわざわざ依存症としてクローズアップすることはないだろう。


楽しいものには「依存」というものが付きものだし、パチンコもその一つになりうる。またギャンブルという意味では自分を見失ってしまう部分もあるし、実際にパチンコ依存の方がいるのも確かだから、そこは業界として真摯に向き合っていく必要がある。

自店では、本人やご家族が依存症だと心配されている会員の方には、カードを差し込んで遊技された際にお声掛けをするというプログラムを取り入れている。これは、1日の使用金額の上限を、ご本人もしくはご家族に設定して頂き、その金額に到達した場合にはインカムにアラートを鳴らし、お客様のところへ行ってお話しさせて頂くというもの。また、その際に会員カードには一時的にロックがかかり、その間はお金が使えないようにもなっている。

こういった取り組みは、一般ファンにとっては煩雑で迷惑な話だろう。しかしこのようなカードを全国のホールで共通化し、依存症対策が必要な方を入り口で認証して保護するような取り決めの方がよっぽど前向きだ。カード認証で店内に入った依存症の自覚がある方が、申告された内容(例えば遊技時間の上限や遊技日数の上限、また遊技金額の条件)をオーバーした場合に遊技をヤメるという仕組みであれば、やってみる価値はあると考える。


ここまで述べてきたのはあくまでも私見に過ぎないが、私も業界人の一人として、パブリックコメントは出させて頂いた。また、まさにネットの拡散力のなせる業だと思うが、今回の風適法施行規則改正案に対してのハブリックコメント、すでに相当数の意見が集まっているようだ。

先にも話したことだが、一部の勘違いした識者によって、パチンコパチスロがいまよりつまらないものになってしまえば、ファンが減っていくことで一層遊びにくくなっていくことは目に見えている。

こんな時に団結という言葉もおかしいが、少しでもこの改正案が緩和されるよう、皆さんもパブリックコメントにご協力いただければと思います。わたしたちの楽しいパチンコパチスロを守るために。


それでは今週はこの辺で。みなさんからの質問をお待ちしております。



質問を送る