打ち手に支持される台をリリースすることと、入れ替えの需要は反比例する

シリーズ名
悪☆味の『ちょっといい話(仮)』 (毎週日曜日更新)
話数
第58回
著者
悪☆味
ホールを取り巻く環境は昔と大きく変わってしまったが、それはホールに限ったことではなく、業界全体が時代の流れとともに変化してきたわけで、そのなかにはもちろんメーカーも含まれる。

自分がパチスロを始めた頃までさかのぼれば、年に1〜2機種の新台をリリースしていれば経営が成り立っていたというパチスロメーカーがほとんどだったと思うが、今では一部に上場するようなメーカーもあり、昔とは比べ物にならないくらい企業規模が大きくなっている。

それはそれで、パチスロが世間に認められたと言えなくもない事象なわけで、喜ぶべきことなのかもしれないけど、それが先週のコラムで触れたような問題の解決を難しくさせている要因にもなっているのだ。


簡単に言えば、現状では特に大手メーカーは新台をいっぱい売らないと経営が成り立たないわけですよ。

何よりも難しいのは、打ち手に支持される台をリリースすることと、入れ替えの需要は反比例するということ。

具体的には、たとえば各メーカーがめっちゃ面白い機種をリリースしたとする。その機種が1年も2年も稼働するようになってしまうと、ホールは次の新台を導入する必要性が減ってしまうわけですよ。

つまり、メーカーとしてはいっぱい売れて、すぐにお客が飛んでしまうような機種をリリースするのが理想と言えるでしょう。

ただし、それだけだと他メーカーの新台に鞍替えされてしまうリスクもあるので、短期間で利益だけは取れるようなスペックにしておく。そうなると、ホールとしても機械代は確保できたので、一応は及第点となる。


これはパチスロに限らず、機械を売るメーカーにとっては同じだと思いますよ。車や電化製品なんかも、常に新しいものを作って、売り続けなければならないわけです。

しかも、新規の顧客は別として、既存の顧客に対しては買い替えてもらわなければ利益を生み出せない。だからこそ、前のものよりも性能をアップして、便利にして…と、常に新商品の開発に尽力しているわけです。

壊れたら買い替える必要が出てくるけど、壊れにくいのなら性能で勝負するしかないからね。


現在のパチンコ・パチスロの市場規模は言うまでもなく縮小傾向にある。なので、メーカーだけが以前までと同じように収益を上げていこうというのは、バランスが取れないはずなんですよ。

ただ、ここまで大きくなってしまったメーカー企業が、その企業規模を小さくするというのも不可能なのでしょう。

では、どうすれば良いのか?

これはもう、メーカーが新たな利益獲得システムを構築するしか手はないんじゃないかと思う。

結局、ホールとユーザーにとって不必要なものは、すぐに客が飛んで、入れ替えサイクルを加速させる原因となるような新台です。でも、メーカーはそういった機種も含めつつ、販売台数を伸ばさないと収益が維持できない。

ならば、販売台数を減らしても利益を出せるシステムを作るしかない。

それだけ書くと、単純に販売価格を上げるのかっていう話になるけど、それでは意味がない。

では、ホールで長く稼働するほどメーカーにお金を払う仕組みとかどうだろう。

たとえば、新台の販売価格は一律10万円にする。ただし、1ヶ月を超えて設置した場合には1日あたり2000円をメーカーに支払う、みたいな。

実際のところ、中古流通などがあるのでそれは難しいのでしょうけど、なんかそのくらい抜本的な改革案を、メーカーとホールが協力して生み出せないものなんですかねぇ?