新基準機の機種寿命があまりにも短い理由は、機械のデキが悪いだけではない

シリーズ名
悪☆味の『ちょっといい話(仮)』 (毎週日曜日更新)
話数
第57回
著者
悪☆味
5.9号機への移行が近づいていることもあってか、各メーカーがビッグタイトルをこぞってリリースしている。まぁビッグタイトルの名前を受け継いでいるから、なんとなく話題にはなっているものの、実際のところデキがどうなのかはわからない。

事実、思ったよりも設置が伸びていなかったり、導入は多かったものの、すでにお客が飛んでしまっているタイトルも少なくない。

そんな中にあって、番長3は稼働も上々で、前評判に違わぬ動きを見せている。


番長3については、自分はちょっと触ったくらいなので、ゲーム性についてどうこう語ることはできないが、設置台数がちょうど良いというのが人気の要因になっているのは間違いないと思う。つまり、番長3を打ちたいと思う人が一定数いるわけだが、それに対して供給過多になっていないということ。

また、おそらくゲーム性もかなり作り込まれているのでしょう。だからこそ、リピーターも多く、稼働低下を防ぐことができている。

最近はホール側も、以前のように無茶な新台導入をすることが減ってきている。これはとても良い傾向だと思う。まぁ、大人の事情かなんかで、大量の入れ替えが必要となる「Xデー」が訪れる日も、いずれ来るのでしょうけど。


それはさておき、これほどまでに機種寿命が短くなってしまったのは何故なんでしょうね。

4号機の初期の頃までは、あくまでもホールの主役はパチンコで、パチスロはその片隅にひっそりと設置されているくらいが普通だった。当時はそれこそ、機種の寿命が数年ということも珍しくなかったので、パチスロの入れ替えなどは年に数えるほど。

その頃と現在を比較すれば、入れ替え費用は何倍にも膨れ上がっていて、それがホールの財務を圧迫しているという一面もある。

しかも、その費用は最終的に打ち手が負担することになるわけで、これは誰が望んだ状況なんだろう…と、あらためて思う。


ホールも打ち手も新台を望んでいた、という時期も間違いなくあるんですよ。新台を導入すればお客が集まり、ホールが賑わう。そんな時代があったからこそ、ホールとメーカーの関係性も変化したわけです。

昔はメーカー側が新台を買ってくださいとホールにお願いしていたものが、今度はホールが売ってくださいとお願いする関係に変わった。4号機の北斗や吉宗のように、ホールの経営状況を一変させるような名機の登場が、そうさせたのでしょう。

ただ最近になって、本当に徐々にではありますけど、その関係性がまた変わりつつあるのは感じられます。


攻略誌のライターという立場を抜きにして言わせてもらえば、個人的には新台はあまりいらないと思っているんですよ。毎週のように新台を導入したところで、1ヶ月後、まともに稼働している機種がどれだけあるんだって話で。

で、稼働しないからまた他の新台に入れ替える。それなら、その入れ替え費用を既存の機種に設定として還元してくれたほうが、打ち手には何倍も喜ばれるんじゃないか? どうしてもそう考えてしまうわけですよ。

まぁ実際に入れ替えを極端に減らす運営方式に切り替えたホールはいくつもありますが、それが成功しているところもあれば、失敗しているところもあるので、ケースバイケース、そしてバランスを取るというのが重要なんでしょうね。

もっと言うと、この業界は大型ホールが台頭しはじめてから色々なバランスが崩れだしたと思っています。

だって、設置台数が多ければ多いほど、どうしても新台入れ替えの必要性は高まるし、そしてメーカーにとってもそういった大型チェーンが一番のお得意様となる。結果として、メーカーも大型チェーンに合わせた経営に変化していく、と。

これはまぁ、あくまでも個人的な見解ではありますけどね。


詰まるところ、打ち手はパチスロを楽しみたい、できれば勝ちたい、これだけじゃないですか。それを理想とするならば、過剰な新台入れ替えは必要ないわけですよ。

ただ、現実として新台を導入すれば、たとえ瞬間的にであっても稼働は上がる。これは何故なんですかね?

やっぱり、みんな新しいものが好きだから?

それとも、昔は新台に高設定が投入されていたので、その名残り?

また怒られそうなことを書いてしまうけど、ぶっちゃけ既存のユーザーが新台をまったく打たなくなれば、一気にこの業界は変わるはずなんですよ。でも、そんな状況にはならない。

やっぱりこれは単なる理想論なんでしょうねぇ。それに、そんな状況を作りだせない要因も存在している。

というわけで、そのあたりの話はまた次回に。