打ち子はオイシイようで多大なリスクもある!? 『打ち子狩り』に遭った日が打ち子の最後……

シリーズ名
悪☆味の『ちょっといい話(仮)』 (毎週日曜日更新)
話数
第53回
著者
悪☆味
打ち子って大まかに分けて、ホール店員が個人的な付き合いだけでやっているパターンと、複数の人間で構成されたグループが介入しているパターンの2種類があるんだけど、今週はまず個人的な付き合いから打ち子を使いはじめた場合の話を。


よくあるのが、ホール店長などがプライベートで知り合った人間や友人、先輩後輩などと結託して、小遣い稼ぎを始めるというパターン。小遣い稼ぎのつもりで始めたものの、実際は小遣いとは言えないくらい稼げてしまうので、それで調子にのってバレたりすることが多いのが特徴かな。

週に1回とか月に数回くらいのペースで打ち子を…と、最初はそんな感じでやるんだけど、こんなに稼げるんならと毎日打ち子をやるようになって、最終的にはバレる、みたいな。

このパターンの落とし穴って、当然のことながら特定の人間が打ち子をやっているというところなんですよね。そりゃ、いつも同じ顔が出していれば目につきやすいわけで。


で、だ。打ち子をしているのがバレて、常連客に騒がれて続けられなくなったとか、他の店員にバレたとか、そんなことだったら大きな問題じゃないんですよ。最大のリスクは、ヤバい相手に見つかってしまった場合。

あまり知られていないかもしれないけど、最近のヤクザ(またはそれに近い人種)には『打ち子狩り』と呼ばれる所業が存在するんですよ。これはその言葉どおり、ホールで打ち子をやっている人間がいると判明すると、その人間に因縁をつけて金銭を要求、もしくは借用書などを書かせてしまうというもの。

実際にいくつかの事例を知っているんですけど、まぁ打ち子側も不正をやっているという自覚があるからか逃れることもできず、結局は金銭を取られてしまっています。しかも、場合によっては打ち子で得た金額以上に取られますからね…。

まぁ、ヤクザに金をむしり取られるくらいなら、不正がバレてしまうとしても警察に駆け込むほうが良策だと思うんですけど、怖くてそこまで頭が回らなくなってしまうんですかね?


ちなみに、打ち子を雇った側の人間には被害がないかというと、もちろんそんなことはない。言われるがままに金銭を払ってしまうような打ち子は、当然、雇い主の名前なんて簡単に吐いてしまいますから。

こちらも基本的には金銭を要求されるようですけど、今度は逆に自分たちの抱えている人間を打ち子として使えと迫られる場合もあるようです。

打ち子狩りが打ち子にすり変わってしまうわけですね…って、笑えない話だけど、まぁ弱味を見つけたらとことん食いつぶされるということでしょう。

ちなみに、このパターンにハマりそうになって、ホール店員を辞めて逃げた人間もいました。まぁ、最後の最後だけは賢明な判断だったと思う。


店員と自分だけしか知らないことだから絶対にバレない? そんなことあるわけないじゃん。外からバレることもあるし、お互いが裏切らない保証だってないわけで。所詮、お金だけで繋がっている関係なんて、逆にお金や恐怖による刺激ですぐに破綻しますって。

ニュースになった大阪のホールの件ではないけど、SNSなどを使って見知らぬ人間を打ち子に勧誘するなんてのは、まぁ通常の思考回路だったらあり得ないことだと思う。

でも、顔見知りのホール店員に居酒屋でたまたま会ったときに打ち子に誘われた…とか、それこそ4号機時代から打っている人なら、そんな話のひとつやふたつ聞いたことあるんじゃないですか?

あと、まだホールがもっと儲かっていた頃には、飲み屋のお姉ちゃんなどに『勝たせてやるから今度おいでよ』なんていう話も多かったみたいだし。まぁ最近は景気が悪いので、夜の街で散財するホール関係者も減ったようです。

とにもかくにも、絶対にバレない不正なんてないし、また不正には必ず相応のリスクがあるということ。しかも、前述したように、こういった類のリスクは警察に介入されたほうがマシだったなんてことにもなりかねないので、全国の打ち子の皆様、そして打ち子を使っているホール関係者の皆様、くれぐれも御注意くださいませ。


最後に、地元のホールで打ち子が発見されたときの様子を報告しておきましょう。これはもう十数年前になるのかな。爆裂AT機が全盛の4号機時代の話です。

そのホールは、アベレージで万枚を吐き出すような機種でも普通に設定6を使っていたんだけど、自分はほとんどツモれなかったので、月に何度か覗きに行くくらいでした。まぁ、当時は他にも打てるホールがいくらでもあったのでね。

ある日、他のホールで打って、その帰りにその地元ホールに寄ってみたところ、なにやら出入り口のところで揉めている様子。揉めているふたりの片方は、顔見知りの鉄筋屋のにいちゃん。もう片方は、おとなしそうな学生風の若者。

鉄筋屋というだけあってガタイの良いイカツイにいちゃんですから、揉めているというよりも、むしろイジメているようにしか見えなかったんだけど、聞くと『おまえ打ち子だろ? とりあえず表に出ろ』となったらしい。

まぁ、若者は必死に抵抗していましたけど、結局は引きずりだされて、表にある駐車場で問いつめられることしばし…白状したようです。

若者は駐車場で正座をさせられ、さらに鉄筋屋の追及は続く。

「おまえの他にもいるんだろ?」

「…はい」

「そいつも連れてこい」

「…はい」

で、若者はホールに戻って打ち子の仲間を連れて戻ってきたわけですが…なんとそれが10人近くもいたという(笑)。

鉄筋屋のにいちゃんも、こいつが打ち子なのは間違いない。しかも何人かでやっていると確信していたようですけど、ここまでの人数だとは思っておらずビックリしていました。

結局、鉄筋屋のにいちゃんも引くに引けなくなったのか、その子たちを並べて正座させ、引っ叩いてました。でも駅前ですからね。すぐに警察が来てましたけども。


さて、来週は魑魅魍魎がうごめく打ち子グループが介入してる場合の話をしていきましょう。