遠隔や不正ネタの話題は尽きないが、今時そこまでリスクを背負うホールはほぼ存在しない理由とは?

シリーズ名
現役ホールマネージャーだけど、なんか聞きたいことある? (毎週日曜日更新)
話数
第53回
著者
アタマキタ
ありがたいことに最近は質問が増えてきていて、全てに答えることができなくなってしまった。また対応するまでに少々時間がかかってしまうケースも増えている。心苦しい部分もあるのだが、引き続きご理解をいただき、コラムに目を通してもらえればと思っているよ。

それでは今週も質問に答えていくぞ!



【スロ純粋さんの質問】
なぜこの業界は、事が起こる前に警察が絡んでくるのでしょう? 他業界では新商品を出すのに警察が絡んでくるなんてことはないでしょうし、ましてや警察にお金を払うなど片腹が痛いです。

ニュースなどで目にすることがありますが、ストーカー被害者が警察に相談するも『警察は事件になってからでないと動けない』などと言われ、その後に命を落としてしまうといったケースもあります。対応がちぐはぐじゃないですか? 要は、警察は搾れる所からはとことん搾り取るために事件前から動くけど、そうでない場合は動かないって言ってるのと同じなのでは?

警察の介入をなくすことがこの業界のためになると思います。万が一犯罪行為をした場合には極刑に処す! みたいな感じにすればいいと思うのですが…絵空事でしょうか?


【回答】
「警察が介入」などと書くとどうしても物々しい印象になるが、ほぼすべての業種にはそれを監督する省庁というものが存在する。そしてどの業界にも規制や決まりごとがあるために、それに基づいて適正に営業を行なっているかなどの取り締まりをしているだけに過ぎない。

農業や林業、漁業なら農林水産省の管轄だし、医薬品となれば厚生労働省ということになるだろう。そしてパチンコ業は、風俗営業の部類に分類されるため、警察庁の管理下に置かれるということになる。決してパチンコ店が悪さをするから警察が監督している…というわけではないのだ。そう思われる節もあるだろうが(笑)。


このコラムを読んでいる人も色んな業界に携わっているだろうが、それぞれの業界特有の規制やら細かい指導・通達というのは頻繁に行なわれているんじゃないかな? しかしある業界に限定した規制の話などマニアックすぎて、他業種の人間がそのような状況を知る由などないだろう。そしてそういったものの全てが合理的だったり、正しいかというと…そうでもない部分も多いように思う。あらゆる業種が理不尽な規制などで苦しんでいる部分はあるに違いない。そこはパチンコ業界も同じということだ。

そういう意味では、この業界に関する警察の動きを知っているということは、相当に事情通というか…大分深く入り込んでいるということが言えるのかもしれないよな。しかも多少なりともその理不尽さに同意してくれているということだろうから、心強く思うよ。


とはいえ、もし「経済産業省肝入りの産業」みたいな状況であったならば、もっと違った形になっていただろうとは思う。そうなれば関連会社などが一気に増えただろうし、周辺産業も盛り上がったはずだ。

まあでも現状におけるパチンコ店の取り締まりというのは、その辺りが緩かった昔とは比べ物にならない。言ってみりゃ極刑宣告みたいな部分はあるよ。だからこそ、問題が起こらないよう神経をとがらせて日々の営業に取り組んでいるわけだが。


みなさんの質問内容を見ていると、遠隔ネタを始めとする不正についての話題が多いのだが、そんなリスクを背負ってまで商売をしている店など、もう一軒もないと考えても良いと思う。そういう意味では、この業界の遵法精神というのはかなり高いと思っている。

もちろんどんな業界にも、いかに清廉潔白な環境でも、おかしな奴は必ず出てきてしまう。それは誰にも止められないだろう。しかし、ニュースなどで話題になったからといってそれが即、その業界の特徴だと認識されるのは残念だ。ま、それでも前に進んでいくしかないんだけどな。



【ミッシーさんの質問】
昨年末をもって各ホールからMAXタイプのパチンコ機が撤去されましたが、これって、撤去台リストがあって、それに該当する機種が撤去になったのでしょうか? 場所は言えませんが、マイホールには1台だけですが、初代牙狼が設置してあり、もちろん遊技可能です。これって、ホールが違反してるのでしょうか? ちなみに、ホールのホームページの設置機種にはこの牙狼のみ記載されていません。


【回答】
これは難しい問題なのだが、一部、MAX機でも撤去されないものはある。それはリストに名前が上がらなかった機械だ。

今回提示された撤去機種というのは、検定機関(各都道府県公安委員会)が許可を下ろしてから3年以内のもので、かつMAX機という場合のみ。したがってそれ以前に検定期間が満了し、かつ認定を受けた機械(検定期間中に設置の猶予をあと3年間に限り申請することができる)のみ設置可能となる。初代の牙狼などはこれに該当するわけだ。

もっと言えば、認定を受けていなくても「みなし機」として設置はできるんだよな(ただし、部品が故障したりした時点で機械を撤去しなくてはならなくなる)。たまに珍古台専門店のような店も見かけるが、こういった状況を利用しているということだ。


ちなみに、検定期間中であっても、奥村遊機のMAX機は撤去リストには含まれていないため残っている可能性はある。ご存じの通り、この問題が出た時に既に奥村は倒産していたので、リスト化しようにもできなかったのだ。ただし人気台と言えるような機種はあまりないし、大量に設置されているようなケースはまずないため、大きな問題にはなっていない。



【田中ですさんの質問】
つい先日のこと、私も通うチェーン店での出来事です。沖ドキを打たれていたユーザーが中段チェリー(※左リール上段にバー図柄停止の形)を引きました。そして最近の流行りで、フリーズする動画を撮ろうとしたのでしょう。スマホを構えてレバーオン!! …するも、フリーズどころかハイビスカスが点灯しなかったのです。ペナルティはないと思います。

さすがにこれは大騒ぎで、さっそく店に説明を求めたようです。しかし故障とか不具合などの言い訳ばかりで話がまとまらず、頭に来て警察に駆け込んだとのこと。しかもホールが存在する町の町議と知り合いらしく町議に話をしてから警察に行ったみたいです。

営業停止を喰らうとの話はチラホラ聞いてますが…黒でよろしいですか? このチェーン店は私はプラス収支ですし設定6も随分打たせて頂いたホールなんですが、某有名掲示板などでは酷い書き込みを良く見かけますし、実際に何人かの方は自殺されてます。


【回答】
沖ドキで中段チェリーを引いてその後にフリーズしないことは普通にあるが、ハイビスカスが点かないってのは俺も聞いたことがないなぁ。普通に考えればボーナス確定だろうけど…これは可哀そうなことだな。ただ、そのこととホールの対応は別で考えないといけない。

まず俺が店員ならば、お客様には調べる時間を頂くように説明する。そのうえで防犯カメラを確認し、本当に押し順ミスなどのペナルティがなかったかを確認してみる。その段階で順押しでないことが分かればペナルティだと説明をさせていただくし、押し順ミスがないにも関わらずそういう事態になったのであれば、中段チェリーの恩恵はBIG+天国だろうから、1000枚くらいを保証して終わりにするであろう。

もし運悪く手元が見えていない場合は、機械の故障の可能性があるからと言って台の稼働を即刻停止し、調べがつくまでは開放しないだろう。ただ、結果的に機械に決定的な故障が見つからなければ…保証はできないだろうな。

遊技者の気持ちは痛い程理解できるし、もし自分が同じ状況になれば理不尽だと感じるかもしれないが、やはり企業としての対応となるとこうならざるを得ない。みなさんが携わっている仕事でクレームが起こった場合を想定してもらえば、そこと対応は変わらないはずだ。原因が分からない部分に全て補償を支払っていては営業が成り立たなくなってしまうからだ。


また、こういう状況に遭遇すると店の不正を疑う人もいるだろうが、そもそも「中段チェリーが出たらボーナス確定」などと店は言わないしメーカーも言ってはいない。ネットや情報誌に書いてあるだけの話だ。その記事を書いた人間が絶対に間違えないとは言えないし、そもそも攻略誌だってその情報の真偽について保証するつもりもないだろう。

要は、とても残念で悔しいことではあるし、そんなトラブルなど店は200%望んではいないのだが、「機械のすることなのでまさかも起こりうる」ということだ。そしてそれがパチスロというものでもある。そしてそういったことを想定しているが故に、遊技約款に「機械のトラブルや故障の際は出玉の保証は致しかねます」という文言を掲示しているのだ。


そういった意味で、これを警察に駆け込もうが政治家を動かそうが覆すことは不可能だろう。つまりこのような内容で営業停止を喰らうことはない。店を庇護するつもりはないが、例えばその店がこのような不正改造をしていたとしたら、バレバレすぎて頭が悪過ぎだ。そんな改造に何のメリットがあるというのだろう? したがって不正改造などは100%あり得ないと言って良いだろうから調べられても問題にはならないのだ。

このホールで自殺された方がいるというのはとても痛ましく残念なことだが、それについては今回の件とは全く別の話だし、機械トラブルとは関連してこないだろうな。


ということで今週はこの辺で!


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