パチスロ生活をやめたキッカケは『ホール事情が変わったこと』と『軍団のホール潰し』

シリーズ名
ホールサイン解読術 (毎週土曜日更新)
話数
第23回
著者
葛ヤスナリ
10年近くパチスロで生計を立てていた坂本くん。前回はパチスロ生活が始まった経緯について語ってくれたのですが、ここから話は現在のホール事情、そしてパチスロ生活をヤメるきっかけへと進んでいきます。



坂本くん(以下、坂) 「それにしても最近はちょっと前に比べて、ホールの状況がほんと大きく変わりました。いまは設定6をツモれないですもん」

葛ヤスナリ(以下、葛) 「おお、これは驚きの発言だな〜。あんなに真面目に立ち回っていたのに。でも、気持ちは分かるよ。高設定狙いが難しくなった理由を挙げたら、片手じゃ足りないくらい思いついちゃうし(笑)」

「自分にとって高設定狙いが難しくなった一番の理由は、とにかく人が増えたことですね。設定6が掴める穴場のホールを見つけても、その情報がすぐに拡散してあっという間に100人クラスの並びができるようになっちゃって」

「最近は全台設定6の島があるようなホールなんて、すぐに人気店になっちゃうよねぇ。もって3ヵ月くらいかなっていう感覚はあるよ」

「しかも、増えたのって打ち子や引き子を雇う軍団がほとんどなんですよ。2、3人のグループならまだしも、10人単位で来られるとさすがに勝てません。そういった軍団に通っているホールを潰されるのは、やるせないんですけどね」

「それはある。去年の6月くらいから、ホールがちょっと頑張るとそういう人たちが殺到するようになった気がする」

「都内が非等価になってから、数で押してくる人たちが増えました。しばらくはやり方を変えて対応できていたんですけど、それももうキッツいですね」

「おっ、やり方を変えたっていうのは個人的に興味がある。自分の場合は設定状況が多少悪くなっても、とにかく人のいないホールを探していたけど、坂本くんはどうして凌いでいたの?」

「打つ機種を変えました。軍団はハイスペック機狙いが中心だったんで、自分はジャグラーメインで攻めることにしたんです」

「なるほど」

「ジャグラーって思ったよりも設定看破が難しいんですよね。それもあってか軍団はジャグラーの島に来なかったので、打つのはほとんどジャグラーになりました。しばらくはそれで結果も出ていたんですけどね。ただ、去年の秋口から5.5号機時代になって、また状況が大きく変わり…」

「5.5号機への移行がジャグラー島にも影響を与えたってこと?」

「ええ。簡単に言えば、軍団がジャグラーを狙うようになったんです。5.5号機の看破は時間がかかるし、設定6の機械割が110%程度なら、マイジャグとほとんど変わらない。同じようなスペックなら、リスクの低いノーマルタイプの方が狙いやすいというのが理由でしょうね」

「せっかく勝ちパターンを見つけたのに、また厳しくなったんだね…。でもさ、それなら今度は他人が狙わなくなった5.5号機をメインにしてみたらいいんじゃない? いま勝ち続ける秘訣は"どんな機種でも攻める姿勢"だと個人的には思っているよ」

「それはアリですけど、正直もう疲れましたよ(笑)。楽に勝てる時代は終わったと思うし、きちんとした仕事をしようと思います。年齢も30近くになりましたしね」

「そっか。30歳はターニングポイントでもあるよねぇ。やっぱりそこは考えちゃう?」

「社会復帰するなら今しかないと思うんです。あとは、パチスロ生活中の友人からの影響で、やりたいことが見つかったのも大きいですね」

「昔Jリーガーを諦めざるを得なくなったって言ってたけど、それに代わる夢が見つかったと」

「そんな大したものじゃないですけど(笑)。雑貨屋をやりたいんです。いまは知り合いから店舗運営について教えてもらいながら、開店できそうな物件を探しています。失敗も勉強のうちだと思っているので、まずはやりたいことに打ち込んでみます」

「ホール状況の悪化がきっかけになったとはいえ、夢が見つかったっていうのも大きいんだね。お店を経営するのは、パチスロとは比べ物にならないくらい難しいと思うけど、ぜひ頑張ってね。今日はありがとう!」



坂本くんの話にもあるように、パチスロが勝ちづらくなっているのはヒシヒシと感じます。ただ、いつかは潮目が変わると思うんですよね。いまは新基準機への移行でホールも様々なことを試している時期でしょうし、状況が落ち着けば新しい立ち回り方が見えてくるはずです。

きっと彼も、そこには気づいているはず。それでもパチスロ生活をヤメるのは、他にやりたいことを見つけたのが大きいのでしょう。

坂本くんはスロプロをしていた自分を肯定していたわけではありませんでしたし、悩みながらも新しい道を見つけたからには応援したいですね。

彼のように30歳を区切りにスロプロを辞めるという話はよく耳にします。このコラムを読んでいる方のなかに、30歳未満の方がいましたら、勝ち続けているうちに次の人生を考えておくことを強くお勧めしますよ。…いや、少しでもライバルが減ればいいなとか、そんな不埒な考えで言っているわけではないですからね(笑)。