最近パチスロ生活をヤメた若者のリアルな体験談「弱っているときに助けられたパチスロ」

シリーズ名
ホールサイン解読術 (毎週土曜日更新)
話数
第22回
著者
葛ヤスナリ
「坂本、パチスロ生活ヤメるってよ」

先日、友人からこんなLINEメッセージが届き、ちょっと驚いちゃいました。といっても、その坂本くん(仮名)と自分は友だちでも知り合いでもなかったんですけど、とある地域のホールでよく見かけていて、その立ち回り方からスロプロであることはわかっていました。

で、それなりに収支も出ていたと思うのですが、そんな坂本くんがパチスロ生活、いわゆるスロプロをヤメると知って、残念というのと同時に理由はなんだろうと気になったんです。

そこで、共通の友人にお願いして、坂本くんと話す場をセッティングしてもらいました。

そして実際に会って話してみたんですが…これがまた面白い。1人の若者のリアルな体験談に引き込まれました。

スロプロの半生…とまではいかないけれど、スロプロになり、そして社会復帰するまでどういう経路を辿ったのか。普段あまり聞くことのできない話だったので、今回紹介したいと思います。



—某日、都内の居酒屋にて。お互い自己紹介を済ませ、本題へ。

葛ヤスナリ(以下、葛) 「本当にパチスロ生活をヤメちゃうんだよね。もったいないと思うし、その理由も気になるけど、まずはスロプロになった経緯を教えてもらえないかな」

「自分、昔はスポーツマンだったんです。ずっとサッカーをやっていて、某有名クラブのユースチームに所属していました。そしてJリーガーになる一歩手前まではいったんですけど…契約間際のメディカルチェックに引っかかってしまい、プロ入りの夢がそこで潰えちゃったんです」

「Jリーガー手前までいってそれは残念だったね…。メディカルチェックがどんなものかはわからないけど、ちょとイレギュラーな形で夢を諦めるとなると、簡単には吹っ切れなかったんじゃない?」

「そうなんですよ。他にやりたいことも見つからないし、しばらくは兄貴の家に転がり込んでブラブラしてました。で、夜中にファミレスでご飯を食べていたら、いきなり知らない人から声をかけられて。『お前、教えてやるから、一緒にパチスロを打たねえか』って誘われたんです」

「うわぁ、いきなり知らない人から声をかけられるのって怖くなかったの? しかも、パチスロっていうのも打たない人からしたらちょっと怪しいし。でも、それに乗っかっちゃったわけだ?」

「はい。暇だったし、試しに付き合ってやってみたんです。声をかけてくれた人は元々パチスロで稼いでいたようで、その人に教えてもらいながら稼働していたら、けっこう勝てたんですよね。それは20歳くらいの頃の話ですけど、そこからスロプロ生活にのめり込みました」

「坂本くんは28歳だから、8年くらいパチスロで生活していたんだね。当時は今より格段に勝てたし、のめり込むのはすごい共感できるよ」

「実際は途中2年くらいパチスロから離れていましたけど、他の時期はすべてパチスロで生活費を稼いでいましたね」

「途中2年も離れていたんだ。ちなみにそれはいつくらいの時期?」

「今から5年くらい前です。その時は知り合いの影響で芸術分野にハマっていまして。パチスロそっちのけで映像をひたすら撮っていました。でも、映像で稼げるわけでもないし、お金も無くなったのでまたパチスロで稼ぎ始めましたけど」

「せっかくやりたいことを見つけたのに、それで生活するところまでは行けなかったと。でも2年もブランクがあると、またパチスロで稼ぐのも大変だったんじゃない?」

「それがそうでもなくて。再開した時は天井狙い全盛期といっても良いくらいの時期だったので、収支は以前よりも伸びましたね」

「そうか、高純増AT機が出始めたころだもんね。自分は高設定狙いの魅力に取りつかれていたからハマリ台には手を出さなかったけど、天井狙いで勝っている人がちょっと羨ましかったです(笑)。それにしても、その時に勝てるような状況じゃなかったら普通に社会復帰していたかもしれないよね」

「そうかもしれませんね(笑)。ただ、最近は天井狙いをしづらい機種が増えたし、都内が非等価になったのもあって、ここ2年くらいは高設定狙いで立ち回っていました。で、しばらくは状況が良かったんですけど、最近はまたホール事情が変わってきて…」



ここから現在のホール状況、そして坂本くんがヤメた理由に繋がっていくわけですが、続きは次回お話ししたいと思います。

それにしても、彼のように人生で挫折を経験して、そこからスロプロになったという人って結構多いんですよね。かくいう自分も、前職で燃え尽きてしまった感じになってしまい、次にやりたいことが見つかるまで…という形でパチスロ生活を始めましたし。

パチスロ生活を続けている人は、基本みんなその先の人生がどうなるかわからない恐怖感を抱きながら日々過ごしていると思います。この生活を長く続けていけばいくほど、その恐怖は大きくなっていくんですけどね。

批判もあると思いますが、パチスロが夢を諦めて途方に暮れている若者の受け皿になっている側面もあるのかなと。自分も坂本くんも、弱っていた時にパチスロという存在がなければ、犯罪まがいの事に手を染めていた可能性もゼロではないですしね…。

なんか少し暗い感じになっちゃいましたが、来週は坂本くんの社会復帰への過程をお話ししますので、お楽しみに!