「おい、調整すんなよ!! 調整すんなよ!! 絶対だぞ!!」これはフリじゃないからな!

シリーズ名
実録 ザ・ぱちんこ開発 (毎週月曜日更新)
話数
第20回
著者
180攻蔵
毎週土曜日のお約束、「実録 ザ・ぱちんこ開発」のお時間がやってまいりました、お相手は毎度お馴染みの攻蔵180です。今週は『っんなことできるんだ!?』をテーマにお送りしていきますよ!


開発の現場に長くいると「屈辱的でありながらも探究心をそそられずにはいられない」という場面に出くわすことがあります。ここ最近だとA-gonのGoGoピラミッドがそうでした。

この機種はスタートに入賞すると羽根が開き、そこに玉を入賞させ、釘の森を抜けた先のVに入賞すれば大当たり…というものですが、開発視点だと、「大入賞口(アタッカー)の内部を遊技盤面と共用しており、しかも釘を用いている!」ということになります。まさに『っんなことできるんだ!』という衝撃を受けました。

まあアイデアはアイデアとして、実際の運用となると怖いですけどね。だって、大入賞口内の構造物は釘なわけですから、普通の感覚で調整しようものなら、V入賞確率(=大当たり確率)が激変してしまうわけです。それってデジパチで言えば、大当たり確率が1/300の機械のはずなのにホールの気分次第で1/800とかにできてしまうということですよ!?

おい、調整すんなよ!!
調整すんなよ!!
絶対だぞ!!

ホール様におかれましては、こんなところで「ダチョウ倶楽部」力を発揮される必要はございませんので、なにとぞお手柔らかにお願いしたいところです。

そのオチについては各ホールでご確認いただきたいですが、おそらく「あちゃー…」って感じなとこが多いんだろうと想像します。

それはともかくとして、この仕様で適合が出ることには素直に驚かされました。



さて、「適合するんだ!?」という感覚は、ちょっと前だとDAIICHIの『T.M.Revolution』の時にも感じました。小当たりを引けば実質的な大当たりにできちゃうという仕様ですね。

2種のV入賞率は1/10を超えてはならないという規則があるのですが、T.M.Revolutionはいくつか"知恵を絞る"ことで、この条件をクリアしています。それが、「通常時はVに入らない小当たり」と、「レスキュー+ベロ式のV取得用アタッカーの仕様」。小当たりはトータル1.8秒しか開かないのだけれど、ベロアタッカーが0.18秒で引っ込むことを10回繰り返すことで、レスキュー部分でうろうろしている玉を下に落とし、1.8秒で10個入れることもできるようになってます。

さらに、V入賞による連チャンを誘発するためには特図2(=右打ち中の電チュー抽選)の小当たり確率を極めて高く設定しなければなりません。しかし通常時から右打ちして特図2が回ってしまうと当てられてしまうので、電チュー部分を折り返しのついたベロにすることで、通常時の入賞を回避しています。

これを見て、「っんなことできるんだ! そんなことしたら無茶な台たくさん生まれるぞ!」って思いましたね〜。案の定、これが与えた影響は大きくて、そこから「マジェスティックプリンス」「プロジェクトTK」「戦国恋姫」などの1+2種タイプ、要は『小当たりすれば大当たりGETです系』の台が増殖しました。


さらにもう少し遡ると「牙狼外伝 桃幻の笛」。これは時間で出玉を制御する機種なのですが、同時変動を用いてこれを実現しています。

この『時間制御』という考え方は「楓魂」や「タイガーマスク」など、電チューで玉を増やすタイプでも「抜け道」として構成は可能ではあって、特図の変動パターンを1時間など長いものにすれば一撃で猛烈な出玉を生むことも可能。

とはいえ、「できる」と分かっていても、そういう機械を作ることの影響も考えるわけで、開発に携わる者としてのモラルがそこに歯止めをかけるわけです。そういう意味では、これを見た時に「それやっちゃうんだ!?」的な印象が強かったですし、多くの開発がそう思ったはずです。


桃幻は、アタッカーで玉を増やすものの、変動時間で出玉を制御するという点は一緒。特図2は出玉を獲るトリガーに特化しており、特図1にしか確変を終わらせる図柄がないわけです。

そうなると、特図1が回っている間は特図2の当たりを連発でき、確変(RUSH)も終わりません。つまり、例えば特図1の変動時間を1時間にすれば、その1時間は延々と特図2で2R確変が続く仕様になります。

ただ、申請より先に組合でスペックを相談し、自主規制として秒数に制限をかけてはいましたけど(その頃の総量出玉以内にまとまるような秒数設定)。


ただ、この機種の「っんなことできるんだ!?」的に驚かされたのは仕様ではなく、右打ちをするだけで一定量が特図1に入賞していくメカ的な仕組み。右打ちしながらも特図1が回って当たることで初めてRUSHから落っこちるので、特図2で玉を増やしながら特図1を強制的に回させる必要があるわけです。

しかも万が一特図1が回らないようなゴトをされたら永久に玉が出続けてしまうので、そこはかなり慎重に設計しないといけないし、普通の止め打ちや攻略打ちなどの対策も必要。しかも左打ちより回ったらいけないわけで…。そもそも保通協で「遊技の公正を害する」と言われそうだし。

そういう意味で、この機種はスペック・構造が一体となった「っんなことできるんだ!?」でした。

もっと過去まで紐解けば、「チョロQターボ」やら「キャプテンロバート」やら刺激を受けた機種はたくさんあるのですが、今回はこんなところで。


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質問への回答コーナー

●スロ坊主Rさんから
タイガーマスクが自主規制とのことですが、あくまで「自主」なんですよね? ふらっと座った台で3万発くらい出てからハマッたので、同じような台が出てほしいです。

●ひとつの答え
2/11更新の「悪魔の数字〜65〜を打ち壊せ」では、このタイプでも65%を超えられると書きましたが、そもそも昨年の12月、日工組として普電で増やすタイプを申請しないことを決定しました。

つまり、スロ坊主Rさんには申し訳ないのですが、このタイプの新台が今後市場に出ることはありません。今あるこのタイプを愛してもらって、ホールから外されないようにしてもらうしかありませんね。

ただし、小当たりラッシュに特化したタイプ(大当たりに出玉を割かないようにする)なら似たような波は可能かなと思います。



今週の攻蔵ちょっとぱちんこ日記

CRAヘルプ!!! 恋が丘学園おたすけ部(藤商事)

日曜の昼下がり。競馬も終わったし、さて何を打とうか? とピンク色の台の前で止まる。おたすけ部…久々に打つか〜。

大当たり確率は1/99で必ず時短100回(実際は確率のほぼ変わらない確変)、しかも30%で15R。じっくり打てるスペックだと思います。


さて、このおたすけ部。見た目でわかる通り、コストを抑える名目での役物流用を色濃く行なっています。クリスタル&ドラゴン→おたすけ部→マジョカマジョルナという流用。

こういう流用策って、けっこうギャンブルなんですよね。もし先頭の機種が大きくコケてしまったら、後続機の中身がどれだけ良くても、ホールの機械選定者の印象が悪いまままら売れなくなってしまうかもしれません。

ただ、各メーカーには開発費を抑制したいという思惑が強くあるので、キラーコンテンツ以外はこういう方向性が増えていくかもしれませんね。


実戦内容ですが、この日は珍しく連チャン! 8連したのに15Rが1回だけで、ひと箱とカップくらいだったけど満足ヤメ。

ララララブパワー♪ が耳に残る帰り道。

【実戦結果】
投資…3000円
回収…5000円
収支… +2000円