隣でハナビを打っているピコ太郎の恰好をしたおじさんのせいで、帰りたくても帰れなかった理由

シリーズ名
町民プールで鮪釣り (毎週火曜日更新)
話数
第51回
著者
ラッシー

うひょ〜! リプとオレンジのダブルテンパイハズレ、堪らん!


今度は左下段赤7からの条件付きオレンジテンパイハズレ! やっぱりゲッタマは名機ですわ!

朝イチはクラセレから実戦スタートした。しかし、ボーナスが当たらないうえに小役の落ちも良くないので軽傷のうちに撤退。

そしてボーナス合算出現率が1/119のゲッタマが空いていたので移動したら、アッという間にクラセレぶんの負債も取り戻せた。

このままゲッタマを打ち続けても構わないのだが、大きな懸念がいくつかあった。まず小役の落ちが非常に悪い。そして隣の台から設定5・6確定の「葉月ちゃんのchu!」が聞こえてきたのである。

ちなみにその設定5・6確定台のさらに隣の台が2000枚ほど出ている。ゲッタマに設定を使っていることは確認できたわけだが、さすがに同じシマにこれ以上、高設定台があるとは思えない。名残惜しいがここはヤメて、ほかのシマで台を探したほうが良さそうだ。


ふとハナビのシマへ視線を向けると、さっきまで稼働していた本命の台が空き台になっていた。これはチャンスと立ち上がったのだが…なんだあの座りづらい雰囲気は。

その原因は、本命台の隣にあった。





「ピコ太郎やん…」





隣にピコ太郎みたいな格好をしたオジサンが座っていたのである。

ヒョウか何かは定かでないが、全身アニマル柄。さらにアニマル柄の長いマフラーのようなものを首に掛けているが、巻いているわけではない。

さぞファッションにこだわりがありそうなので、この言い方が適切でないかもしれないが、俺からすると少し異様だった。おそらく周りの人も引いていただろう。

本命台が良さそうな挙動なのに空いていた理由は、隣のこのオジサンにあったに違いない。

俺だって怖いさ。でも、やっぱり高設定っぽいハナビを見逃すことはできない!


本命台は2211Gで、ボーナス合算出現率は1/147。ボーナス履歴から察するに、REGに苦しめられたと思われる。途中、5連続でREGだったからね。BIG間で大きくハマってはいるが、当たってないわけじゃない。隣のオジサンも気になるが、とりあえず打ってみよう。


打ち始めてからオジサンのデータ表示器をチラ見すると、ボーナス合算出現率は1/188だった。展開も良くなさそうだが…いきなりキレたりしないだろうな。

すると、オジサンの台の「たまやランプ」が点灯。しかし、全くボーナスを揃えられないオジサン。焦って隣のお兄さんに目押しを頼むも無視された様子。当然、反対隣に座っている俺にお願いしてきた。

揃えてあげたのはREGだったが、満面の笑みのオジサン。ふむ、悪い人ではなさそうだが…よく見ると日本人じゃなさそうな雰囲気。でもお金持ちっぽい感じだから、中華料理店か韓国料理店のオーナー的な人物なのか!?

いずれにせよ、そんなボーナス合算の台を打っていたら負けるに決まっている。でも演出に一喜一憂しながら楽しそうに打ってるし、止めるのも可哀想だ。黙って見守るくらいしか俺には…。

するとすぐにまたオジサンの「たまやランプ」が点灯。

ぐぬぬ…ボーナス合算出現率は俺の台のほうが遥かに高いのに、なぜこんな展開に…。

オジサンの目押し係になってしまったので、当然今回も揃えてあげることに。中リール中段にBARを狙ったら、ズルッとスベって赤七がドシン。赤七を揃えてあげたら、満面の笑みでグーのポーズだ。



オジサン「ソウルから来ました」

俺「エッ!? そうなの?」

オ「スロット面白いね」

俺「そういえば韓国からパチンコ・パチスロを打ちに来る旅行者が多いって記事読んだよ」

オ「そうそう。あと2時間で羽田空港行かなきゃいけない」

腕時計を指差すオジサン。金のROLEXがキラリと光る。

俺「飛行機に遅れないでね」



パチンコ・パチスロが目的なのかは分からないが、ソウルからの観光客だった。

ピコ太郎ファッションは、ネタなのか趣味なのかは定かではない。日本語は外国人と思えないほど流暢なので、しょっちゅう日本へ来ているのかもしれない。とにかくお金持ちだということは分かった。

オジサンの台はその後もハマらず当たり続けるが、その大半がREGなので大きくは増えない。一方、俺はというと800Gハマリをくらい、ボーナス合算出現率は一気に低設定域へ。

ぶっちゃけもうヤメたい。でも…俺がヤメたら、誰がこのオジサンに優しくしてあげるの?

気付いたら俺の台よりオジサンの台のボーナスを揃える回数のほうが多くなっていた。ヤメたい…でも、あのボーナスを揃えたあとの笑顔。ヤメるわけにはいかねーよ!





——1時間後

オジサン「もう空港行かなきゃ。ボーナスを揃えてくれてありがとう」

俺「いいえ、気を付けて」

人見知りすぎて、気の利いた言葉の一つも掛けられない自分が憎い。

オ「こんなもので悪いけど」

缶ジュースを差し出すオジサン。

俺「ありがとう、いただきます」


結局オジサンは400枚くらいを流して帰っていきました。REGばかりだったけど、パチスロを楽しんでいただけたのなら幸い。

俺もオジサンが帰ってスグに実戦終了。結果、1万円ほど負けました。

まあ、立ち回りとしては最低だけど、外国人観光客と一緒に打つという普段はなかなかできない経験ができたから、気分は悪くなかった。

ちなみに店移動してさらに2万ほど負けましたわ!

実はオジサンはサムスンの偉いさんだったとかで、雇ってくれねーかな〜!!!