「設定6を入れているのに気づいてもらえない」というホールはそう思っている時点で問題がある

シリーズ名
現役ホールマネージャーだけど、なんか聞きたいことある? (毎週日曜日更新)
話数
第47回
著者
アタマキタ
今週はゴト目撃体験と出玉を出すことについての質問に回答していくぞ! これを読んで他に疑問が湧いた…とかでも良いので、気になることがあれば何でも感想から送ってくれよな!!



【困困倶楽部さんの質問】
4号機時代(HANABI)ですが、隣の台でゴト行為をしているのを見てしまいました。下皿に置いた手から針金みたいな物を払い出し口付近に差し込んで、ゴニョゴニョしてると思ったらコインが勝手に払い出されてくる…というものでした。その後は当たるまで打ってボーナス終了後即流し。そして、また他の台へ…。

すぐに「店員に言わなければ!」とは思ったものの、このホールは家の近くで頻繁に行っていたので、「店員も仲間だったら、家族まで事件に巻き込まれるかも…」という考えが頭をよぎり、結局見て見ぬふりをしてしまいました。このような場合、どうするべきだったんでしょう?

また、そのお店ではないですが、「ゴト発見・通報者には謝礼金」なんて張り紙を見たことがあります。事件に巻き込まれるのは嫌だけど謝礼金は欲しい…なんていう卑怯な私に、今後のためにもどうかお知恵を授けて下さい。


【回答】
ゴト行為の現場に居合わせるって、相当に衝撃的だよな。自分自身も客として数多くのゴト現場に遭遇したが、それを目にした瞬間、何とも言えない異様な緊張感に強張るよ。それと同時に、自分が目撃したことを相手に知られているのではないか…という恐怖もやってくる。まさに困困倶楽部さんが感じたのと同じ心理状態だ。本当にいい迷惑だよ。

以前にこのコラムで書いたことがあるが、俺は他人のゴト行為のせいで最悪の経験をしたことがある。パチプロ仲間としてたまに一緒に打つ機会もあった知り合いが、目の前でいきなり磁石(通称タコ)を取り出して、一発台の大当たりをかけたのだ。

そいつの隣で打っていた俺は、そいつと話しながら打っていたせいもあり、店側から完全に仲間だと認識されてしまった。ゴト師扱いされた俺は、事務所に拘束される羽目に…。いや〜、思い出すだけでも腹が立つよ。


それはさておき、ゴト師絡みの問題は慎重に考えて行動しないといけない。というのも、最近のゴト師は昔とは違って、単独で動くことは少ないからだ。

道具などを使ったゴトを行なう場合は、ゴトネタを仕込む者、そしてその壁になる者など、複数の人間が連携しているのが普通である。さらに、ゴトネタを仕込んだ後に実際に機械を動かす打ち子、ショップでの景品の交換を行なう人間、駐車場待機組などもいるだろう。実際にゴトが行なわれるとすれば、これくらいの人間が関わっていると思っておいた方が賢明だ。

そこで、今回の件でベストと言えそうな対処法は、トイレの個室などに入って店の代表電話に掛けて知らせる方法だろう。その場合は、該当機種や台番号をスムーズに言える準備をしておいてもらいたい。

ホールとしては犯罪行為は通報してもらいたいところではあるのだが、お客様自身の安全を第一に考えなければならないので、そういった特異な状況では、念には念を入れて慎重に行動してもらいたい。



【モエズミさんの質問】
アタマキタさんは設定6に対してどういうイメージがありますか? もちろん機種によって、または同一機種でも個体差(?)はあると思いますが。

6を使ってるのに出ないとかいう話を良く聞きますし、6に気づいてもらえないって話も聞きます。そういった点から現役店長としての指針等お聞かせ頂ければと思います。

あと、本気で遊技人口を回復させたいならば、ド赤字経営をすれば良いと思うのですが? サービスや接客レベルも大事なのは重々承知してますが、結局は出玉ありきな面もあると思うので。


【回答】
今年販売されたART機のほとんどは公表された設定6の出玉率を下回っているので、設定6だからといってそこまで出るというイメージはないのが正直な印象だ。そういう意味でも、高い出玉率の機種(凱旋、バジ絆など)は積極的に設定6を使っていかなければならないと思うし、Aタイプであれば毎日設定6は使うべきだろう。

ちなみに、「6を使っても出ない」というのはホールからすればあまりにも普通すぎて、不思議でもなんでもないよ。せっかくツモった打ち手からすれば災難でしかないけどな。


次に「設定6を使っているのに気付いてもらえない」という部分だが、これはどういうホールかにもよるので一概には言えないが、俺としては、そう思っている時点で問題があるように思う。

例えばお客様に「設定6が入るという期待感が感じられない」と思われているのなら、探す意味がないと見限られてるってことだろう。そんな状況で「設定6があるのに!」とか「気付いてもらえない!」なんて、泣き言をほざく前にやることがあるだろうって話だろ? 口汚く本音を言えば、「6を入れたからって一体なんなんだ?」ってことに尽きる。

どんなに6を使おうが、判別要素の低い機械などはスルーされて当たり前だし、お客様が反応されないなら、金を使う価値を感じていないということだ。そこが本質なのに、「使ってるのに」「気付いてもらえない…」なんて、単なる店長のエゴでしかないよ。お客様からすれば、吸い込む設定6なら、誤爆だろうがなんだろうが出玉がある設定1のほうが良いに決まっている。


自店のことを話すと、設定公開ができた当時などは、出玉率に割と忠実な出方をするAタイプか、出玉率の高い機械しか発表していなかった。もっと言えば、そういった機械の設定6でも、もし出ていなければ発表することはなかったよ。当時から、そういうのは店側のエゴでしかないと思っていたからな。

もちろん目玉となる機種に設定6があるということは強烈なアピールになるのは間違いないのだが、設定6を入れたんだからあとはお客さんの責任でしょ? という姿勢で上手くいくほどホール営業は単純ではない。お客様の期待に沿うように設定6を入れるというのはそれだけ難しいのだが、何にせよお客さんのせいにしているようじゃ話にならんってことだ。


次に遊技人口を増やすことについて。ド赤字営業をすればお客様が増えるというのであれば、どんどんやったほうが良いのではないだろうか。しかし、果たしてそれが持続可能性という部分で正しいのかは非常に怪しい。

例えば、ある競合エリアで新店舗がオープンしたとしよう。玉を出して入替やらライターイベントやらをバンバン打っていく。するとそれに呼応して、その地域では激しい出玉合戦が繰り広げられるかもしれない。そうなれば瞬間的には地域が活性化するだろうし、一部のお客様にも恩恵があるに違いない。

では次の段階は? そういう噂が立てば多方面からプロが押し寄せて来るのは間違いないが、その結果として常連客が増えるだろうか? 地元の方でそのホールに通ってくれる可能性が高かったお客さんがそんな競争の中で勝っていけるだろうか?

さらにその状況が進むとどうなるか。当たり前だが、延々と赤字を打ち続けることはできないから、ある段階で、つまり他店の客を取り切ったと感じたあたりから設定を落としていくことになる。それでもお客さんが残ってくることもあるが、基本的にはみるみると客が他店に流出する結果になるだろう。ライバル店はそういう頃合いを見計らって攻めてくるからだ。

そうなったらまた出せば良い…なんて言っていると永久に消耗戦で、早晩に経営は成り立たなくなる。実際、そんな失敗例を地で行って潰れていったホールはごまんとあるのだ。パチンコ店として出玉を作っていくことは大切だが、やはり、やり過ぎれば存続が難しくなるという事実はしっかりと押さえておかなければならない。


ということで、「どれだけ赤字を出すか」よりも「赤字を出す相手」の方が大事だと俺は考えている。プロには悪いが、どれだけプロを避けて一般プレイヤーに勝ち体験をしてもらうかということだな。

そういう意味においては、入替やイベントなど集客のための仕掛けをするとき「以外」でどれぐらい高設定を放り込むことができるかが重要になる。途端に月並みになってしまうが、普段通われているお客様をどれだけ大事にできるかということに尽きるんだと思うよ。


玉を撒き散らすなんてことは、言ってみりゃ安売り行為であって、資本さえあれば誰にでもできること。そんな楽な手法に頼っているようでは、この業界で生きていくことはできないだろう。

まあね、潰れても構わないから玉を出し続けてくれという気持ちは、お客の立場としては分かるけどさ。



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