地域密着とかお客様第一なんて大仰なことを語る前に足元を見つめることが大事

シリーズ名
現役ホールマネージャーだけど、なんか聞きたいことある? (毎週日曜日更新)
話数
第44回
著者
アタマキタ
それでは早速質問に答えていこう。


【ふむふむさんの質問】
そういう客から絞りとって飯が食えてるという事を忘れない方がいいぞ。バカは熱くなるし9回負けても1回勝てば来ちゃうからな。スマートな立ち振舞いで礼儀正しい人は大抵勝ってるからな。もしくは破壊したのは修理業者関係の自作自演の線もあるな。


【回答】
これはご質問というよりご意見かな。恐らく3回前のコラムで触れたトイレの件についてのご指摘だと思う。ふむふむさんのおっしゃる通り、負けた腹いせに破壊行為をやっているとすれば「店が絞り取っているのが原因」というのはあながち間違いでもないだろうし、店を続けていく(=利益を出していく)限りこういう行為がなくなることはないのかもしれない。

何にせよ、こういった状況を放置したまま他のお客様に迷惑を掛けるということだけは全力で避けるようにしている。そのため、物が壊されたとしても、何事もなかったかのように全力で当日に対応するのが基本だ。平気でほったらかしている店もあるが、ほんの一握りの不良客のせいで、楽しく遊技されているお客様に不快な思いをさせたくはないからな。


ちなみに破壊行為についてだが、弁償させてやりたくもなるし、同じ人間が何度も繰り返すようならどうにかして阻止したいと思うのは当然だと思うが、犯人探し意識が強くなっていくのは問題だと思っている。そういう雰囲気はスタッフ心理にも伝播していくもので、警戒心が強くなるとスタッフがお客様を疑ってかかるかもしれない。言うまでもないことだが、お客様を疑うような商売など根本的に何かが間違っているだろう。

そしてこれが大事なことなのだが、こういった部分は「ゴト師」に対するリスクマネジメントに似ているのだ。怪しいからと疑ってかかってはどんどん雰囲気が悪くなるが、かといってなんでもかんでも性善説に立つことはできない。しかし今できるすべての対策を講じることで、不良客が入店しづらい環境を整えるということは可能だと思っている。そしてまさにそういった楽しい店を作っていくことが店舗責任者の大きな責務なのだ。

そして現実問題として、ゴト師に狙われるのは、些細なように見えるのだが、そういった隙が溢れている店舗なのだ。設備に不備がある、スタッフの程度が低い、お客さんの雰囲気が悪い…などなど。だから、機械が変わってもゴトネタが変わっても次のゴト師にやられてしまう。ゴト師に食い物にされれば大きな利益ロスなわけで、出玉も含めたサービス向上などできるような財務状況ではなくなるし、当然、店は弱体化していくだろう。


小言のようになってしまうが、このコラムの読者には若手のホールスタッフも多く居るようだから聞いてほしい。集客とかイベントとか地域密着とかお客様第一なんて大仰なことを語る前に、そういった足もとを見つめられなければ意味がない。バケツの底に穴が空いている状態では、水を汲んでいてもたまるわけはないのだ。

自店のバケツの穴は何に該当するのか? そういうことを考えながら、日々の業務をこなしてもらいたい。



【パチ風にふかれてさんの質問】
ちょいパチについてどう感じていますか?


【回答】
お客様にとって選択の幅が広がること自体は良いことだと思う。射幸性を求めるお客様だけでなく、当たりやすさを求める方もいるだろうから。

そもそも、こういったジャンルの創出はホール側の団体がメーカーに対して要望したことから始まっているのだが…ただ、メーカーには一言いっておきたい! コストを抑えることでそれなりのものになってしまうにしても、きちんとしたオリジナル機を出してほしいのだ。

発売されて半年から1年以上経過した機械の余り部材などを使って作った機械など、人気が出るはずがない。金を使って遊ぶんだから、ユーザーがそんな機械に魅力を感じないのは当然だ。そういう根本的な部分を見直さない限り、このスペックは市場では受け入れられないだろう。ホールとしての扱いも同様である。



【リンダマンさんの質問】
アタマキタさんのホールで北斗修羅の扱いはどんな感じですか? これからの主役になりますか?


【回答】
北斗シリーズのパチスロは、Aタイプを除けば常に大ヒットを飛ばしてきたし、当初不安視された「転生」ですら、一時期は「隆盛を極めた」と言えるほど受け入れられた。その実績はホールにとって非常に大きな魅力だし、出玉性能の部分でリスクを感じていても、北斗シリーズならなんとかなるのでは? という気持ちがあるのは事実。その証拠に今回の修羅も約85000という台数が市場に投下されている。

しかしこれまでとちょっと様子が違っていて、いわゆる「客付きが悪い」状態のままなのだ。これは、ホールとしてはまさかの事態なのだが、これからどういう戦略になるかは店により様々だろう。これから復活すると信じて粘り強く強化を進めるのか、さっさと諦めて次のビッグタイトルに賭けるのか…。流れとしては後者が強い。大量導入したホールでは既に減台に踏み切っているところもあるが、まだ減台していなくても、バジリスクIIIを導入する際に最も撤去される確率が高いのはこの機械だ。


そんな環境下、リンダマンさんからご質問があった、自店での扱いについての話をしよう。

自店では、この機械は総台数の10%弱という導入に抑えた(ちなみに前作の強敵も同じ10%弱の導入)。そのおかげでそれほど大きな痛手にはなっていないが、少しずつではあるが稼働の低下傾向ははっきりしている。

そこでどう扱うか…だが、自店ではこの機械を主力機の一部として考えている。低設定でもポテンシャルの高い出玉を実現していることもあり、まだ諦めたくはないのだ。ちなみに、オープンしてから今まで万枚オーバーが数台出ているが、これはすべて設定1だというから驚きだ。決して自店が設定1しか使わないということではないので、そこは勘違いしないで欲しいが(苦笑)。

いずれにせよ、その設定1以外でも出玉の反応は悪くないため、それなりに中間設定を使っていけば出玉アピールは十分可能。そしてこれから年末から年明けに向けて他所では修羅の減台が加速すると見込まれるため、逆に勝負をかけやすいと考えている。


主役を張る機械というのは、その機械が勝手に主役になるのではなく、店の想いが形として内部から噴出してきてこそ主役になれるんだと思う。そういう意味で北斗修羅は決して簡単な機械ではない。だからこそ、「これからの主役になる」のではなく、「これからの主役にしていく」のだ。そういう気概も持たず努力もせず、ただただ稼働の流れにまかせて大事な機械を適当に扱うようなホールは消えていく運命だろう。後は、赤字が続いたとしてもどれだけ我慢できるか…そこが責任者としての矜持である。



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