新コラム!パチンコユーザー増加のために街角リアル調査!?

シリーズ名
パチンコネクト (毎週日曜日更新)
話数
第1回
著者
夏野仁
昨今、閉店前にもかかわらずデータカウンターが0のままの台を見る機会がしばしばある。読者諸兄も似たような光景をしばしば目にしているのではないだろうか。

現在のパチンコ業界は縮小を続けている。ピーク時のパチンコ人口と比較すると約1/3まで減少した、などという話も聞いたことがある。特に若年層のパチンコ離れが深刻で、業界が抱えている重要な問題の1つとなっている。

そして、それは現在も進行している問題である。

ユーザーが減ると、それだけホールも利益を確保することが困難となる。必然的に還元率も低下し、ボーダーを上回る優秀台を掴む機会も減ってしまう。まさに負のスパイラルだ。


この状況を我々業界側の人間が黙って見ていて良いものだろうか…当然、「否」である。今こそ立ち上がり、ユーザー増加に繋がる施策を打つべきなのだ。
 




編集長 「というわけだからさ、一緒に立ち上がってくれるよね?」

突然呼び出されて、こんな事を言われた。正確には「というわけだからさ」のところから話が始まり、冒頭のパチンコ事情は後で聞いたので、この時は何の話をされているのか全く見当もついていなかった。確かなことは、編集長が途方もなく面倒くさい話をしそうだということだ。正直「帰りてぇ」と思った。

しかしそうもいかなかった。なぜなら自分は新人ライター、発言権もお金もないのだから…。


申し遅れましたが、初めまして。新人ライターの夏野仁と申します。何をするかは後でお話ししますが、無茶ブリからコラムを書くことになりました! 多くの方が「誰やねん!」とツッコミを入れてらっしゃると思うので、軽く自己紹介を。

普段はパチンコ必勝本CLIMAXで新機種ページの解説などを書いています。編集部に入った当初は貴重な男子ライターということで期待されていた(はず)けど、世代も中身も典型的なゆとりな自分が周囲に多大なストレスを与え続けた結果、今ではすっかり編集部で浮いた存在になっています。

そんな未熟者の新人ではありますが、今後とも温かく見守って下されば幸いです。

それでは話を戻します。


競争の激しいこの業界において、ぽっと出の新人ライターが生き抜くのは容易ではない。ただ、先輩方にもらう景品のお菓子でなんとか食い繋ぐ生活を続けてきた中で、ある真理に到達した。それは…

編集長にお金ないアピールをする→しょうがない奴だと景品を取ってきてもらえるようになる→もっとアピールする→そんなに仕事がないならと仕事を回してもらえる…簡単に言えば編集長に媚びまくれば仕事をもらえる確率がアップするということ。

編集長の話は全くもって理解できていないが、何度も媚びてようやく回ってきた仕事だ。ここは瞬時に「はい」と返事してみた。


編集長 「ありがとう! じゃ、街で声をかけて女の子とパチンコ打ってきて」





このオッサンは何を言っているのだろう。40を超えた分別盛りの男性の口から放たれた、まるで大学のサークルの先輩が後輩に言いそうな指令に恐怖を覚えた。きっと編集長は中二病を患っているのだろうな。

編集長 「俺なりにどうすればユーザーを増やせるのか考えたんだよ。そして閃いたわけ」

「はは、はい! 編集長は聡明でいらっしゃいます!」

中二病の編集長を前にすると足が震える。でもブレてはいけない。ここは己の信念に従うのみ。褒める、媚びる、持ち上げる。

編集長 「見ず知らずの若い女の子に初めてのパチンコを打たせたらいいじゃない! って。どう? 俺天才じゃね?」

ドヤ顔で話し続けた。

編集長 「パチンコ市場で特に少ないのが若い女性。逆に考えたら、若い女性にパチンコの魅力が広まったら市場はかなり拡大すると思うんだよ。だから若い女性に打ってもらう。そして楽しさを伝えればいいと思わない? 思うよね?」

理解に苦しむが、相手は編集長。美味しいご飯を食べるためにはイエス。選択肢は存在しない。

「思います!」

編集長 「しかも、ホールに若くて可愛い女の子が増えれば男性客も増える。そうだよね?」

「仰る通り! さすが編集長。その慧眼には畏敬の念を抱かざるを得ませんね」

編集長 「一応言っておくけど、決して若い女の子達がホールに増えて欲しいという下心で思いついたのではないよ。本当だよ。信じてくれるよね!?」

真実は本人しか知り得ないのだが、自分には下心があるように感じられた。

編集長 「実際に打ってもらうことができたら、その内容をコラムとして君に書いてもらおうと思うんだけど、やってみない?」

「ぜひやらせてください!!」

媚びた甲斐があったぜ。企画の趣旨は、あまり…いや、まったく理解していない。ただし給料日まで残り半月もあるにもかかわらず所持金がもう1万円を割っているという現実に目を背けることができず、自然とその返事が出た。後先など考えていなかった。

編集長 「決まりだね! ルールは、街で見ず知らずの若い女の子に声をかけて一緒にパチンコを打ってもらえるように交渉する。成立したら近くのホールで、こちらで用意した3000円だけパチンコを打ってもらい、当たれば勝ち分を渡す(ノリでもOK)。実際に打ってもらったあとは、感想や意見などのリアルな考えを調査して報告する。こんな流れだから」

「分かりました!」

編集長 「じゃあ、後日行ってきてね! 頼んだよ!」


こうして新コラムが始まることになった。

でも、もう後悔してる。それは企画内容のハードさもあるけど、もっと重大な理由があるのだ。

実は、自分は若い女性とのコミュニケーションがとても苦手なのだ。俗にいう「コミュ障」なのである。その原因は高校生の時に遡る。


自分が入学した高校は地元でアホ高校と呼ばれる男子校。猛獣の様にイカツい生徒が大勢いる荒れた高校だったが、自分は特進クラス…アホ校のトップというなんとも中途半端なクラスに属しており、そこは唯一3年間クラス替えがなかった。1つ下の学年から共学になったが、その影響も特になく、外界から孤立して穏やかな高校生活を送っていた。


しかし、学校生活もあと半年で終わるという3年の体育祭の日に事件は起きた。

自分は運悪くジャンケンで負けて体育祭実行委員という役職に就くことになったが、これは他のクラスの人達との共同作業することを意味する。つまり外界の猛獣達と交流しなければいけなくなったのである。

しかし他のクラスの実行委員は比較的穏やかな人ばかりだったので、無事に体育祭を終えることができた。体育祭終了後は実行委員だけの打ち上げというものがあり、ジュースやお菓子が振舞われた。端っこで目立たないように過ごしていると…

「パシャ!」

写メを撮る音が鳴った。音が鳴った方を見ると、ニヤニヤした女子生徒数名がこちらに携帯を向けて立っていた。

そして「先輩、ミスチルの桜井さんに似てますよね!」と、話したこともない女子達に突然絡まれた。自分には桜井さんとほぼ同じ位置に泣きぼくろがあるが、どうやらそれが理由で女子の間で噂されていたようだ。

スカウターが壊れるほどの童貞だった自分にとって、女子とのコミュニケーションなど恐怖でしかなかった。閉鎖された生活に慣れていた自分に女子との正しい接し方が分かるはずもなく、な…なななんなんですか? とナヨナヨした対応を取ってしまったのがいけなかったのだろう。

自分の方が1つ上ということで、最初向こうは敬語も使っていたのだが、溢れ出る童貞臭にチョロくね? と判断したのか、彼女達はどんどん馴れ馴れしくなっていった。しまいには当時大事にしていた、おばあちゃんからもらったひまわりのワッペン付きタオルを奪われ「このグランドマザコン!」と罵られるようになっていた。

1つ下の女子にからかわれて情けない気持ちだったが、明日になればまた平穏な日々が戻る、そう思いやり過ごした。


次の日の昼休み。

これまで穏やかに暮らしていた特進クラスに激震が走った。勢いよく教室の扉が開き、「オラァ、ミスチルどこだー!」と叫びながら女子達が教室に入ってきたのだ。しかも昨日より人数が増えている。

女子達に見つかり恐怖で縮み上がった自分は、四肢を掴み神輿のように担ぎ上げられ、されるがままに奴等の縄張り(教室)へと連行された。


縄張りに到着すると、奴等はかごめかごめをして一緒に遊ぼうと言ってきた。

……!? もっと凶悪な仕打ちを受けると思っていたけど、なんとも可愛らしい提案をするものだ。いくら凄んでも女の子、というより子供の遊びか。

なんて考えは甘かった。自分は円の中でしゃがんで、後ろの正面を当てる役だったのだが、周回している女子が殴る蹴る、そしてヒップアタックや上からまたがりスカートを覆いかぶせるなど、とても嬉し…人の道から外れた行動を取ってきたのだ。


さらに翌日の昼休み。

昨日と同じように連行され、今度は鬼ごっこをしようと提案してきた。

「鬼をやれ! ちゃんと捕まえろよ!」と言われた自分が1人の女子の肩にタッチすると、その女子が「どこ触ってんのよ!」と大声で叫ぶ。すると他の女子達が集まって「このセクハラ野郎!」と罵りながら再び殴る蹴る、そしてヒップアタックやスカートを覆いかぶせるなど、半ボッキしてもおかしくな…とても恐ろしい仕打ちをしてきたのだ。


平穏な日々は失われ、悪夢の昼休みがしばらく続いた。

しかも、連行される姿を見ていた他クラスの猛獣達に「なんであいつだけあんなに女子と遊べんねん」という妬みのような勘違いが広まり、男子達からも廊下ですれ違う時に攻撃されるようになってしまった。学校内で一番ガタイのいい奴に急にマウントを取られたり、1学年下の男子生徒30人くらいに教室内で取り囲まれたり、女子達との恐怖の戯れをきっかけに更なる恐怖体験ををする羽目になったのだ。

女子は女子で、すれ違いざまにスカートを捲ってパンツを見せてくれたり、女子トイレに連れ込まれたり、その行動はさらに嬉し…陰湿なものになっていった。


それ以来、年下女子を前にするとまた罵られるのではないか、恐ろしい事をされるのではないか、とおどおどしてしまう。やっぱり見ず知らずの女の子に声をかける自信なんてない。

でも、もし実戦できなかったらこのコラムはボツになる。編集長の企画をボツにしてしまったら、仕事の依頼は今後しばらく来ないだろう。この仕事は大きなリスクが伴う賭けだな。

でも、声をかけた女性とお付き合いできるかもしれない、はたまたワンナイト的な事もあるかもしれないそんなことを考えていたら下半身が疼いてきた。パチンコの未来なんかより自分の下半身の未来を優先させたい。


…なんてことは少しも考えてません。よりよいパチンコの未来を築くために、このコラムを担当していきます。

次回からは実際に街に出た時の内容を書く予定です。どうか彼女ができますように…じゃなくて、実際に打ってもらえるのか? パチンコユーザーを増やすことはできるのか!? 乞うご期待!!