「ヒキ」とは何か? 今回はみんな大好き「ヒキ」のお話

シリーズ名
町民プールで鮪釣り (毎週火曜日更新)
話数
第27回
著者
ラッシー
今回はみんな大好き「ヒキ」の話。

まず最初に、ヒキなんて非科学的なモノが存在しないことは重々承知している。「ヒキなんてナイからライターがそんなイタい話するな」っていう人もいるかもしれない。ただ、そんなコト言うアナタ! 合コンでモテないタイプの人でしょ! 「USBじゃねーから、USBメモリだから! USBは企画の名前だから!!」って言っている人と一緒(ちょっと違うかもしれないが)。

俺はヒキとかいう非科学的なモノが存在するっていうことを言いたいんじゃない。でも、ヒキという言葉を便宜上使います。

では、俺の言うヒキとは何か。まずは俺のヒキの捉えかたから話そう。


ご存じの通り、パチスロは乱数の取得によって当たり外れが決定する。これが大前提。小役やボーナス(本物のボーナスフラグ)の当否はレバーON時に決められる。それを参照して演出が決まるのだ。

分かりやすいのがジャグラー。GOGO!ランプがペカったから当たりなのではなく、当たったからペカったのだ。パチンコだって大きくは変わらない。デジパチは基本的にはスタートチャッカーに入った瞬間、当たり外れが決するのだ。


パチスロのメイン基板は完全確率抽選なので、誰が打っても変わらない。同じ確率だ。もちろん同一設定であればの話だが。

サブ基板だってそうだ。当たりの確率は状態や設定によって変わるものの、打ち手によっては変わることはない。パチスロは機械ゆえ、打ち手を選ばないのだ。

ちなみにコレが「俺がパチスロを好きな理由」でもある。上手いも下手も関係なく、全ての打ち手に平等。機械には心がナイので、特定の打ち手を贔屓することもナイ。だからこそ向き合っててもストレスにならない。

どんなヒドい負け方をしても「機械だからしゃーない」で済むからね。これが対人のギャンブルやスポーツなら「あいつばっか贔屓しやがって、コノヤロウ!!」となってしまう。


話が脱線したので本筋に戻ろう。

ではなぜ俺は「ヒキ」という言葉を使うのか。それは逆に「完全確率ゆえ」だ。

俺が思うヒキを論理的に言えば「確率の偏り」となる。もちろん実際の確率に「偏る」などという性質はない。しかしレバーを叩いた「結果」として偏るケースは大いにある。

たとえばゴッドシリーズのGOD揃い。ご存じの通り確率は1/8192。地域差や個人差もあるが、パチスロを終日回すと7000〜10000G程度になる。GOD揃いは0.85回〜1.22回引ける計算だ。

だが、完全確率ゆえ8192Gを回しても必ず1回引けるとは限らないし、逆に何回も引く可能性だってある。俺は単純に確率を下回ったらヒキが弱かった、上回ったらヒキが強かったと便宜上表現しているにすぎない。ヒキとかいう未知のパワーを信じているわけではナイのだ。


では人間の「ヒキ弱・ヒキ強」とは何か。

誰かと一緒に打ちに行ったときや動画など「自分が見ているところ」で確率を下回っている人がヒキ弱、対照的に上回っている人がヒキ強となる。

ここまで読んで「なんとツマラナイ解釈だ」と思った人もいるだろうが、そうじゃない。これでも十分ロマンスに溢れている。

「偏る」という性質を持たない確率を結果としてよき方向に偏らせてしまうのだから、俺からするとヒキ強はカッコイイ。理を超越しているのだから。


なんのマンガかは忘れたが、ぼんやり覚えている一文がある。「麻雀は理詰めが9割、あとの1割は人間の及ばない領域」。正確ではないがこんな内容だったと思う。

パチスロも理詰めで立ち回ることが重要だが、それでも必ず勝つとは限らない。ハマリ台狙いやゾーン狙いに徹すれば、トータルでプラスになる可能性はかなり高いが、それでも100%にはならない。そりゃART機のMB拾いなら勝率100%だけどね(そんなこと言うからキミはモテないんだぞ)。


たまに「動画観ました。ヒキ強いッスね!」なんて言われるけど、そんなことない! プライベートで俺がどれだけヒドい目に遭ってるか分かるか! アナタたちには分からないでしょうね!! …取り乱してスミマセン。動画で派手に魅せているヒキ強の出演者も、見えないところでヒドイ目に遭ってると思いますよ。

ちなみにライター・動画出演者という仕事を十余年続けてきて感じたのは、なぜか「カメラが回ってるときだけヒキが強い」ってこと。

たとえばなにかの特化ゾーンに入ったとき「このエラそうな特化ゾーン、全然乗せませんから」って保険を掛けるような発言するんだけど、信じられないくらい爆乗せするんですわ。「いや待って、これこんなに簡単じゃないの! 今までこんなに乗せたことないの!」みたいな展開がよくある。動画だとね。

でも動画出演者にとってはコレで正解だと思う。プライベートなんて確率を下回ってもOK。カメラが回ってるところで確率を上回る「魅せる能力」が必要なのだ。


ここからは完全にオカルティックな話になるけど、俺が尊敬しているライターの先輩方は、その「魅せる能力」が尋常ではない! 「は? そんな能力存在しねーよ!」と思うでしょ。それでいいよ、それが正しい反応だ。だが、俺はこの目でそれをイヤっていうほど見てきた。

たとえばこんなケース。

ディレクター「今日の収録は6時間なんですけど、フリーズ引けたらいいッスね(キャピ!
)」

俺「えぇ…(引けるワケねーだろ! 1/655536だぞ! 6時間でって、算数もできねーのかよ!)」

先輩「了解ッス! 頑張ります!!」

俺「エッ!?」

そして収録中——

パチスロ「プチュン♪(暗転)」

先輩「あ、フリーズっすね〜」

俺「!!(おい、ウソやろ…まだ打ち始めて2時間で…)」

パチスロ「プチュン♪(暗転)」

先輩「わ〜またフリーズっすね!!」

俺「バケモンかよ!!!」←声に出ちゃった

たった数時間の収録でサラッと要求された画を撮って、涼しい顔で帰っていく先輩方。これが1回や2回なら「確率の偏りだし、そんなこともあるやろな」で済むけど、これをしょっちゅうヤラかしてる人たちがいるんですわ。ホントにスターなんだなと、ただただ感心するばかり。

要求された画をスグに提供する。これってやろうと思ってできることじゃないけれど、だからこそ、やれる人はスゲェなと思うわけですよ。


しょっちゅうパチスロを打っていれば、確率が上に偏ることも下に偏ることもある。誰だってヒキ弱だし、誰だってヒキ強なのだ。もちろん普段やってる理詰めの立ち回りを披露する出演者も素晴らしいと思うよ。

もしもこんなくだらない話が好評であれば、いつか俺が見てきたバケモンのエピソード、そして自分に起こった収録中のスゴい話を書こうと思う。