人生で1番震えた日は「競馬で30万円の1点買い」という暴挙

シリーズ名
とら × パチ (毎週火曜日更新)
話数
第30回
著者
たいがー山本
※2016年夏の特別企画「人生最大の大勝負」というテーマで書いています

まいど! たいがーです。

今回はお盆特別企画ということで、このパチ&スロ必勝本コラムのライター陣が同じテーマで執筆することとなりました。そこで与えられたテーマは「人生最大の大勝負」。しかしこのテーマを聞いて、俺は正直困ってしまいました。というのもパチンコライターなのですからきっと日々のパチンコ稼働の中で大勝負した時のことを読者さんは期待されていると思ったからです。

でも、俺にはパチンコでそんな大勝負をした記憶が全くと言っていいほどありません。まあね、CR機の創世記にCR黄門ちゃまで1週間、毎日10万負けが続いた…なんてことはありましたが、それは俺的には大勝負に出たという気持ちを持ってないのが本音です。

そもそも俺としては「大勝負=一発勝負」というイメージが強いので、パチンコで大勝負なんて出来ないんじゃないかと思っているわけです。そりゃ「カイジの沼」みたいなパチンコ機があれば大勝負なんでしょうけどね(笑)。


先日、編集部に訪れた時のこと。運留ボスらとお昼ご飯を食べている時に女性ライター陣が麻雀の話題で盛り上がってたんですね。そこでボスがこう聞いてきたのです。

「そういえば、たいがーさんは麻雀はしないんですか?」

この質問に、俺はこう答えました。

「俺、ギャンブルは一切しないんで…」

決して粋ったわけではないのですが、今思えば言い方がマズかったかもしれません。この発言を近くで聞いていた編集スタッフらから「パチンコはギャンブルじゃないですか!!」とか「麻雀はお金を賭けなければ健全なスポーツです」といった苦言を頂戴しました。それに対して火に油を注ぐかのごとくまたこう言い返したのです。

「俺にとってのパチンコは仕事なんです!」

ちょっとええかっこ言い過ぎましたかね(汗)。

で、その話の流れで麻雀はしないけど、過去に競馬はハマっていた時期があり、あるレースを境に競馬をヤメた、という話をしました。

そんなわけで、そのきっかけになった出来事を今回お話したいと思います。


時を遡ること1987年。今から29年前ですね。当時はまだ駆け出しのプロとして粋がっていた時代です。主に「スーパーコンビ」という一発物を毎日打っていて、1日に悪くても5台はいてこまして「パチンコは釘さえ見切れば負けないギャンブル。いや、絶対負けないんやからギャンブルじゃない!!」と豪語しまくっていました。いやはや、ほんまに粋がっていたなと思います(笑)。

そんな時に同年代の同業の奴から競馬を勧められたんです。俺は全くのド素人ですから単勝や複式といった言葉も知りません。そんな俺にそいつは丁寧に教えてくれ、気づけば遊び程度で馬券を買うようになっていました。そして最初のうちは1000円単位だった勝ちが、たまたまツキが良かったことで2万くらい勝てるようになり、そこからは週末になると待ってましたとばかりに難波の場外馬券売場に足繁く通うようになったのです。

『騎手を中心にとか色々な買い方があるんやな。厩舎と競馬場との関係性もあるとか、なかなか奥が深いぞ』

勝っていると更に研究したくなるものです。挙句の果てには統計で連勝複式なら3枠を仮に軸にするならどの枠が絡みやすいとか、パチンコ的に言えばオカルトにも手を出していました(笑)。

しかし、そんなもので勝ち続けられるはずもなく、最終的には大きくマイナスしているという結果に。それを見かねた先述の奴がある日、俺にアドバイスしてきたのです。

「山ちゃん! オグリキャップっていう凄い馬がおるねん。こいつを買えば絶対負けへんで!!」

俺は半信半疑ながら地方競馬から中央に鳴物入りで登場したこの馬に投票してみました。すると圧勝ともいえる勝ちっぷり! もう一気にファンになり、それからはオグリキャップが出馬するレースには平気で3万はぶち込むようになりました。

『こいつを軸にするのは確定やけど絡んでくる馬の選択が難しい…』

俺の悩むところは毎回そこだけ。当時の投資上限は3万と決めていたので、3点買いするか更に細分するかで悩み、またその配分率で収益に大きな差が出るので手堅い対抗馬に大きく配分することが多かったと思います。

そしてそんな戦略がたまたま上手くハマりそれなりの金額を手にするようになると、調子に乗って他のレースでもちょっとした冒険をしてしまうように。しかしながら、そんなことをしていると当然のようにお金は残らずトータル収支は負け越し。この繰り返しに嫌気がしていた時に歴史に残る名勝負、俺の人生で1番の大勝負を迎えることになったのです。


「山ちゃん!! タマモクロスとオグリの一騎打ちやでっ!!」

この一言でお気づきの方もいるのではないでしょうか? そう、第33回有馬記念です。このレースには、オグリキャップをはじめ、オグリと同等、いや、それ以上の強さを誇るタマモクロス、他にもスーパークリークやサッカーボーイという強いライバルも出走していました。

『よしっ、オグリとタマモで決まりやなっ!!』

この2頭以外にサッカーボーイが単枠指定される中、オグリキャップの強さに魅了され勝たせてもらっていたことからオグリを信じ、初めて1点買いをすることを決意しました。しかもこれまで決めていた投資上限の10倍、30万円の1点買いに出たのです。

『念のためサッカーボーイも絡めた方が…』

弱気が襲い掛かるのを必死に振り切り、場外馬券売場で恐る恐る1点勝負馬券を購入。そしてそのまま場外馬券売場をあとにし、自宅に戻りました。なぜなら、場外馬券売場で観戦するほど気持ちに余裕がなかったんです。

帰宅途中、何度も早まったことをしたと思ったことか。そんな状態で自宅に戻っても気持ちが落ち着くはずもなく、気を紛らわすためにとりあえずビールを。期待と不安が入り交じるこの状況に胃もキリキリと痛み出し、キャンセル出来るならそうしようかとも考えました。しかし時間は刻々と過ぎ、とうとう出走時間を迎えることとなりました。

その頃には、俺は酔っぱらってヘロヘロ。もう空けた缶ビールの本数も分からなくなっていました。それでもゲートが開いた瞬間から不思議と脳みそは覚醒し、ブラウン管の中に映し出される2頭を必死で追います。次第に手には汗が滲み出し、3コーナーを過ぎたあたりから胸が苦しくなって呼吸もままならない程。

『来た、来た、そのまま行け〜!!』

4コーナーを回り、最後の直線に入ったところで先頭争いをするのはオグリとタマモ。しかし、その時の俺は先頭争いの2頭より3番手に位置するサッカーボーイを睨み付けていました。

『上がってくるな、絶対来るなよ、頼むっ!!』





『やった! やったぞ!! これ、配当いくらになるねん!?』

当時、サッカーボーイを買っていた方には申し訳ありませんが、綺麗に2頭がゴールを駆け抜けた瞬間、3着のサッカーボーイに心底感謝しました。そしてその安堵感のまま、さっきまでとは一味違う缶ビールを。至福のひとときを堪能させていただきました。


その翌日、勝ち金を手にしパチ仲間らと焼肉へ。当然、全て俺の奢りです! そんな中、みんなそれぞれに来年の展望を語り出したのですが、俺の口から出た言葉は…

「これで負けも取り戻してプラスになったから、もう競馬はヤメるよ」


この時以来、競馬はやっていません。結果的に有終の美を飾ってヤメたみたいな感じですが、「勝っているところでヤメる」というギャンブル勘はもしかしたらこの時に身に付いたのかもしれませんね。


ほな、また来週!

それまでじゃんじゃんバリバリ稼いでや〜!!