人生には負ける可能性が高い勝負でも勝負しなければいけないことがある

シリーズ名
悪☆味の『ちょっといい話(仮)』 (毎週日曜日更新)
話数
第19回
著者
悪☆味
※2016年夏の特別企画「人生最大の大勝負」というテーマで書いています

パチスロはギャンブルである。

論理的な立ち回りをしていれば、長い目で見て必ず勝てるのだからパチスロはギャンブルではない、と言う者もいる。

ただ自分としては、運の要素が介在するかぎりパチスロはギャンブル、として捉えている。

『大勝負』という言葉は、勝てるかどうかわからない、むしろ負ける可能性のほうが大きい勝負の時に使うほうがしっくりくる。そういった意味では、俺は常に勝つつもりでパチスロを打っているので、大勝負にはあてはまらない。

そりゃね、10代の頃とかは有り金をすべてパチンコ・パチスロに突っ込む、なんてものをしたこともあるけど、それだってたとえ負けても別に人生が変わったりしてしまうほどの大打撃ではない。

射幸心がどうのこうの言われてますけど、なんだかんだでパチスロは大衆娯楽なわけですよ。自分のような人間にとっては、ちょうど良いギャンブル。


いつも言っているように、ギャンブルとしてのパチスロ、その最大の美点は投資金額に限度があることだと思う。投資金額をほぼ無制限に釣り上げることができる他のギャンブルとは、その面で大きく違っている。

だからこそ、俺はパチスロ以外のギャンブルをやらない。熱くなりやすい性格ではないのけど、とことん負けず嫌いなので、他のギャンブルにのめり込んでしまうと危険だというのを自覚しているから。


そんな自分にとっての『人生最大の大勝負』となると、もう生き方そのものが大勝負と言いたいところなんだけどね。

好きなように生きてきて、やりたくないことはやらない。それでここまで来れているんだから、それこそギャンブルに勝ち続けているようなものだと思う。

就職が決まっていたにもかかわらず、辰巳出版に履歴書を出して編集部員として雇ってもらい、その仕事も1年で辞める。で、これでプータローになるんだろうなと思っていたところで、ライターへの転身を勧めてもらい、そのまま現在に至るわけだ。

いや、そのままと言っても、途中3〜4年ほど仕事を休ませてもらったり、昨年には攻略ライターを辞めて誌上プロとして仕事をさせてもらうようになったり。まぁいろいろありましたけど、そんなフラフラしている人生ですから、それ自体がイチバンの大勝負なのかもしれない。

とはいえ、自分がそれを『人生最大の大勝負』として意識しているわけではないので、今回のお題には適さないだろう。

そう考えると、自らが意識しての大勝負、それも負けるかもしれないというリスクを感じての大勝負となると、やはりライターの仕事を休んでいるときのことになるのかな、と。


休業中は当コラムを含めた本当に僅かな仕事しかしていなかったので、当然、収入なんてほとんどなかったわけですよ。仕事復帰後、何人かに『どうやって生活していたの?』って聞かれたけど、そういう疑問をもたれるのも当たり前だと思う。

なんとか貯金を切り崩しながらやっていたよ…そう答えてはいたし、実際、それに嘘はない。こう見えても仕事は真面目にやってきたし(笑)、あまり物欲とかもないので、数年の生活をやり過ごせるくらいの貯金はありましたからね。

ただ、休業の理由自体がちょっと問題で、詳しくは書かないけど生活費以外にも莫大なお金が必要だったんですよ。そっちが優先事項だったので、それに貯金を充てるとして、そうなるとやっぱり生活費をどうにかして捻出しないと厳しい。

それでも、仕事をしたりパチスロを打ったりできる状況ではなかったので、さてどうしよう…となったわけだ。


そこで、俺の起こしたアクションというのが『投資』だったわけです。客観的に見ると、これが『人生最大の大勝負』だったんでしょうね。

投資というのは、株取引や為替取引(いわゆるFX)のこと。もちろん、俺は初心者も初心者でした。

でも、どうにかお金を稼がなくてはならないので、そんなことを悩んでいる余裕もなかったし、思いついたときには速攻で口座を作り、取引を始めてましたね。

特にFXは時間的な制約がほとんどないという部分で、俺の状況にぴったりでした。

週末を除けば24時間取引が可能で、また携帯さえあれば外出先でも取引ができる。そして、基本的にFXは証拠金取引といって、自分の持っている何十倍ものお金を運用することができるんですよ。

ここはパチスロのサイトなので詳しくは書きませんけども、まぁ1枚20円のコインを、たとえば1枚1000円のレートで投資できるようなものかな。いや、理屈はまったく違うんだけど、リスク的にはそんな感じ。

当時はそれこそ数千万円から1億円くらいに相当する取引をしていましたからね。

もちろん、結局は自分の持っている金額分の負債が出た時点で終了なんだけど、いま思えばまぁ相当なリスクでしたよ。だって、それにほぼ全財産を投資していたわけですからね。


結果としては、少しずつ勉強しながら投資を続けて、最終的には生活費を賄うくらい利益を出せたので今があるわけです。

タラレバではあるけど、もしそこで負けていたら自分はどうなっていたんだろう。でもね、不思議とそのときは負けることをほとんど考えなかったんですよ。

そう考えると、本当の意味での大勝負を、俺はまだ体験したことがないのかもしれない。負ける可能性は大きいけれど、ここは勝負しなきゃいけないといった勝負を。

誰しも人生で一度くらい、そんな勝負の場面が訪れるのでしょうね。俺も遠くない将来、勝負のときをむかえるような気がしている。それでも俺は負けないですけどね(笑)。


パチスロでは堅い勝負をしているイメージがあるかもしれないけど、性根の部分では完全なるギャンブラー気質なんですよ。

ただし、勝つか負けるかギリギリの勝負を好む破滅型のギャンブラーではなく、勝つことを前提としてギャンブルに身を置いていたいというタイプ。だからこそ、パチスロも勝つための準備は怠らないようにするし、他の勝負事でもそれは同じ。

FXなどの投資に手を出したのは想定外だったけど、これから先の人生でどんな勝負をすることになっても、俺はそれに勝つために最善の準備と努力をするだけです。

負けてもそこから這い上がれるような気概のある人間もいるけど、俺は一度でも負けるとそこで終わってしまうタイプだろうからね(笑)。