フリーライターになって感じる「井の中の蛙、大海を知らず」

シリーズ名
『脱サラ』さやかの写蓄生活 (毎週木曜日更新)
話数
第33回
著者
さやか
担当さんからお盆の特別テーマとしてこのお題を聞いた時、すぐに思いついたのは"会社を辞めてフリーライターになったこと"でした。

どう考えてもコレしか思い浮かばないにもかかわらず、担当さんには「そんな出来事なかなか思いつきませんねぇ」なんてことを言って誤魔化していました。

というのも、頭の中でフリーになったことをテーマに文章を考えてみると、どうしても暗く、ネガティブな内容になってしまうから。

普段のコラムで書いている「"うんこちんちん"って、言葉の響きだけだと"おかわりちょうだい"って意味にも聞こえるよね!」みたいな下ネタバカ文章に慣れている読者さんからしたら、いきなりの変化にビックリしてしまうのではないかと心配だったのです。

もしフリーになったこと以外で他にネタになるものがあればそっちに変更しようと、返事を渋っていました。

しかし締め切りが近くなってもやっぱり他に思いつくことがなく、担当さんにそのことを正直に伝えてみました。すると「テーマがテーマだし、必ずしも面白おかしく書かないといけない…と考えなくてもいいんじゃないですか?」という、当たり前だけど気付くことが出来なかった言葉が。往年の楠田枝里子ばりに「なるほど!!」と納得したのです。

これまでは「フリーになった理由は?」と問われた時にフワッと濁して答えていたのですが、今回は正直にその理由を書いてみたいと思います。


2003年、編集部にアルバイトとして入社し、その数年後に正社員へ。基本的には雑誌の編集がメインの仕事で、月〜金まで働いて(仕事が終わらない場合は休日出勤もありましたが)固定給をもらっていました。

DVDやCS放送などの動画の仕事や誌面でのコラム、ホールでの実戦取材など、いわゆるライターがやるような仕事も編集とは別にやっていましたが、社員なので全てノーギャラです。

でも、これは私が好きでやっていたこと。「ノーギャラでやらされていた」のではなく、「ノーギャラでもいいからやりたかった」んです。嫌なら断って編集作業に専念すればいいだけの話ですが、私はこっちの仕事にやりがいを感じていたので積極的に引き受けていました。

しかし、周りの人の優しさもあって「ノーギャラで頼むのも申し訳ないから他の子にするね」ということがあったり、雑誌の締め切りの編集作業で動画の仕事を断ることなどが多くなり、自分の中でモヤモヤすることが増えてきました。

「自分が1番やりたいのは何なのか」と考えてみて、まっ先に思いついたのはライター業。それに気付いた時、社員を辞める決意をしたのです。初めて辞表を書いたときは変に緊張しました。グーグルで辞表の書き方を検索して、見よう見真似で書いたっけなぁ…。


そういったわけで、社員を辞めてライターに転身したわけですが、フリーランスではなく会社の「所属ライター」になる道もありました。元上司の方にもそういう風に提案してもらいましたし…正直なところ、最初は私自身もそうする予定でした。

では、何故フリーになったのか。それは知人からの「所属ライターであれば定期的に仕事も入ってくるし、プロモーションも会社がしてくれるから安定はしやすいよね。だけど、今までとあまり変わらないよ」というアドバイスが大きいです。

元々変化を好むタイプではないので今までと変わらなくても良かったのですが、当時はもう30歳を過ぎたいい年齢。

あと数年もすると「若い子をメインで使いたいけど、お局さやかさんもいつも通り入れてやった方がいいかなぁ」みたいな、キャリアがある分扱い辛い立場になるのではないか…と思ったわけです。変化がないことで、逆にマイナスな要素を生みそうだなと。


と、そういった考えがあってフリーになったわけですが、いざフリーになってみると「井の中の蛙、大海を知らず」という言葉を強く感じました。今まで会社がやってきてくれたことが、いかにありがたかったことか…!

最初の頃は1人でどうしたらいいのかわからなくて、蛙は海で溺れましたもの。まあ、未だに漂流してますけど。

1番困ったのはコレです。

「おいくらで引き受けてくれますか?」

まったくわかんねーーーー!!!!

今までギャラ交渉なんてしたことないし、固定給だったから仕事ひとつとっても相場もわからないんですよ…。適当な額を言って、「カモだな!」と思われるのも「天狗だな!」と思われるのも嫌なので、人間と思ってもらえる金額を会話の中から探るようにしています。

月末に提出する請求書も今までやっていなかったことの1つ。いっぱい書いたときにはがんばったなと思えるし、少なかったときには危機感を覚える。いわゆる仕事のモチベーションになるのでこの作業は好きです。

昔、ブログ用に描いたんですけど、いつの日か


こんな風に言えるようになれたらなぁ…。


そんなわけで、昔と比べると確実に茨の道を進んでいるのですが、気持ち的には意外とスッキリしています。

今まで自分でやらなかったことをやるようになり、人間的にスキルアップしていることを感じるからなのかな。仕事が少ない時は自分の実力不足として反省できるし、それで逆にやる気が出たりしますしね。


…とまあ、こんな経緯で「フリーライターになる」という、私にとって人生1番のギャンブルをしました。「しました」というより、現在進行形で「しています」といった方が正しいのか。

では、このギャンブルは成功したのかと言うと、今のところはまだ失敗の部類だと思います。でもこのギャンブルは23時に閉店することもなく、この先もずっと挑戦出来るものなので、巻き返しを夢見てこれからもガムシャラに技術介入(努力)をして勝利を目指します!


あと結婚というギャンブルにも一度失敗してるので、コレも巻き返す予定だよ☆