妙に納得できる「全ての事象はレバー&フラグに繋がっている論」
- シリーズ名
- 町民プールで鮪釣り (毎週火曜日更新)
- 話数
- 第19回
- 著者
- ラッシー
東海地方での取材を終え、地元に帰って来たときのこと。長旅で疲れてはいたが、時計を見るとまだ19時50分。これはもうホールに入らざるを得ない。
大きな荷物をコインロッカーに叩き込み、流れるようにノーマルタイプのシマへ。ハナビで600枚ほどの出玉を作り、ボーナス合算が高設定域のサンダーVリボルトに持ち玉移動。
データ表示器を見るとスグにヤメられた理由が分かった。たしかにREG6連はキツい。だが、ここから打つ俺には関係ない! むしろ高設定の可能性が高まったともいえる! いただきます!!
すると案の定150枚くらい使ったところでBIGが当選。その後もハマることなく順調にREG→BIG→REG→REG…と繋がっていく。
この台の総ゲーム数はすでに6500Gを超えている。それでいてボーナス合算出現率が約1/130なのだからおそらく高設定なのだろう。
「はい出ました、ちょっと出るとスグ高設定って言うヤツ!」って思った人もいるだろうが、この店は普段からノーマルタイプによく高設定を使っている傾向があるので、特別珍しくもない。
ノーマルタイプのシマで他誌のライターに会うことも多く、最近は「ノーマルタイプといえばこの店」という存在になりつつある。
このまま閉店までユルユル遊べたら…なんて思っていると、突然試練が訪れる。ボーナス合算出現率がほぼ同じ隣の台が空いたのだ!
隣の台は約4600Gで、ボーナス合算出現率が約1/131。対する俺の台は約7000Gで、ボーナス合算出現率が約1/130だ。
ボーナス出現率が同等なのだから、よりサンプルゲーム数の多い俺の台を打ち続けるのが定石。それが正しい。だが、俺には1つ気掛かりなことがあった。スランプグラフである。
俺の台のスランプグラフは大きく上下していた。大きな急降下を2回、そして大きな急上昇を2回。安定感の欠片も感じられない。紆余曲折を経てのボーナス合算約1/130なのである。
対して隣のスランプグラフは、一点の曇りもない美しい右肩上がり。緩やかではあるが、安定している雰囲気だ。
「ぐぬぬ…つい露出度の高いギャルに目が行っちまうが、ここは清楚系黒髪優等生だろ!!」
そんなわけで実績十分の台を捨て、隣の台へ持ちコイン移動。そしてスグに事件は起こった——。
俺がヤメたギャルの台(さっきの台)に、スグさまサラリーマン風の男性が着席。そら当たり前だよね、ボーナス合算が約1/130なのだから。そしたら1G目に予告音が鳴り、見事、中段にリリベ(リーチ目)が停止!!!
俺「ふぅ〜わ…」
心の中だけで「うわ〜」と言うつもりが、抑えきれず声が漏れ、それでもどうにか抑え込もうとしたから「ふぅ〜わ…」になった。嫉妬もあるがそれよりも驚きのほうが強い。
ちなみに「リーチ目捨てたんじゃね?」って思った人もいるだろうが、ヤメる際に1枚掛けの逆押しでボーナスチェックをしたからソレはナイ。
どんなに強がってもショックはショック。だが、この「ヤメた次ゲームでリーチ目出現」という事象は俺となんら関係がナイ。
あのサラリーマン風の彼がレバーを叩いたからこそボーナスが当たったのであって、俺が叩いていたら同じ結果になっていたわけではナイのだ。もちろん同じ結果になっていた可能性も有り得るが。
規定ゲーム数到達で当たるシステムならやっちまった感はある。しかし完全確率抽選のモノであれば気にしたってしょうがない。
この完全確率論はドライだが、パチスロと長く付き合っていくうえでは欠かせない。この完全確率がイヤなことも嬉しいことも引き起こす。
たとえば収録でよくあるこんなシーン。調子良く出ているのに、昼休憩を取らねばならない状況だ。
正直「こんな局面で昼休憩とるの? この勢いのまま打ち続けたい!」と思うのだが、収録で昼休憩を無視することはできない。スタッフさんのご飯を抜く「メシおし(業界用語)」はご法度だ。
どんな状況であれ、ご飯休憩をとるのは収録現場の鉄の掟。仮に出演者だけが打ち続けたら、良いシーンを撮り逃す恐れもある。
休憩を終え実戦再開——。そしてプレミア役なんかを引いたりすると思うのである。「ああ、休憩とってよかったなぁ〜」と。
完全確率抽選の「乱数」というのは、いくらタイミングを計ってレバーを叩いても、決して狙えるものではナイ。昨今のパチスロは単純に乱数を拾うシステムではナイからだ。
だが俺は、そのときにそのタイミングでレバーを叩いたからこそ、そのフラグに出会えたと考えるタイプなのだ。
開店前に乗る予定の電車が遅れるのも、盛り上がってきたところでホッパーエラーが起こるのも、全てイヤ。イラッとする。だが、それらが積み重なってこのタイミングでレバーを叩けたからこそこのフラグを引けたんだ。そう思うと何もかもが許せるようになる。
元カノからワケも告げられずフラれたことも、ザ・戦力外とかいうク〇みたいな動画企画に呼ばれたことも、全てこのフラグに繋がっていた…そう思えば、過去の事象全てに感謝したくなる。
くしゃみをしてレバーを叩くタイミングがズレた、メダルを拾ってレバーを叩くタイミングがズレた。一見関係なさそうなこれらの事象は全て繋がっている…のかもしれない。
1番スゴかったのは、とある収録で打った「パチスロ蒼穹のファフナー」だ。
ART中に押し順をミスってしまい、RT状態が転落。ARTゲーム数は減らなかったが出玉が若干減ってしまい、これはマイッタなと思っていたらRT状態復帰直後に乙姫チェリー(1番偉いレア役)成立である。
ペナルティ状態は抜けていたので、恩恵をフルで受けられた。もし押し順をミスしていなかったら、すでにARTは終わっていたハズである。押し順をミスしたからこそ、ART中という最高の状況下で乙姫チェリーを引けたのだ。そう、全ては繋がっているのである。
この「全ての事象はレバー&フラグに繋がっている論」を某有名ライターに話したら、「俺も全く同じだと思ってるよ」とのこと。あれ!? 案外珍しくない考え方なのか!?
だから、負けてもフラれても気にすんなよ。今日負けたからこそ、あのときフラれたからこそ、明日スゴいプレミアフラグを引けるかもしれないから。
そういえば件のサンダーVリボルトの出玉は全部ノマれたよ。閉店目前でね。
大きな荷物をコインロッカーに叩き込み、流れるようにノーマルタイプのシマへ。ハナビで600枚ほどの出玉を作り、ボーナス合算が高設定域のサンダーVリボルトに持ち玉移動。
データ表示器を見るとスグにヤメられた理由が分かった。たしかにREG6連はキツい。だが、ここから打つ俺には関係ない! むしろ高設定の可能性が高まったともいえる! いただきます!!
すると案の定150枚くらい使ったところでBIGが当選。その後もハマることなく順調にREG→BIG→REG→REG…と繋がっていく。
この台の総ゲーム数はすでに6500Gを超えている。それでいてボーナス合算出現率が約1/130なのだからおそらく高設定なのだろう。
「はい出ました、ちょっと出るとスグ高設定って言うヤツ!」って思った人もいるだろうが、この店は普段からノーマルタイプによく高設定を使っている傾向があるので、特別珍しくもない。
ノーマルタイプのシマで他誌のライターに会うことも多く、最近は「ノーマルタイプといえばこの店」という存在になりつつある。
このまま閉店までユルユル遊べたら…なんて思っていると、突然試練が訪れる。ボーナス合算出現率がほぼ同じ隣の台が空いたのだ!
隣の台は約4600Gで、ボーナス合算出現率が約1/131。対する俺の台は約7000Gで、ボーナス合算出現率が約1/130だ。
ボーナス出現率が同等なのだから、よりサンプルゲーム数の多い俺の台を打ち続けるのが定石。それが正しい。だが、俺には1つ気掛かりなことがあった。スランプグラフである。
俺の台のスランプグラフは大きく上下していた。大きな急降下を2回、そして大きな急上昇を2回。安定感の欠片も感じられない。紆余曲折を経てのボーナス合算約1/130なのである。
対して隣のスランプグラフは、一点の曇りもない美しい右肩上がり。緩やかではあるが、安定している雰囲気だ。
「ぐぬぬ…つい露出度の高いギャルに目が行っちまうが、ここは清楚系黒髪優等生だろ!!」
そんなわけで実績十分の台を捨て、隣の台へ持ちコイン移動。そしてスグに事件は起こった——。
俺がヤメたギャルの台(さっきの台)に、スグさまサラリーマン風の男性が着席。そら当たり前だよね、ボーナス合算が約1/130なのだから。そしたら1G目に予告音が鳴り、見事、中段にリリベ(リーチ目)が停止!!!
俺「ふぅ〜わ…」
心の中だけで「うわ〜」と言うつもりが、抑えきれず声が漏れ、それでもどうにか抑え込もうとしたから「ふぅ〜わ…」になった。嫉妬もあるがそれよりも驚きのほうが強い。
ちなみに「リーチ目捨てたんじゃね?」って思った人もいるだろうが、ヤメる際に1枚掛けの逆押しでボーナスチェックをしたからソレはナイ。
どんなに強がってもショックはショック。だが、この「ヤメた次ゲームでリーチ目出現」という事象は俺となんら関係がナイ。
あのサラリーマン風の彼がレバーを叩いたからこそボーナスが当たったのであって、俺が叩いていたら同じ結果になっていたわけではナイのだ。もちろん同じ結果になっていた可能性も有り得るが。
規定ゲーム数到達で当たるシステムならやっちまった感はある。しかし完全確率抽選のモノであれば気にしたってしょうがない。
この完全確率論はドライだが、パチスロと長く付き合っていくうえでは欠かせない。この完全確率がイヤなことも嬉しいことも引き起こす。
たとえば収録でよくあるこんなシーン。調子良く出ているのに、昼休憩を取らねばならない状況だ。
正直「こんな局面で昼休憩とるの? この勢いのまま打ち続けたい!」と思うのだが、収録で昼休憩を無視することはできない。スタッフさんのご飯を抜く「メシおし(業界用語)」はご法度だ。
どんな状況であれ、ご飯休憩をとるのは収録現場の鉄の掟。仮に出演者だけが打ち続けたら、良いシーンを撮り逃す恐れもある。
休憩を終え実戦再開——。そしてプレミア役なんかを引いたりすると思うのである。「ああ、休憩とってよかったなぁ〜」と。
完全確率抽選の「乱数」というのは、いくらタイミングを計ってレバーを叩いても、決して狙えるものではナイ。昨今のパチスロは単純に乱数を拾うシステムではナイからだ。
だが俺は、そのときにそのタイミングでレバーを叩いたからこそ、そのフラグに出会えたと考えるタイプなのだ。
開店前に乗る予定の電車が遅れるのも、盛り上がってきたところでホッパーエラーが起こるのも、全てイヤ。イラッとする。だが、それらが積み重なってこのタイミングでレバーを叩けたからこそこのフラグを引けたんだ。そう思うと何もかもが許せるようになる。
元カノからワケも告げられずフラれたことも、ザ・戦力外とかいうク〇みたいな動画企画に呼ばれたことも、全てこのフラグに繋がっていた…そう思えば、過去の事象全てに感謝したくなる。
くしゃみをしてレバーを叩くタイミングがズレた、メダルを拾ってレバーを叩くタイミングがズレた。一見関係なさそうなこれらの事象は全て繋がっている…のかもしれない。
1番スゴかったのは、とある収録で打った「パチスロ蒼穹のファフナー」だ。
ART中に押し順をミスってしまい、RT状態が転落。ARTゲーム数は減らなかったが出玉が若干減ってしまい、これはマイッタなと思っていたらRT状態復帰直後に乙姫チェリー(1番偉いレア役)成立である。
ペナルティ状態は抜けていたので、恩恵をフルで受けられた。もし押し順をミスしていなかったら、すでにARTは終わっていたハズである。押し順をミスしたからこそ、ART中という最高の状況下で乙姫チェリーを引けたのだ。そう、全ては繋がっているのである。
この「全ての事象はレバー&フラグに繋がっている論」を某有名ライターに話したら、「俺も全く同じだと思ってるよ」とのこと。あれ!? 案外珍しくない考え方なのか!?
だから、負けてもフラれても気にすんなよ。今日負けたからこそ、あのときフラれたからこそ、明日スゴいプレミアフラグを引けるかもしれないから。
そういえば件のサンダーVリボルトの出玉は全部ノマれたよ。閉店目前でね。