ホルコンで出玉を制御できるなら、こんな楽な商売はない

シリーズ名
現役ホールマネージャーだけど、なんか聞きたいことある? (毎週日曜日更新)
話数
第17回
著者
アタマキタ
今回も質問に答えていくぞ!


【take2さんの質問】
単刀直入、簡潔に聞きます。

パチもスロも新内規の機種が続々登場していますがお客さんって、増えました? 減りました?


【回答】
それでは単刀直入、簡潔にお答えします。

ズバリ、微減しているという感じかな。新台に対するお客様の喰い付き自体は悪くないのだが、やはりヤメるまでの時間が早い傾向にあるんだよな。

スロットに関して言えば、最近はプレミア系のフラグを引いても大して枚数が出ないで終わってしまうものが多い。要は「プレミア=爆裂契機」ではなく、「プレミア=爆裂のチャンス」という感じ。そうなると投資意欲が落ちてしまって、結局定番の人気機種に戻ってしまうんだよな。

そんな状況を改善しようと設定を使ってみても、結局お客さんは付いてこない…というのが実際のところである。いや、本当に、設定を使っても稼働が落ちるんだよ。設定を使ってないから人気が出ないんだと思っている読者は多いだろうが、それほど簡単な話ではないのだ。

そうなると、どうしても新台は辛くなってしまうし、バジリスク絆や沖ドキ、ジャグラーあたりを出しにいかざるを得ない。だから、北斗の拳のようなビッグタイトルであったり、HANABIのように長寿機種になると見込める機械でなければ、入替による集客という大役を果たした後は、回収だけが目的となってしまうホールがほとんどのはず。その辺まで考えて、立ち回っていくことも重要だろうな。



【台枠さんの質問】
ホルコンって何ですか? 僕は回転率やボーダーしか信じないのですが、友達は店が出玉を制御してると言ってます。もし店が制御できるなら皆、平均的に出せばお客さんももっと遊べて店に来ると思うのですが?


【回答】
「ホルコン」ネタは本当に尽きないな(苦笑)。台枠さんの友達は、どこぞのインチキなサイトを見て訳知り顔で語っているのだろう…。しかし、この程度の話を信じてしまうとなると、いつかデカい詐欺に引っ掛かりそうで心配になるよ。

さて、台枠さんが思うように、ホールコンピューターで出玉を制御できるなら、こんなに楽な商売はないと思う。だってさ、管理者はみんな、出玉が狙い通りになってくれないから困ってるんだぜ? 上の者から嫌味を言われたりさ。


店舗によって差はあるが、お店が1日で得ている利益は1台あたり4000円程度。理論上は、1台につき1時間半ほど遊技する人が3人いればそこをクリアできる、という感覚だ。そうなると、1人当たりの負け額は1300円程度ってことになるよな。

こう書くと「嘘だ!」と烈火の如く非難されるのだが、これが実態であり、そういうシミュレーションのもと、日々営業しているわけだ。ちなみに、それ以上の稼働があれば玉を出す余裕はあるはずだし、逆にそれ以下なら徹底的に抜かなければ経営は成り立たない…とも言える。

まぁそれはともかく、結局のところ予定通りにいくことなどほとんどない。なぜなら、パチンコもスロットもこちらの言う事など聞いてくれないからだ。毎日通ったとしても、最終的には1日1300円程度で遊べるように出玉を制御ができるものならそうしたいよ。そんな風にできればお客様は増えるだろうし、ホールもなんとかやっていけるだろう。


しかしそんな便利なものはない。あれば楽だが、そうなると我々が努力することなどなくなってしまうだろうな。それこそ流行のAIでも入れておけば事足りてしまうのではないだろうか?

というわけで、残念ながら(?)ホールコンピューターは台からの情報を受けるだけで、ホールコンピューター側から何らかの信号を機械に入れるなど、ありえない話なのだ。



【台枠さんの質問の続き】
あと、ST中にヘソに玉が入ったらその時点でSTの確率と通常の確率で2つ抽選してるのですか? それともST中にヘソ保留消化になったその時点で抽選ですか?


【回答】
ぱちんこの抽選はルーレットにたとえられることが多いが、基本的にその認識で間違いない。通常時は「1」のポケットに入った場合のみ大当たりとなるが、確変中は1〜10までは全て大当たりとなるという感じだ。

だから通常時で当たりになるものは確変中でも当たるが、確変中に当たりになるものは通常時で当たるとは限らない。上の例でいうと2〜9のポケットということになるが、これは確変中でなければ当たりにはならない。ただし、スタートに入賞した時点で乱数だけは先に振り分けられてしまうので、そこはちょっと違うかな。

例えば、ヘソ入賞時に「2」という乱数が振り分けられた場合、その保留を消化するのが通常時であればハズレとなるが、確変中であれば大当たりになる。逆に100回転STなどで101個目の保留の乱数が「2」だったら、あと1回STがあれば大当たりだったのに…ということになるし、乱数が「1」であればどんな状態でも大当たりとなるので、ST中よりは通常時に回ってくれた方が得な気分にはなるよな。ま、見た目では絶対に分からないので、そんなことを言っても意味はないのだが。


さて、基本システムとしてはこうなるが、ゲーム性に関わるかどうかは機械によって違いが出てくる。恐いのはV-STと呼ばれるタイプである。

海の甘デジなどに代表される、確変中も左打ちで消化するようなタイプは、どうあれ規定回数までは通常時と同じような抽選はされない。これはヘソと電チューで抽選状況が変わるわけではなく、通常or確変という『状態』にだけ左右されるからだ。

ところが確変中は右打ちで消化する機械の多くは、保留が枯れてヘソ入賞の玉で抽選を受けると、かなり不利な展開になってしまう。最初に触れたが、大当たり確率は確変中の確率になっているものの、出玉や振り分けなどはヘソ入賞で当選したものと同じになってしまうからだ。

極端な例で言うと、ヘソでの確変突入率が0%、右打ち中の大当たりが確変突入率100%という機種であれば、確変中でもヘソ保留で当たってしまえば確変が終了してしまう。逆に言えば、通常状態であっても電チューで当たってしまえば必ず確変に入るということになるのだが(もちろんその場合は大当たり確率は通常時のもの)。こういうタイプは状態ではなく『入賞口』によって抽選状況が左右されるということになる。

さらにはもっと複雑なタイプもあるのだが…まぁそれは機種ページでも見てくれよな。


というところで今回はこの辺で。ここのところずっと質問の回答が続いているからだんだんネタも少なくなってきちゃうよな〜。何か聞きたいことがあればどんどん送ってくれよな!



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