「批判されて進化する」、それはパチスロも同じだ

シリーズ名
町民プールで鮪釣り (毎週火曜日更新)
話数
第15回
著者
ラッシー
今回は「みんなで面白いパチスロを作ろう!」というお話。

「は? 俺、開発じゃないし、メーカー勤務ですらないわ」って思ったでしょ? 別に直接的にパチスロを作ろうって話じゃない。

俺だって直接的にはパチスロの開発に関われない。でも、みんな知らず知らずのうちに、これからのパチスロに影響を与えている。それを自覚し、今後のパチスロ業界をいい方向に向かわせましょうというお話です。


先に断っておきますが、俺には影響力があまりナイ。本人としては皆無と言いたいところだが、やはりこうやって長らく各メディアで書いたり喋らせて頂いているので、僭越ながら「少しはある」ということにしておこう。

そんな俺が、たまに機種批判をする。とはいえ「ク〇台だ!」とか「もう2度とパチスロを作るな!」だとか、そういった過激な書き方はしない。

そりゃ完膚なきまでボロ負けすれば多少感情的にもなるが、一応商業誌のライターをやらせて頂いてるので、仕事に支障をきたしたり、ムダに争いが起こるような書き方はしない。ライターである前に大人ですし。

やはり批判をすると反響・反発が大きい。「俺の大好きな機種を批判するな!」というお叱りも受ける。自分が好きなものを批判されるのは、たしかに気持ちのいいものではないが、俺が批判するのにはちゃんとしたワケがある。


ここで少しだけ攻略ライターの話をさせて頂こう。攻略ライターを極端に分けると、下記の2パターンに分類できる。

[1] どんなク〇台でも面白いとこを見つけて褒めてあげるパターン
[2] ク〇台はク〇台として批判するパターン

もちろん1と2のハーフみたいな人もいる。

ライター同士で酒を飲むとよくこれが話題にあがる。好感度の高い人気ライターはだいたい1のパターン。こちらはもちろんメーカーからの受けもいい。2は言いたいことをズバッというタイプだから好感度は低いかもしれないが、熱狂的な支持を得ることもある。

基本的に攻略ライターは1であるべき。どんな機種であれ、少なからず面白いところがある。それを発見して発信すれば、その機種にハマっている人だけでなく、まだその魅力に気付いていない人にもいい影響を与えられるかもしれない。

そういう俺は1と2のハーフだ。「つまらないヤツ」と思われるだろうが、やはり攻略ライターとして担当機種の面白い点は見つけなきゃいけない。では、とにかく面白い点を発信し続けることが正義かというと、俺はそう思わない。


俺が機種を批判する理由は、「面白いパチスロを作ってほしい」からだ。

たとえばあまり面白くないけど、国民的アニメとタイアップし大ヒットした機種があるとする。それが高稼働を維持すれば、メーカーは「あの機種は成功だった」と認識してしまう。そして他メーカーもそれを真似る。

欠点に気付かずコピーのようなゲーム性の機種を作り、いずれそのゲーム性が主流になる。こういった悪い流れが起こりやすくなる。

気付いたらAT機ばかり。

気付いたらド派手な特化ゾーンに割を喰われた機種ばかり。

いつの間にか投資の嵩む機種ばかり。

それと、すでにユーザーの大半が興味を失っている機種をゴリ押しし続けるのもいかがなものかと。稼働がなくなった機種には、適度な引き際も必要なのだ。


批判されることを嫌がるメーカーもあるだろうが、「物を作る立場」なのだから批判を恐れてはいけないでしょ。批判されるのが嫌なら、そもそも物を作る資格がない。

でもお母さんに「メシがマズい」というのは良くない。お母さんにはお金を払っていないのだから「じゃあもう食べなくていい!」と言い返されても当然だ。

でも我々はお金を払って遊技している。面白くないなら、批判する権利がある。しっかりしているメーカーは、ちゃんとエンドユーザー=お客さんと認識しているが、中にはホールがお客さんであって、エンドユーザーはお客さんじゃないと認識しているメーカーもある。

実は機種からそういうメーカーを見極められるのだが、それは…さすがに書けないので秘密。俺にも生活があるのでね。


たまに「ライターなんだからしっかりメーカーに言ってやれよ! 俺らの代弁者だろ!」みたいなこと言われますが、むしろ逆だと思うんですわ。パチンコ・パチスロ業界は、エンドユーザーであるお客さんこそがピラミッドの頂点にいるべき。

幸い今はSNSが発達しているから、エンドユーザーでも感想を発信できる。ちなみにみなさんが思っているより、メーカーサイドはエンドユーザーのSNSを気にしています。自社の新機種が導入されたら、機種名で検索をかけて感想を見ていたりしますよ。


家電だって、車だって、ゲームだって、野菜だって、この世のあらゆる物は批判があったからこそ進化してきた。それはパチスロだって同じハズ。もちろん良いところはどんどん褒めていきましょう!

でもただ良いところを褒めるだけでなく、悪いところにはしっかり「NO!」を突き付けないと。パチスロライターだって自腹でパチスロ打ちまくっているんだから、間違いなくエンドユーザーの1人。自分で金を払っているんだから、欠点くらい言わせてくださいな。

「この機種は好きだけど、ココだけはいただけないな」とか「コレさえなければ打つのにな」ってこと、みなさんにもあるでしょ? それは声に出して言うべき。むしろライターなんてしがらみがあるから、しがらみのないみなさんこそ大声で言えるハズ。ちゃんとしたメーカーなら、ライターなんかの声よりみなさんの声を大切にしますよ。

ちなみに俺は開発のかたにお会いする機会もたまーにありまして、会うたびにボロクソ言ってます。毎度毎度、大変申し訳ありません。でも、それもこれも今後の機種開発にぜひとも活かして頂きたいと思うから。決して悪口じゃないんですよ。今のところそのメーカーから出禁って言われてないから、ちゃんと気持ちが伝わっているみたいだけど。


俺が夢見るのは「金を遣って損した!」と思う機種が1つもない未来。

俺は専業スロプロじゃないからね、負けたっていいんですよ。「いや〜、負けたけど楽しかった〜」って言えるなら。

叶いっこない未来かもしれないけど、それに少しでも近づけるため、少々の批判は受け入れて頂けると嬉しいです。


最後に——。

自分の好きな機種を誰かに批判されたからといって、ケンカ腰になるのはよくない。逆にアナタがク〇台だと思っている機種も、誰かは名機・神台だと思っているかもしれない。

異性の好みと同じく、パチスロの好みは人それぞれ。自分と意見・好みが合わないからといって、争う必要はないんですよ。

自分と違う意見の人もいる。それでいいじゃないですか。それも踏まえたうえで、みなさんも正しく感想を述べあい、褒めたり批判したりしながらパチスロの良き未来を創っていきましょう。