パチンコの回りムラは大型液晶が要因!?

シリーズ名
現役ホールマネージャーだけど、なんか聞きたいことある? (毎週日曜日更新)
話数
第15回
著者
アタマキタ
今回は規制についてと、回りムラについての質問に答えたいと思う。


【渋沢さんの質問】
パチスロ・パチンコの規制について色々騒がれていますが、メーカー、ホール、打ち手の中で考えると、結局のところホールが一番被害を受けるんじゃないかなーと思います。

商売なのでお店側も利益をあげないといけないでしょうけど、ホールが設定を入れるなり客に還元すればこんなことにはならなかったのでは? と思います。



【回答】
いわゆる内規(規則改正ではない)の変更に関してはメーカーの自主的な取り組みであって、出玉を還元するとかしないとかいうものとはちょっと違うんだよな。確かに、出る出ないという結果だけにフォーカスすると似た話になってしまうんだけどな。

要は機械の根本的な性能として勝ち負けの幅が大き過ぎるところを問題視し、そこを是正していこうという話だ。ホールが甘くして遊びやすくする…のではなく、機械の根本的な性能を甘くするということだ。


以前にも触れたパチンコ機の段階的な撤去についてだが、これは機械メーカーが許可を得た釘と、ホールへ納品された機械のそれが大きく異なる可能性があるというところが問題になっている。

例えば1000円で20回転まわる機械があったとしよう。ホールに設置されている機械であれば「1分間で6回転」「3分30秒で1000円を消費」するのが一般的なのだが、検査機関による審査を受けた段階では、同じ機械ながら「1分間に4回転」「5分かけて1000円を消費」という性能だったというのだ。

回転数はどちらも20回転なので同じじゃないか! と思うかもしれないが、大当たり確率1/399の機械だと、前者が66分半で399回転を回し切るのに対し、後者は約100分かかるという違いが出てきてしまう。

そうなると、当然、初当たりの回数に違いが出てくる(=多くなる)わけで、射幸性が高められる、と。これが今回の問題に発展した根本的な話だ。だから、ホールが釘を閉めているというのとはちょっと違うんだよな。ただし、個人的な見解だが、こういった『射幸性を高める』ことはお客様も求めていないしホールも望んでいないと思っている。


さて、問題のある機械を段階的に撤去していく過程では、ホールは否応なく差し替え用の機械を購入しなくてはならない。これはホールにとってはかなりの痛手だ。メーカーが全額返金するとアナウンスしてくれれば良いのだが、そんなメーカーは1社たりとも出てこないからな(笑)。

お客様から見れば、爆発力の低下した台へ次から次へと入れ替わっていくことになるのだから、魅力的に思えないというのは当然なのだが、これが適正なパチンコだというのであれば、それはやらなければならない。何とも歯がゆい状況ではあるのだが…。



【青い閃光さんの質問】
パチンコを打っていると、最初の1Kで25回まわったのに、次の千円では5回とか全く玉が入らない…ということがよく起こります。ムラがあるのは分かるけど、こんなに安定しないものですか?


【回答】
そうなんだよ、安定しないんだよ、ホントに(苦笑)。

理由はいくつか考えられるのだが、液晶が大型化したことが一番の要因ではないかと言われている。液晶が5インチ程度の時代にはそこまでの回りムラはなかったからな。


液晶が極端に大きくなった現在と昔とでは、スタートに到達するまでの玉の軌道に必然的に大きな違いが出てくる。通常のセブン機であれば、液晶の前を横切るように玉が行き交うことはないよな? そんなことになったら見にくくてしょうがないだろう。

そうなると、必然的に液晶前は玉が通らないというルートを作らなくてはならない。つまり、打ち出された玉が盤面上部で左右に振り分けられた後、液晶外側のルートを経由させて、また真ん中に戻ってこなければならない。そこまで辿り着いてやっと、スタートに入賞する機会を得るわけだ。

液晶のサイズが小さければ、外側に振られて真ん中まで戻すという動きは小さくて済むが、液晶が大きくなれば、それだけ遠い外側からセンターへ玉を集めなければならなくなる。当然のことだが、玉のルートが長ければ長いほど、方々に玉が逃げていく可能性も上がっていく。そのせいで回りムラが発生しやすくなってしまうというわけだ。


逆に、スタートの鍵となるスルーが中央にある餃子の王将3のようなものは、他の機種と比べるとスランプはかなり小さくなってくる。ま、スルー通過後の左側の役モノと最後の関門のクルーンについてはあれはあれで強烈なムラがあるけどな(笑)。

とまぁ、そういったことを考えながら打ってみるのもたまには良いかもしれないな。


ということで今週はこの辺で。質問などもお待ちしております。



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