パチンコ台に放火で大惨事寸前!? 店長の怒りが爆発!

シリーズ名
現役ホールマネージャーだけど、なんか聞きたいことある? (毎週日曜日更新)
話数
第13回
著者
アタマキタ
もっと深掘りしてもらいたいとか、パチンコから逸れた質問など…まぁ取り上げるかは編集部の判断になってしまうわけだが、ちょっとした疑問でも送っていただけるとありがたい。では今週もさっそく質問に答えていくぞ!


※質問文は文意を損なわない範囲で編集部側で調整させていただいております



【ぬこ道楽さんのご質問】
ホール内でいまだに、いい大人や年配の者ですら台パンやそれに準ずる行為をしているのを見かけます。遊技とはいえギャンブルの性質がある以上、そういった行為の根絶は難しいとは思いますが、注意されないからなのか現状では迷惑行為のやり放題です。

お店ではこの問題についてどういうスタンスなのでしょう? 店員のマニュアルや、一般的なホールの実情、アタマキタさんの考えなど聞けたらと思い質問してみました。

幼稚園児じゃないんだから、思い通りにならないからって殴る蹴るでは見ていて不愉快だし、哀れにすら思えます。こういう人間は、パチンコを打つ覚悟もなければ打つ資格もないんだと思います。もっと言えば客ですらないと思います!


【回答】
台を叩く、盤面に唾を吐きかける、ガラスに玉を投げつける…。台の掛け持ちなんかも恒常的に起こるな。スロット特有なものだと、パネルをライターで焦がしたり、スロットサンドに足をかけたり…。本当に困ったものだよ。


ちなみに、これまでで俺が受けた一番の被害は、とんでもねえバカに下皿の玉の払い出し部分にライターを突っ込まれて火をつけられたことかな。

その時は俺がたまたま事務所に居たのだが、店員から緊急のインカムが入り、急いでCRギンギラパラダイスの現場に駆けつけた。その時には既に下皿から煙が噴き出していて、うっすらと火も吐いている状態。

俺は台を開けるや無我夢中で本体を台枠から外し、両手で台を抱え込んでそのまま一気に店外へと走った。そこは地下だったのだが、階段を全速全開で駆け上がるとすぐ台を壁に立てかけ、すかさずホースを引っ張って来てギンパラに水をぶっかけたよ。

これでとりあえず鎮火できたのだが、ワイシャツはススだらけだし、髪の毛は焦げ臭いし、炎のせいでズボンはところどころ穴が開いてしまった。結果的に軽症ではあったが、足には火傷も負ってしまった。しかし、突然のことに店内は騒然としたものの、大惨事を防げたことには心底ホッとしたものである。


が、台の焦げた部分の汚れを落としたり部品を交換して少し気持ちが落ち着いてくると…沸々と怒りが込み上げて来た。

「誰だか知らねぇが…許さねぇ!!」

軽い気持ちのいたずらだったのかもしれないが、これは言ってみれば放火じゃないか!! この蛮行を許すことはできないし、犯人は徹底的に懲らしめてやらなければならない。


俺はすぐに防犯カメラをチェックし、該当の客を特定。そしてそいつの顔写真をスタッフルームに張り出して店員にマークさせることにした。案の定この客は自分のしたことに気付いておらず、悪びれた様子もなく一週間後に来店したのである。そしてそこであえなく御用となったわけだ。

しかし「俺は関係ない!」などとほざき、自らの罪を認めようとしない。すると、あの時の怒りが再び込み上げ、また当時俺が若かったせいもあり、ついつい胸ぐらを掴んで怒鳴りつけてしまった。機械が燃えてボヤ騒ぎになったこと、これは放火に等しいということ、一歩間違えたら大量の死者が出ていたかもしれないということを鬼の形相でぶつけまくった。


この手の話を書くと、やり過ぎと思う読者もいるだろう。だが、俺はこういうトラブルが起こった場合、相手が自店の大事な客だということを忘れるようにしている。ある程度痛い目に遭わないと同じことを繰り返しかねない…と思っているからだ。もちろん暴力で痛めつけるとかそういうことではないぞ(笑)。

そこで、この男には営業補償を要求した。結局その台は1週間の稼働停止を余儀なくされていたため、1日の想定利益4000円×7日間で、3万円近くを請求したのだ。本当であれば俺のスーツやら火傷やら色々請求したいところだが、私情はとりあえず置いておいたよ。

しかし話を聞いてみると、日雇い労働者で宿がないということ、そして自店にはぼちぼち通ってくれている客だということが分かったため、財布にあった5千円ほどの弁償で勘弁することにした。とはいえ、本人には相当に痛い出費であったろうが。


さて、こういったトラブルを含めたこれまでの経験から、自店では、隣近所の客や店員に絡んでくる客には厳しく対応をするようにしている。もちろん合理性や正当性があれば真摯に受け止めるが、執拗に絡んでくる奴らは意味不明な場合も多いのが現実だ。

ただし店員にそのまま伝え、結果、店のあちこちで傷害事件が発生しても困るので(笑)、注意の仕方を三段階に分けている。スタッフ向けのマニュアルってやつだな。


まず第一段階は「お願い」。どんな人間だって思わず台を叩いてしまうことはある。それも加減が分からず、気がつけばガラスが割れている…なんていうことだってあるだろう。誰しも腹の虫の居所が悪い時だってあるのだから、それら全てを咎めても仕方あるまい。

そこで、台を叩いているお客さんを見かけたら、まずは必ずその場に行って、以下のようなお願いをしている。

「お客様、大変申し訳ございません。台は強く叩かれないようにお願いいたします」

そう注意されると、ごめんねと謝ったり、無言で頷いたり、睨みつけてきたり、シカトされたり…反応は様々なのだが、大抵はこれで収まる。


しかし、これでもまた叩いてくる客もいる。こうなってくると、先ほどまでの"ある程度は仕方ない"というレベルを踏み越えていくため、第二段階目の注意を発せざるを得ない。

「お客様、台叩き行為は禁止しています。台は叩かないで下さい」

先程の優しい口調とは違い、はっきりとした口調で"台叩き行為は禁止である"旨を伝えていく。

どうにかしてここで踏みとどまってもらいたいのだが、中にはさらにヒートアップしてしまう人間もいる。そうなると、いよいよ第三段階。台を叩いている客の背後に回り、ハンドルを掴んで玉を飛ばさないようにするのだ。それでも反抗するようだと、台の電源を落とすことになる。


さすがにここまですれば客は冷静になるなり帰るなりするのだが、どうにもこうにも行かなくなった場合は表に出てもらい、カメラの録画されている場所まで来てもらう。その時はボイスレコーダーをポケットに忍びこませることも忘れない。これは逆上した客にぶん殴られたり、脅されたりした時に証拠を残しておくためだ。

さて、そこで再度注意をするのだが、最終段階は注意だけではない。次もまた台を叩いているのを見かけたら、その場で遊技を停止させ、必ず出入り禁止にするということまで告げる。

ほとんどのケースはこれで解決している。まぁ台叩きをヤメことはないだろうが、周りに迷惑が掛からない程度、周囲を威圧しない程度に軽く叩くくらいには落ち着くと見ている。しかし、中にはこの対応で上手くいかないケースもあった…。


昔の話だが、とある客がガラスを強く叩いていたのだが、何度か店員が注意した段階で、遂にはガラスを割ってしまったのだ。しかも、その台のガラスは蜘蛛の巣のように複雑に割れてしまっているのに、何食わぬ顔で隣の台で続行していたのである。

カメラでその様子を再確認した上で現場に向かったのだが、当の客の手からは血が流れており、絶望的に言い逃れができる状況ではなかった。それにも関わらず、知らず存ぜぬで一歩も譲らないのである。仕方がないので、カメラで確認した画像までを本人に見せたのだが、ここで途端に開き直ってきた。

「うるせえな! 弁償してやるよそんなもん! 5千円払えばいいんだろ!!!」

なぜ値段を知っているのかは不明だが、確かにこのガラスは5000円だった。これが不測かつ突発的な事故であれば、弁償してもらえれば済む話ではある。

しかしこの客の態度はどうにも我慢がならなかったため、こう言ってやった。

「ガラスの部分は5千円だが、この台はガラスを注文して取り付けるまでは動かせないからな。台が止まっている間の売上補償はしっかりしてもらうぜ」

ちなみにこの男、顔が割れていた(地元の電気屋のおやじ)ため逃げるわけにもいかず、最終的に売上補償として30万円ほどを支払うこととなった。


というわけで、売り言葉に買い言葉ではないが、やる時は徹底的にやらなきゃならないというのが、自店のスタンスである。

スタッフには常に言っている。一つ目を見逃したら、その後は注意ができなくなるから、迷惑行為を見かけたら無条件で突っ込めと。周りに迷惑をかけるような客のせいで、静かに打っている一般のお客さんが不快にさせられる。そんな客は居なくなっても構わないから、とにもかくにも臆せずやれ! と。おかげでうちの店では、タチの悪い客はほとんど出入りしないようになった。


ただ…メーカーにはひとこと言っておきたい! 演出で、「ボタンを叩け!」とか「枠を押しこめ」とかいう台を作るんじゃねーと! パチンコは遊技であって格闘技ではないという事をもう一度考えてもらいたいものである(苦笑)。



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