『優良店を見つける方法』を現役ホールマネージャー聞いてみた

シリーズ名
現役ホールマネージャーだけど、なんか聞きたいことある? (毎週日曜日更新)
話数
第12回
著者
アタマキタ
今回もサササっと本題に入っていくぞ。
※質問文は文意を損なわない範囲で編集部側で調整させていただいております

【チャー1280さんのご質問】
私の行動範囲の店舗は、掛け持ちやらイスの占有なども常連であれば黙認されるような店が多く、なかなか優良店を見つけられない状況。隠れた名店があるかも…などという淡い期待すら持てません。唯一安心して通えたお店も1年前に閉店してしまいました。

導入機種の画一化も進み店舗の特徴がなかなか差別化しにくい中で、アタマキタさんのような店舗を見つけるには何かコツのようなものはありますか? 単純な勝ち負けだけではなく、勝っても負けてもまた通いたいと思えるようなお店を見つけるヒントだけでも教えてください。


【回答】
これはいつになく難しい質問だな(苦笑)。いくつかポイントがあるのだが、お客さんに対して店員がしっかりとした気遣いができているかどうかに俺は一番注意を払っている。それはお辞儀が綺麗だとか笑顔が素敵だとか、そういった類のものではなく、言い換えるならば『お客様としっかり向き合えているか』ということ。

そういう考えが根付いているホールというのは、店長がわざわざそういう部分をスタッフに浸透させるために大きな努力を払っているわけだ。やらなければならないことがたくさんある中で、すぐには利益に結びつかない部分に時間と労力をかけるというのはやはりそれなりの覚悟がいるわけで、そんな中で敢えてそこに力を入れてくる店長というのは、少なくとも目先のことばかりに囚われるタイプではないはずだ。長い目でお客さんとの関係を築いていこうとしている証と見て良いだろう。

そういった店長はきちんとデータを読み込んでいくだろうし、故にお客さんの痛みを理解しながら出玉をコントロールしていく可能性が高い。もちろん営利団体だから綺麗事だけで済まされないのは事実だし、負けている人に便宜を図るということはないだろう。しかし、そういう思想があるのとないのとでは、調整にしろ設定にしろ機種選定にせよスタッフ教育にせよホール作り全般にせよ、全く見え方が違ってくるものである。

では、どうやって店舗の本質を見破るかだが、典型的なダメホールで俺が実際に経験したことをいくつか紹介したいと思う。


まず1つめ。あれは夏の暑い日で、店内に入った時には既にガン冷え状態だった。しかも運悪く自分が座った場所は直風に晒されており、打っていてすぐに鳥肌が立ってきた。そこで、近くの女性店員を捕まえて風向きを変えてくれないかと頼んでみたのだ。

するとその女性スタッフは満面の笑顔で即答してくれましたよ。

「お客様、大変申し訳ございません。当店のエアコンは風向き調整はできません(ニコッ)」

いやぁ、それはそれは丁寧なお辞儀だったな。

対応の丁寧さと返答のギャップに混乱し、そういうものかと最初は納得してしまったが、冷静に考えれば、風向きを変えられないエアコンなどおよそ考えにくい。それなのに、こういうテキトーなことを言ってしまう店員がいる店は駄目な典型例だろう。


次に2つめ。カウンターで景品を交換していたら余り玉が出た。端玉で何に交換するかと聞かれた俺は、目の前にある200円のイチゴポッキーを指差した。カウンターの女はバーコードを通し…と、ここまでは良くあるシーンだが、この時点ではまだ余り玉が残っている。

そこでこの担当者は何を思ったか、こちらはお願いもしていないのに、今度は80円のイチゴポッキーをバーコードに通してやがる。しかも、5玉ほど残った玉を交換せずに終了ボタンを押しやがった!

さすがにこの時は言ってやったよ、「どんだけ俺はイチゴポッキーが好きなんだよ!」ってな(笑)。

ちなみにだが、残り玉は、客が拒否するまで最後の1玉でも景品は提示しなくてはならないルールになっている。従ってこういった行為は許されるものではないのだ。そんな基本事項すら守られていない店では打たないほうが良いだろう。



最後の3つめは、ホールに忘れ物をした時のこと。退店後、忘れ物に気が付いたのでホールに電話してみたのだが、幹部らしき店員が対応してくれた。

まず、自分の打っていたスロット台の近くにライターを忘れたことを告げる。そしてそのライターの特徴や遊んでいた時間帯なども併せて伝えたところ、丁寧に話を聞いてくれ、すぐに忘れ物を調べにいってくれた。ここまで全く問題はない。

しかし、しばらくして先ほど対応したスタッフが電話口に戻ってくると、

「お客様、大変申し訳ございません。いま確認してみたのですが、残念ながらそのような忘れ物は見当たりませんでした…」

こう告げられ、それでやり取りは終わってしまったのだ。


ここに何の問題があるかお気付きだろうか? このスタッフは言われた通りの場所を確認し、そして落し物の届け出がないことを告げてきた。そこまでは良いのだが、後で出てくる可能性を考えていないことは大問題である。

もしかしたら掃除をしている最中に見つかるかも知れないし、ゴミ箱の中から出てくるかもしれない。そこまで考えると、最低でも相手の名前と連絡先、それと、もしも見つかった時に電話をしても良い時間帯くらいは控えておくべきだろう。

ちなみに俺は店員時代、結婚指輪を失くしたという客の電話対応をしたことがある。すぐに遊技台周辺を捜したが、残念ながら指輪は出てこなかった…。しかし後でゴミ箱の中から救出するに至り、無事に持ち主の元へと帰すことができたよ。相手からは随分と喜んでもらったが、まぁ結婚指輪は失くしちゃまずいよな(笑)。


とまぁ3つほど挙げてみたが、こういう些細なことができないからダメだ! と言いたいわけではないのだ。そうではなく、そんなことにも気が回らない、もしくはそういう部分を後回しにしてしまっている姿勢が問題なのだ。

設定さえ入れれば良いんだろ? とか、お辞儀をしておけば良いんだろ? 綺麗にしておけば問題ないだろ? とか、可愛い店員をおいておけば問題ないだろ? とか、どこか客を見下しているところがあるんだよな。客というか、金を落とすカモくらいにしか思っていないのかもしれない。

それでも、パチンコは良く回ってスロットは高設定が多いとかならまだ許せるかもしれないが、そういう店ってのは概して釘も設定も死んでいるもの。機種別のスペックも無視、ボーダーも無視、千円12回転でいいんじゃね? ってな発想の店が多い。当然、スロットも出率などは無視で、平気な顔して辛い台をベタピンとかな。

まぁ…そういった店のお陰で自店が繁盛してくれてるので助かってはいるのだが(笑)。


このコラムを読んでくれている賢明な読者さんは、設備が豪華とか、ゆったり打てる空間だとか、金をかければ誰でもできるようなところばかりに目を奪われないでもらいたい。

もちろんそれらもダメで設備もダメってのは話にならないし、気遣いもできて設備も良いならそれこそ最強だが、見た目に惑わされずに心の眼(笑)を開いてもらいたいものである。



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