「そうだ、打ったことにしよう」妄想実戦
- シリーズ名
- 回胴皇帝的必勝塾ドッカーン (毎週木曜日更新)
- 話数
- 第7回
- 著者
- スロカイザー
今、もの凄く気になっている機種がある。『擬似遊技を使った大量リーチ目マシン』『技術介入要素アリ』『ボーナス中のリーチ目出現でボーナス1G連確定』とスロッターの好奇心を刺激する要素が満載。大都技研が生み出した最終兵器、その名は『バガナックルー』。
ビッグネームでも話題の新機種でも何でもないが、SNS上では試打したライターさんやホール関係者さんの評価が良好。
「このミドルウェイブに乗り遅れるな!!」
そんな気持ちで鼻息荒くホールに乗り込んだ。
…ってゆうか、近場に導入されてないやん。
打ちたいときにあなたはいない。打ちたいという気持ちは強いのに、打てないというジレンマ。では、私はどうすればイイのか。そこで回胴界の孔明、神奈川が生んだ張良こと私スロカイザーは三日三晩寝ずに考えて考えた結果、ある結論を導き出した。
「そうだ、打ったことにしよう」
ということで、今回はバガナックルーの仮想実戦記をお届けする。もちろん、一度も打ったことがない機種なので仕様やゲーム性などに大きな間違いがあるかもしれないが、そこはご了承して頂きたい。
今日はシティ&シティド(まちにまった)なバガナックルーの導入日。今日の日のため、私は3年間も貯金を続けた。食べたいものを食べず、飲みたいものも飲まず、まさに爪に火をともして指先が火傷するような生活を続けていた。
だが、そんな倹約の日々は今日でジ・エンドだ。今日は全力全開でサンドに諭吉を突っ込むぞ。ちなみに、サンドといってもゲーム『パンチアウト!!』のMr.サンドマンとは一切関係ない。
確実に打つため、抽選ではなく並び順で入店できるホールを選択した。今は3月、耳をすませば春の足音が聞こえてきそうな時期なのだが、じっとしていると震えが止まらなくなるぐらい肌寒い。
海パン一丁という紳士スタイルで並んでいるので、余計に寒さが肌に突き刺さって串刺し公ヴラド・ツェペシュ。昨夜、1ポンドのヒレステーキを食していなかったら、間違いなく私は熱量不足で倒れていただろう。
現在、私は先頭から3番目の位置に立っている。バガナックルーの導入台数は5台なので、入店後にホールで迷子にならない限り余裕で台を確保できる。そう、ホールで迷子にならない限りは…。
と、意味ありげにフラグっぽい雰囲気を出してみたが、そんな最悪の事態にならないよう、昨夜、ホールに忍び込んでしっかりと下見をしてきた。ついでに釘直し用の道具も交換しておいたので沼攻略もバッチリだ。
開店まであと5分。待ち遠しい気持ちが強すぎて、この5分という時間が長く感じた。あと4分、3分…と近づいてくる至福の時、痛みを伴いながら足音をたてる。私は瞳を閉じてバガナックルーのことを思う。
こみ上げる気持ちを抱きながら…あと1分。私は瞳を開け臨戦態勢をとろうとしたが、視界には強烈な違和感が広がっていた。
あれ、私の前に60人ぐらい並んでいるぞ。
意味がわからない。「瞳を閉じている間に私は異世界に召喚されてしまったのか」「主題歌の歌詞にはなぜ、必ず光・海・風が入っているのか」そんなことを一瞬考えたが、どの角度から見ても私が立っているのは見慣れたホールの前だ。
鳩がAK-47アサルトライフルを喰らった顔をしていると、前に並んでいた人が「割り込んできたんだよ、プロ集団が60人ぐらい」と、やれやれとした表情で話し掛けてきた。「膝蹴るな!!」、もとい「ふざけるな!!」と、私は割り込んできたプロ集団にブチ切れて声を荒らげた。
すると、60人は一斉に地面を指さして「俺たちのほうが先に並んでいたから」と、ハモりながら一言。第3の眼を開眼させてよく見てみると、地面には彼らの魔闘気(オーラ)が鎮座していた。
魔闘気で場所確保なんて許されるハズがない。許されるかもしれないが、私は許さない。私が法だ。
I am the Law!! My friend is managing a pizza shop in Chicago!!!!
気付いたときには、拳を振り上げていた。スロライターという職業柄、パチスロ関係のことで問題を起こすのは良くないこと。他のライターさんに迷惑を掛けてしまう可能性があるのでGUッと堪えないといけない。わかっている、頭ではわかっているがどうしても許せなかったのだ。
そして、私の拳は空を切り、返り討ちにあった。
静かな空間で私は目を覚ました。目の前には知らない天井が広がっていた。全身の痛みが今までのことが夢でなかったことを証明していた。 なぜ、私は拳を…ナックルを振り上げてしまったのか。ホント、私ってバカ。バカナックルだ。泣きながら、私は後悔した。
※今回の実戦記はフィクションであり、実在する人物・地名・団体とは一切関係ありません。
ビッグネームでも話題の新機種でも何でもないが、SNS上では試打したライターさんやホール関係者さんの評価が良好。
「このミドルウェイブに乗り遅れるな!!」
そんな気持ちで鼻息荒くホールに乗り込んだ。
…ってゆうか、近場に導入されてないやん。
打ちたいときにあなたはいない。打ちたいという気持ちは強いのに、打てないというジレンマ。では、私はどうすればイイのか。そこで回胴界の孔明、神奈川が生んだ張良こと私スロカイザーは三日三晩寝ずに考えて考えた結果、ある結論を導き出した。
「そうだ、打ったことにしよう」
ということで、今回はバガナックルーの仮想実戦記をお届けする。もちろん、一度も打ったことがない機種なので仕様やゲーム性などに大きな間違いがあるかもしれないが、そこはご了承して頂きたい。
今日はシティ&シティド(まちにまった)なバガナックルーの導入日。今日の日のため、私は3年間も貯金を続けた。食べたいものを食べず、飲みたいものも飲まず、まさに爪に火をともして指先が火傷するような生活を続けていた。
だが、そんな倹約の日々は今日でジ・エンドだ。今日は全力全開でサンドに諭吉を突っ込むぞ。ちなみに、サンドといってもゲーム『パンチアウト!!』のMr.サンドマンとは一切関係ない。
確実に打つため、抽選ではなく並び順で入店できるホールを選択した。今は3月、耳をすませば春の足音が聞こえてきそうな時期なのだが、じっとしていると震えが止まらなくなるぐらい肌寒い。
海パン一丁という紳士スタイルで並んでいるので、余計に寒さが肌に突き刺さって串刺し公ヴラド・ツェペシュ。昨夜、1ポンドのヒレステーキを食していなかったら、間違いなく私は熱量不足で倒れていただろう。
現在、私は先頭から3番目の位置に立っている。バガナックルーの導入台数は5台なので、入店後にホールで迷子にならない限り余裕で台を確保できる。そう、ホールで迷子にならない限りは…。
と、意味ありげにフラグっぽい雰囲気を出してみたが、そんな最悪の事態にならないよう、昨夜、ホールに忍び込んでしっかりと下見をしてきた。ついでに釘直し用の道具も交換しておいたので沼攻略もバッチリだ。
開店まであと5分。待ち遠しい気持ちが強すぎて、この5分という時間が長く感じた。あと4分、3分…と近づいてくる至福の時、痛みを伴いながら足音をたてる。私は瞳を閉じてバガナックルーのことを思う。
こみ上げる気持ちを抱きながら…あと1分。私は瞳を開け臨戦態勢をとろうとしたが、視界には強烈な違和感が広がっていた。
あれ、私の前に60人ぐらい並んでいるぞ。
意味がわからない。「瞳を閉じている間に私は異世界に召喚されてしまったのか」「主題歌の歌詞にはなぜ、必ず光・海・風が入っているのか」そんなことを一瞬考えたが、どの角度から見ても私が立っているのは見慣れたホールの前だ。
鳩がAK-47アサルトライフルを喰らった顔をしていると、前に並んでいた人が「割り込んできたんだよ、プロ集団が60人ぐらい」と、やれやれとした表情で話し掛けてきた。「膝蹴るな!!」、もとい「ふざけるな!!」と、私は割り込んできたプロ集団にブチ切れて声を荒らげた。
すると、60人は一斉に地面を指さして「俺たちのほうが先に並んでいたから」と、ハモりながら一言。第3の眼を開眼させてよく見てみると、地面には彼らの魔闘気(オーラ)が鎮座していた。
魔闘気で場所確保なんて許されるハズがない。許されるかもしれないが、私は許さない。私が法だ。
I am the Law!! My friend is managing a pizza shop in Chicago!!!!
気付いたときには、拳を振り上げていた。スロライターという職業柄、パチスロ関係のことで問題を起こすのは良くないこと。他のライターさんに迷惑を掛けてしまう可能性があるのでGUッと堪えないといけない。わかっている、頭ではわかっているがどうしても許せなかったのだ。
そして、私の拳は空を切り、返り討ちにあった。
静かな空間で私は目を覚ました。目の前には知らない天井が広がっていた。全身の痛みが今までのことが夢でなかったことを証明していた。 なぜ、私は拳を…ナックルを振り上げてしまったのか。ホント、私ってバカ。バカナックルだ。泣きながら、私は後悔した。
※今回の実戦記はフィクションであり、実在する人物・地名・団体とは一切関係ありません。