なぜ低設定っぽいのにヤメないか? 収録の裏側(前編)

シリーズ名
町民プールで鮪釣り (毎週火曜日更新)
話数
第1回
著者
ラッシー
少し前までは雑誌の付録DVDやCS放送くらいしかなかったが、近年、スマートフォンの普及、そしてインターネット回線の高速化(Wi-Fiなど)の影響もあって、爆発的に増えたパチンコ・パチスロ動画。

今回は「出演者」の立場から、その裏側をコッソリ暴露していきます。もちろん存在を消されない範囲でね。

ちなみに俺が出演している動画の話だから、全く出演したことがない動画に関しては分かりかねます。全ての動画に当てはまる話ではないので、そこはご了承ください。


まず、なぜ低設定っぽい台を打ち続けるのか。

ライター(出演者)が、どう見ても低設定なのに何故か粘っている場合があるでしょ?

インターネットの掲示板なんかでは「店から高設定だって教えて貰ってるから、ヒドい展開でも粘ってんじゃね?」なんて書かれたりするけど、もちろんそんなことはナイ(俺の知っている範囲ではね)。これにはいくつかの理由がある。


A.他に良さそうな台がないor良い台がすでに埋まっている

昔より収録に協力して頂けるホールが減ってしまったので、協力して頂けるのは本当にありがたい。心の底から感謝しております。が、察しの通りそのホールが必ずしも良いホールばかりとは限らない。

「…この店で何を打てと?」という場合も。

収録に協力して頂いてる手前、それを動画で触れることなんてもちろんできない。そんなとき「まあ低設定っぽいけど、この台でやり過ごすか…」という思考になる。

「それが正しい立ち回りなのか?」と問われれば答えは否だが、いたずらに台移動して落ち着かない動画になってしまうのもいかがなものかと。

設定で勝てそうにないときは、せめて自分の好きな台の面白いポイントを伝えたい。そういう思考が働くのですよ。


B.収録終了時間が迫っている

設定看破の末に低設定と結論付けても、収録終了まで残り1〜2時間だった場合は、そのまま打ち続けることもしばしば。

明らかに高設定挙動の台が空いたりすればもちろん移動するのだが、そうじゃない台に移動して1〜2時間で看破することなど到底不可能。

想像してください。閉店2時間前の状況で、全く稼働していない台を設定看破しつつ打つことがありますか? そんなことなら、今打ってる台で上手くまとめる(見せ場を作って、ベストなヤメ時を見せる)ことを考えたほうがいいのではないかと思うわけです。

ただこれも立ち回りとしては間違いなので、動画ならではの考え方になるかな。


C.機材や店の都合上、その台しか打てない

実戦店の通路が狭く、角台しか打てないなんてこともある。それと実戦店から突然収録日の朝に「他のお客様のご迷惑になるので、広い通路のところの機種しか打たないでください」と言われるケースも。

自由に打っているようで、裏では妙な制約があったりするのだ。


D.とにかくその機種が大好き

「低設定だろうが、絶対にその機種しか打ちたくない!」という出演者も存在する。

「あのライター、あれしか打たないな」ってパターンあるでしょ? 俺も昔「ルパン三世〜ルパン一族の秘宝〜」しか打っていない時期がありました。「自分が大好きなこの機種の面白いところを、もっとたくさんの人に知ってほしい!」と思うわけですよ。

ちなみに〇〇といえばラッシー、みたいなイメージがついてくれれば、続編がリリースされるときに仕事を頂けることもありますしね。


E.腐るほど金がある

パチンコ・パチスロライターといっても、経済状況は人それぞれ。中には一般サラリーマンでは遠く及ばないほど稼ぎまくっている方もいらっしゃいます。会社を経営している方もたくさんいますしね。

俺の1日での最大負け額は、たしか13万くらいだったと記憶している。パチスロ・パチンコ番組の収録時間は6時間前後が多いので、そこまで大きく負けることはなかなかないが、年収がウン千万ある人ならば、収録での負けくらい痛くも痒くもないでしょう。俺にはマネできないですけど。


これが主な理由かな。

この他、ごく稀に「デモ遊技」というものがある。自腹実戦でなくホールからメダルを借り、出てもそのまま店に返すパターンだ。

たとえば収録のために台を確保して頂いた場合は、このデモ遊技となる。

もしもホールに押さえてもらった台が高設定で、その勝ち分がライターにそのまま入ったら卑怯でしょ? フェアじゃないでしょ? それを解消するため、金銭のやりとりを無くしましょうというのがデモ遊技だ。

どうしても新台の動画を撮らなきゃいけないときなど、こういった措置が必要になる。


動画を見て「なにこの立ち回り?」とか「もうヤメればいいじゃん」ってことがあると思う。でも動画には「尺(撮れ高)」が必要なので、ヤメたいからといってヤメていいわけじゃないんですよ。

「もうこの店、打ちたい台が1台もない」って状況でも、帰ったり休憩所で休むことは許されない(許されるケースもあるけど)。負けるなら負けるで面白い画を提供しなければならない。それが動画出演者なのだ。

そもそも初見のホールでいきなり立ち回れって言われても、100%の立ち回りを披露するのは難しい。誰でも自分がよく通っているホール、いわゆる「マイホ」でなら出来るだろうけどね。


さて、軽い気持ちで動画の裏側を書こうと思ったのだが、「なぜ低設定っぽいのにヤメないか」というネタだけでかなりのボリュームになってしまった。

他にもネタはあるので、それはまた別の機会にでも。