なんか聞きたいことある?
- シリーズ名
- 現役ホールマネージャーだけど、なんか聞きたいことある? (毎週日曜日更新)
- 話数
- 第1回
- 著者
- アタマキタ
6月某日。パチ&スロ必勝本の編集が店にやってきてこう言った。
「アタマキタさんにコラムを書いて頂きたいのですが」
まぁこの手の話は良くあることで、たいてい俺は断ってきた。なぜならパチンコの話など特別面白いものでもないと思ってるからだ。
昔からパチンコは庶民の娯楽だ何だと言われているが、美化してみたところで所詮はギャンブルという側面が強い。結局は金のやり取り、奪い合いだ。そんな話を毎週毎週読まされる読者はたまったもんじゃねぇ。
そんなわけで、知人の紹介ということもあって会わざるを得なかったが、体の良いことを言って断っちまおうと思っていた。
すると編集がこう続ける。
「サイトで質問を受け付けてそれに答える形ではどうでしょうか?」
質問???
「まぁ遠隔操作やら何やらっていうのもあると思いますが…」
遠隔ね…。はっきり言って今の時代に遠隔遠隔言ってる奴はどうかしてると思うぜ。パチスロで勝てば「高設定ゲット」とほざく積もったちゃん。負ければ「遠隔操作すんなよ」と吐き捨てていくおバカちゃん。
前者は無知だが幸せもの。まあ本当にツモってる可能性もあるけどな。手が付けられないのは後者のほうだ。自分がパチンコで負けたことを、他人のせいにしてしまおうなんて奴は、ロクな人生送ってねーに違いない。そんなやつは、ネットで"ホルコン攻略"とかいうアホなサイトに投資して、さらに負債を増やしていく情報弱者だろう。
編集とやり取りをしていた時、口に出してはいないが、俺の頭の中はこんな感じで悶々としていた。大体パチンコの質問をしてくる奴ってのは、パチンコ店を疑う事から始まるからだ。負けが込めば腹立たしい気持ちになるのも分かるが、ただ、正しい知識を持とうともせずにホールのせいにしていては、同じことの繰り返しになるだけ。そんな奴の質問に丁寧に答える事が出来るほど、俺は人間出来てない。
とはいえ、そういう気持ちが分からないわけではない。コンプライアンスだ何だと騒いでいるホールに限って、ボーダーの半分も回さないボッタクリだったりするからな。
そういえばさっきから偉そうなことばかり言ってるけどお前は誰だ? って話だよな。
通称アタマキタ45歳現役ホール管理者性別男性。
22歳の時に釘師に憧れて飛び込んだパチンコ業界。ガキだった俺には、とっても刺激が強くて、理解できないことが多くて、子供以下の思考を持つ有り得ない大人達に囲まれ、上司や会社に裏切られ…、それでも支えてくれた人に感謝し、毎日フラフラになりながらも楽しくやってきた。そんな奴だ。
楽しすぎる現場では、毎日さまざまな事が起こる。例えば…
「おいてめぇ! 1200回転とかハマるなんて有りえねーだろ。今から警察に行って全部ぶちまけてやるからな! 上に行って早くスイッチ入れてこい!」
「あなたはこのまま行っても一生雇われ店長のまま。私たちと組んで貯金を増やしましょう。高設定台をたまにメールで教えてくれれば良いだけです」
「いま常連のみんなで話していて、私が代表で電話してるんだけどさぁ…あなた○○番台の奥さんとデキてるでしょ? あの人ばっかり当てるのやめてよね。」
「店長お金返して! 店長から遠隔を任されてるって人に表で会って、出る台のリストを3万円で売ってもらったけど、全然出ないじゃない!」
これらの言葉の数々は実際にわたしが浴びせられたものだが、ひどいもんだろ?
(どう対処してどんなトラブルがあったかは、おいおい触れていこうと思う)
このように、現場では、「金」を巡って信じがたいトラブルや誘惑も多い。ゴト師に打ち子にコーチ屋、詐欺師、カード泥棒、はたまた090金融まで…。親戚のおばちゃんまでもが出る台を教えてくれと言ってくる始末(笑)。
店長たる者、そういった「ヤカラ」や、根も葉もないうわさ話から、常に店を守っていかなければ、お客様やスタッフを守れない。一歩踏み間違えれば、どこまでも奈落の底に引きずり込まれ、結局は「ヤカラ」に喰い潰されて、閉店を余儀なくされることもある。
しかし、そんな「金」が絡んだ業界だからこそ、人が夢中になるものがあり楽しいのも事実だ。俺は冒頭でも触れたが、パチンコを美化するつもりは一切ない。でも間違えた情報やらうわさ話が先行して、パチンコ自体の面白さがストレートに理解されにくくなっている現状には、ちょっと残念な気がしている。
そうか。そこを多少なりとも改善できるのであれば、俺にも利用価値があるのかもしれないな。そう思ってこのコラムを引き受けることにした。
そんなわけで、誤解や誰にも聞けないパチンコ店の話など、綺麗ごと抜きで真剣勝負していこうと思ってる。来週も「なんか聞きたいことある?」で待ってるぜ!!!
「アタマキタさんにコラムを書いて頂きたいのですが」
まぁこの手の話は良くあることで、たいてい俺は断ってきた。なぜならパチンコの話など特別面白いものでもないと思ってるからだ。
昔からパチンコは庶民の娯楽だ何だと言われているが、美化してみたところで所詮はギャンブルという側面が強い。結局は金のやり取り、奪い合いだ。そんな話を毎週毎週読まされる読者はたまったもんじゃねぇ。
そんなわけで、知人の紹介ということもあって会わざるを得なかったが、体の良いことを言って断っちまおうと思っていた。
すると編集がこう続ける。
「サイトで質問を受け付けてそれに答える形ではどうでしょうか?」
質問???
「まぁ遠隔操作やら何やらっていうのもあると思いますが…」
遠隔ね…。はっきり言って今の時代に遠隔遠隔言ってる奴はどうかしてると思うぜ。パチスロで勝てば「高設定ゲット」とほざく積もったちゃん。負ければ「遠隔操作すんなよ」と吐き捨てていくおバカちゃん。
前者は無知だが幸せもの。まあ本当にツモってる可能性もあるけどな。手が付けられないのは後者のほうだ。自分がパチンコで負けたことを、他人のせいにしてしまおうなんて奴は、ロクな人生送ってねーに違いない。そんなやつは、ネットで"ホルコン攻略"とかいうアホなサイトに投資して、さらに負債を増やしていく情報弱者だろう。
編集とやり取りをしていた時、口に出してはいないが、俺の頭の中はこんな感じで悶々としていた。大体パチンコの質問をしてくる奴ってのは、パチンコ店を疑う事から始まるからだ。負けが込めば腹立たしい気持ちになるのも分かるが、ただ、正しい知識を持とうともせずにホールのせいにしていては、同じことの繰り返しになるだけ。そんな奴の質問に丁寧に答える事が出来るほど、俺は人間出来てない。
とはいえ、そういう気持ちが分からないわけではない。コンプライアンスだ何だと騒いでいるホールに限って、ボーダーの半分も回さないボッタクリだったりするからな。
そういえばさっきから偉そうなことばかり言ってるけどお前は誰だ? って話だよな。
通称アタマキタ45歳現役ホール管理者性別男性。
22歳の時に釘師に憧れて飛び込んだパチンコ業界。ガキだった俺には、とっても刺激が強くて、理解できないことが多くて、子供以下の思考を持つ有り得ない大人達に囲まれ、上司や会社に裏切られ…、それでも支えてくれた人に感謝し、毎日フラフラになりながらも楽しくやってきた。そんな奴だ。
楽しすぎる現場では、毎日さまざまな事が起こる。例えば…
「おいてめぇ! 1200回転とかハマるなんて有りえねーだろ。今から警察に行って全部ぶちまけてやるからな! 上に行って早くスイッチ入れてこい!」
「あなたはこのまま行っても一生雇われ店長のまま。私たちと組んで貯金を増やしましょう。高設定台をたまにメールで教えてくれれば良いだけです」
「いま常連のみんなで話していて、私が代表で電話してるんだけどさぁ…あなた○○番台の奥さんとデキてるでしょ? あの人ばっかり当てるのやめてよね。」
「店長お金返して! 店長から遠隔を任されてるって人に表で会って、出る台のリストを3万円で売ってもらったけど、全然出ないじゃない!」
これらの言葉の数々は実際にわたしが浴びせられたものだが、ひどいもんだろ?
(どう対処してどんなトラブルがあったかは、おいおい触れていこうと思う)
このように、現場では、「金」を巡って信じがたいトラブルや誘惑も多い。ゴト師に打ち子にコーチ屋、詐欺師、カード泥棒、はたまた090金融まで…。親戚のおばちゃんまでもが出る台を教えてくれと言ってくる始末(笑)。
店長たる者、そういった「ヤカラ」や、根も葉もないうわさ話から、常に店を守っていかなければ、お客様やスタッフを守れない。一歩踏み間違えれば、どこまでも奈落の底に引きずり込まれ、結局は「ヤカラ」に喰い潰されて、閉店を余儀なくされることもある。
しかし、そんな「金」が絡んだ業界だからこそ、人が夢中になるものがあり楽しいのも事実だ。俺は冒頭でも触れたが、パチンコを美化するつもりは一切ない。でも間違えた情報やらうわさ話が先行して、パチンコ自体の面白さがストレートに理解されにくくなっている現状には、ちょっと残念な気がしている。
そうか。そこを多少なりとも改善できるのであれば、俺にも利用価値があるのかもしれないな。そう思ってこのコラムを引き受けることにした。
そんなわけで、誤解や誰にも聞けないパチンコ店の話など、綺麗ごと抜きで真剣勝負していこうと思ってる。来週も「なんか聞きたいことある?」で待ってるぜ!!!