パチンカスに聞け!〜 第一話:オカルトババアを撃破せよ 〜

シリーズ名
PGQ編集部コラム (不定期更新)
話数
第16回

バンッバンッバンッバンッ!
ガシッガシッガシッガシッ!

よく行くホールに、発情期のチンパンジーにバイアグラを飲ませたかのような興奮状態で、台のボタンを強打するババアがいる。年の頃なら50歳。どこからそんなパワーが湧いてくるのか分からないが、いつも、出がらしのほうじ茶みたいな色のダウンを来て、カド台の牙狼にかじりついて、激しく動いている。

ボタンの押し方がすごい。

餅をのどにつまらせたお爺さんの心臓マッサージをするかのごとく、両手を重ね、肩を上下に揺らしながらボタンを強打しまくる。演出関係なく連打しまくる。

牙狼剣の刺し方がすごい。

藁人形に五寸釘でも打つかのような勢いで、両手で剣を握り、ドリルのような勢いで剣を差し込みまくる。牙狼剣に連打演出なんか無いのだが、おかまいなしだ。

PFOGの愛で方がすごい。

プォーンプォーンと鳴った瞬間に立ち上がり、PFOGが完成するより先に、牙狼の左右のツノを両手で握って、ババア自らPFOGを完成させる。

海物語の島を中心にボタン強打するジジイやババアは数多くいるが、ここまでクレイジーにアクティブなババアは他で見たことがない。サンセイに身内でも殺されて恨みがあるんじゃないだろうか。このままじゃ気になって夜も眠れない。これは、もうババア本人に真相を直撃するしかない!

「すごい出てますね」

急に話しかけられて驚いたような表情をしたババアだったが、自分のうしろにあるドル箱タワーをチラ見すると、ドヤ顔でニヤリと笑った。気持ち悪い。

「さっきボタンを押しまくってたけど、アレが秘訣っすか?」

「当たり前じゃない、押さないと当たらないわよ」

「やっぱ、強く押すと当たりやすいとか?」

「気持ちが通じる!」

「気持ち...!」

「台も生き物だから、気持ちがないと!」

「生き物...!」

「気持ちをこめるとキュインって鳴るから!」

ツッコミどころが多すぎるコメントのオンパレードに戸惑う私に、ババアが畳み掛けてくる。

「剣はね、アソコなのよ」

「アソコ?」

「気持ちを入れてゴシゴシやるとね、イクのよッ!!」

次の瞬間、まばゆい光がババアを包み込み、ババアはピンク色に輝いた。ボタン強打にLFOGが激しく光る。そして、ババアは牙狼のアソコを両手で握り、恍惚とした表情で突き刺した!

ぷしゅん!!!!(はずれ)

返却ボタンを押し、そっと台を離れようとした私に、ババアは言った。

「私、カズミよ」

CR牙狼 魔戒の花、-22K