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前回までのあらすじ
私は38歳独身サラリーマン。パチンコを打つことだけが唯一の楽しみだった……マイケルと出会うまでは。
マイケルと別れてから1ヶ月
あれは1ヶ月前、パチンコを打っていることが私の楽しみだったが結果は散々。そしてホールでたまに会うAという男に私はよく蔑まれていた。その日は特にAが絡んできて、ボロクソに言われたのを覚えている。
そんなときだった。マイケルと出会ったのは。
いきなり私の前に現れてパチンコでの勝ち方を教えてやるというのだ。
普通だったら何かの詐欺だと思って聞く耳すら持たなかっただろう。
しかし何故か私は受け入れた。
マイケルには何かこう、人を惹きつけるよう何かがあったのかもしれない。
それからマイケルからパチンコに関する知識や技術を教わった。
マイケルを別れるまでの2週間、ナミヘイとの出逢った。

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そしてAとの対決など様々なことが起きた。これまでなんとなく生きてきた私には何十年にも匹敵するほどの濃厚な2週間だった。
そしてあれから1ヶ月、私は決めた。
マイケルやナミヘイがこの街に来なくても良いよう、少しでも彼らの手助けになるようこの街のホールを守ることに……。
それから私は鍛えに鍛えた。

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止め打ちボタンをより早く押すために親指を鍛えた。
捻り打ちを早くするために手首を鍛えた。

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釘がどれだけ開いているのか瞬時に見抜けるよう目を鍛えた。
そして肩も背筋も腹筋も、体のあらゆる所を鍛えた。

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誰にも負けない力をつけるために……。
この街のホールを守るために……。
そして鍛え終わればホールへ向かう。
これが日課となった。
だがまだ自分がどこまで強くなったのかわからない……。Aがこの街から去ったあと、ホールは至って平和となった。だから今は楽しく、そして勝つ為にホールへ行っているのだ。
さぁ、今日もこれからホールへ行こう。
怪人強打中年おっさん
さて、今日は何を打とうか。
ガンガンッ!! バシバシバシッ!! ゴンゴンッ!!
む、なんだこの音は……。
バシバシバシバシバシバシッッ!!!
これは……!
ありえなほどプッシュボタンを強打している中年おっさんが…!
それに何故、人気機種の牙狼なのに中年おっさんの周りに人がいないのだ……。これは危険な匂いがするな。今までの私だったら知らないふりをして帰っていたのだが今は違う。
とりあえず中年おっさんの隣に座って様子を見よう。
すると私が座った途端だ。
さらに強打が激しくなった。
なるほど。こうやって自分の周りには人を座らせず、1人悠々と楽しんでいるのだな。独り占めなど許さん!!
(精神を集中させ深呼吸をする)
………
……
…(カッ!!)

その瞬間、液晶には図柄が揃っている…。
どうやら私はここまで強くなってしまったようだ。
すると隣の中年おっさんはさらに強打を始めた。早くどこかに行けと言わんばかりに……。
だが私は手は抜かない。今じゃ私の捻り打ちはワン、ツー、スリーが基本だ(普通は最終カウント時に2個入れるところを3個入れる技術)。
ドンドンと積まれていくドル箱。
中年おっさんはというと、真っ赤に左手を腫らしてホールから出て行こうとした。
私「お前はもう二度とこのホールへ来るな」
中年「ふぇ、ふぇい……」
なんとか追い出すことができた。
?「あなたが怪人強打中年男デスか?」
私「いえ、私は先ほどその中年男を追い払った……マイケルさんじゃないですか!?」
M「久しぶりデスね~!遠くから見ていましたが大分腕を上げましたネ!」
私「何故ここにマイケルさんが!?」
M「強打男がいるという話を聞きましてね、退治しにきたんデスよ!彼は負けすぎて怪人強打男となってしまったようデス。今もし、強打男に負けていたら危なかったデスね」
私「そんなに危ない男だったんですか…すみません、勝手なことして……」
M「イエ、あなたはすでに十分な戦力デス!私達と一緒に来ませんか!?」
私「いいんですか?」
M「モチロン!!」
こうして私はマイケル達の組織「DSY」に入ることとなった。
しかし、巨大なチカラがマイケル達に襲い掛かろうとはまだ誰も知らない。だが、そんなチカラがあるかどうか誰も知らない。
